現代に帰還した"元"邪悪な魔女は平穏に暮らしたいけど、駄目そうなので周到に準備して立ち回りながら無双します

忘八

文字の大きさ
88 / 100

死は静かに忍び寄る

しおりを挟む

 その日の夕方近く。
 ペストマスクを被って戦闘装束に身を包む涼子はエレオノーレと共に連中の本拠地たる学園から約5キロメートルの地点で身を隠していた。
 そんな涼子は魔力探知防止の為に用意させた通信機を介し、正樹に尋ねる。

 「私が言うのも何だけどさ?良かったの?」

 涼子が尋ねたい内容を察した正樹は肯定する。

 「あの和平交渉に関してならアレで良い」

 和平交渉の為の会談を自ら求めながら、正樹は涼子と共に問答無用で会談相手を躊躇いなく射殺した。
 ソレを是とした事。
 それから和平を求めるポーズ云々等の以前から口を酸っぱくして言い続けた正しい順序云々。
 其れ等を自ら投げ棄てた事を正樹がアッサリと肯定すれば、涼子は少しばかり"ふざけんな"。
 そう思ってしまう。
 それ故に涼子は……

 「だったら、最初から殺った方が良かったじゃん。何なら、この間の下見の時に殺れば終わりだったじゃないの?」

 思った事をそのまま口にしてしまう。
 そんな涼子に正樹は言い訳がましくも、キチンと理路整然とした理由を答えた。

 「あのクソ野郎2人島津と鮫島の思惑が解らなかったのが1つ……クソ野郎共島津と鮫島が何の為に俺達と連中をぶつけ合わせたのか?解らない以上は不用意な事は出来なかった。ソレは理解してるよな?」

 順序立てて説明し、最後には確認の為に正樹が問えば涼子は肯定する。

 「えぇ、ソレは解るわ」

 涼子が理解している事を確認すると、正樹は説明を続ける。

 「あの偵察の時点ではクソ野郎共の思惑が未だ解らなかったし、辿

 無線傍受を防ぐ為。
 正樹は其処で言葉を切った。
 そんな正樹が語った理由は涼子も理解はしている。
 その後に続くだろう正樹の言葉も涼子は何となくではあるが、察しては居た。
 正樹は一拍置くと、理由の説明。
 否、結論を述べていく。

