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第二二話 重ねる約束
第二二話 五
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ほんのり上気した頬に、しっとりと濡れた大きな赤い瞳。普段のあかりがもつ愛らしさに僅かな妖艶さが混ざり合う。
あまりに魅力的な姿に結月は言葉を失っていた。
あかりは結月の左手を両手できゅっと握って結月を見上げている。不安げに瞳を揺らしながら、あかりがぽつりと呟く。
「さっきの、千夜ちゃんのこと……」
「え?」
「結月、ここに来る前に私の調子が変だって、どうしたのって訊いたでしょ?」
「え……、あ、うん」
突然のぼった話題に結月は戸惑いながらも相槌を打つ。あかりはそのときの沈黙が嘘のように、ぽろぽろと胸の内を明かしていく。
「結月と千夜ちゃんが仲良くしてるのが、いいことなんだけど、不安だったの。だって千夜ちゃん可愛いし、青柳家の家臣の男の子たちにも人気あるでしょ? 結月もそうなっちゃうんじゃないかって」
「ないよ」
「……」
結月の即答にあかりは目を見開く。結月はあかりを安心させるように微笑みかけると、大丈夫だと言うようにあかりの手を握り返した。
「約束したから、これ以上は言えない、けど。でも、おれはあかりしか見てない、から」
「……うん」
「おれを信じて、約束、待っててくれる?」
「うん」
ようやく安心したのかあかりは手をつないだまま結月の肩に頭を乗せた。普段のあかりからは考えられない甘えように、結月は困惑するばかりだ。
「あ、あの、あかり。秋もいる、から……」
「んー。知ってるよー」
その秋之介はといえば、意外にも茶化すことなく何かを思案していた。
「秋?」
気になった結月が声をかけると、秋之介は顔を上げ「もしかしてさ」と切り出した。
あまりに魅力的な姿に結月は言葉を失っていた。
あかりは結月の左手を両手できゅっと握って結月を見上げている。不安げに瞳を揺らしながら、あかりがぽつりと呟く。
「さっきの、千夜ちゃんのこと……」
「え?」
「結月、ここに来る前に私の調子が変だって、どうしたのって訊いたでしょ?」
「え……、あ、うん」
突然のぼった話題に結月は戸惑いながらも相槌を打つ。あかりはそのときの沈黙が嘘のように、ぽろぽろと胸の内を明かしていく。
「結月と千夜ちゃんが仲良くしてるのが、いいことなんだけど、不安だったの。だって千夜ちゃん可愛いし、青柳家の家臣の男の子たちにも人気あるでしょ? 結月もそうなっちゃうんじゃないかって」
「ないよ」
「……」
結月の即答にあかりは目を見開く。結月はあかりを安心させるように微笑みかけると、大丈夫だと言うようにあかりの手を握り返した。
「約束したから、これ以上は言えない、けど。でも、おれはあかりしか見てない、から」
「……うん」
「おれを信じて、約束、待っててくれる?」
「うん」
ようやく安心したのかあかりは手をつないだまま結月の肩に頭を乗せた。普段のあかりからは考えられない甘えように、結月は困惑するばかりだ。
「あ、あの、あかり。秋もいる、から……」
「んー。知ってるよー」
その秋之介はといえば、意外にも茶化すことなく何かを思案していた。
「秋?」
気になった結月が声をかけると、秋之介は顔を上げ「もしかしてさ」と切り出した。
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