 「仮説が正解であったとしても実際に確認出来るまでは仮説でしかない。だから、俺は慎重に動くべきと方針を定めざる得なかった」

 慎重に動かざる得なかった。
 そんな結論を述べた正樹に涼子は理解すると共に納得すると、次の疑問を尋ねる。

 「なら、和平交渉のポーズを辞めたのは?」

 涼子の問いに正樹は簡潔に答えた。

 「雇い主タケさんからネタバレされたから。コレに尽きる」

 「成る程。つまり、クソ野郎共島津と鮫島の思惑の確認が出来て、クソ野郎共が味方であると判断した。そういう訳ね?」

 その問いに対し、正樹は補足する形で肯定する。
 
 「後、今まで我慢していた鬱憤晴らしだ」

 今まで理性的に動いていた正樹から意外な答えが出ると、涼子は感謝した。

 「えぇ、お陰で少しはスッキリ出来たわ」

 「納得してくれたんなら作戦開始時刻まで無線封鎖だ」

 指揮官として無線通信をしない事を告げれば、涼子と正樹の遣り取りは終わる。
 無線機をしまった涼子にエレオノーレは尋ねる。

 「コレが片付けばモラの方に集中出来るんだな?」

 エレオノーレの問いを涼子は肯定した。

 「えぇ、正樹が私の雇い主達から一月1ヶ月の休暇をもぎ取って来たから集中出来る筈よ」

 「なら、これ以上は言わん」

 涼子の答えにエレオノーレは一応、納得してくれた。
 そんなエレオノーレに涼子は尋ねる。

 「貴女こそ、彼の指示で戦闘する事に納得してくれるの?」

 今回だけでなく、モラの脱獄に於いても正樹の指揮下で戦う事に納得しているのか?
 そう問う涼子にエレオノーレは、納得している事を理由も交えて告げた。

 「良い将の下で戦えるならば文句は無い。それに言った筈だが、魔法の無い世界に於ける戦いと言うモノを学べる良い機会を態々棒に振る理由が無い」

 「戦争の魔女としては魔法無き世界の戦いは興味を大いに引くんでしょうね……で?アンタの事だから、とっくに戦場を眺めたんでしょ?」

 その問いは地球の戦争はどうだったのか?
 ソレを問うモノであった。
 そんな涼子の問いにエレオノーレはつまらなさそうに返した。

 「ドローンとやらが頭上から音も無く襲い掛かって兵を殺し、榴弾砲と言う物や貴様から知った空爆で淡々と遠くに居る敵を粉砕する……貴様の戦い方を見ている様だった」

 心底つまらなさそうに答えたエレオノーレに涼子が否定する事は無かった。

 「そりゃそうよ。私はこの世界の知識や敵の殺し方を流用して、魔法で可能な限り再現してるだけに過ぎないわ……」

 寧ろ、1人のミリタリー趣味者ミリヲタとしてエレオノーレの言葉を認めた。
 そんな涼子にエレオノーレは尋ねる。

 「あのツマラン闘争が貴様の戦い方の根源と言う訳か?」

 エレオノーレの問いを涼子は補足説明を交えた上で肯定した。

 「その1つと言うべきね。ほら、私って師匠から色んな事を学んだり、暇に飽かして色んな所を旅して廻ったりしてるから」

 涼子の答えにエレオノーレは心当たりがあったのだろう。
 その心当たりに関して尋ねた。

 「貴様が長い間、姿を消してたのはソレが理由か?」

 「具体的に何かしなければならない事が無い上に不老不死だと、暇過ぎて退屈で死にそうになるのよ……だから、時間を有意義に使う為に色んな所を旅して廻ったりしてたのよ。で、旅先で武術を学んでみたり、其処の言葉や学問を学んでみたり、名物料理を食べたりして過ごしていたのよ」

 要約するならば、退屈凌ぎの暇潰しも兼ねて涼子が最も悪名を馳せた地を離れて世界中を旅して廻った。
 涼子はそう答えた。
 正樹がこの場に居たら、質問攻めしている事だろう。
 そんな涼子にエレオノーレは呆れてしまう。

 「随分と長い暇潰しをしたものだ。私の記憶が正しいならば、100年近くは旅して居たろう?」

 「お陰で有意義に時間を潰せたし、色んな友達も出来たわ」

 心の底から愉しく感じていたのだろう。
 そう答えた涼子は優しい笑顔を浮かべていた。
 そんな涼子にエレオノーレは告げる。

 「なら、貴様を殺した後は貴様の旅路を辿るしよう」

 エレオノーレの挑発にも似た言葉に涼子は笑って返した。

 「それが良いわ。後でオススメの場所とか教えてあげる」

 挑発を意に介さない涼子の答えにエレオノーレは笑みを浮かべる。
 その頃。
 正樹は手にはサプレッサーとACOGスコープ。
 それからフォアグリップやMAGPUL製のストック等が取り付けられた、M4A1アサルトライフルを。
 プレートキャリアを胴に帯び、その下の上下には陸上自衛隊が用いる迷彩が施された戦闘服。
 頭はFASTヘルメットで鎧われ、顔は耳と首周りも余す事無くドーランで迷彩が施されている。
 傍から見れば、陸上自衛隊の隊員の様な出で立ちで、山中の木々が生い茂る深い森の中を駆け抜けていた。
 酷く不安定な足場にも関わらず、正樹はシッカリとした足取りで駆けていく。
 激しく走っているにも関わらず、草木を食む音も含めた足音を一切立てる事無く、安定した呼吸を維持したまま走り続ける。
 正樹はひたすら走り続けた。
 そうして30分ばかり全力で走ると、正樹は学園の裏手に面する崖の手前で止まった。
 崖の手前で止まった正樹は顔や身体に汗を滲ませては居るものの、呼吸は安定しており荒くなっていなかった。
 正樹は静かな深呼吸と共に息を整えて、激しく脈打って暴れる心臓の動きをゆっくりと安定させていく。
 程無くして激しかった心臓の脈動が静かに安定すると、正樹はゆっくりと木の陰に伏せて口元に伸びるインカムのマイクを指で軽く叩いた。
 インカムのマイクが叩かれると、涼子の持つ軍用通信機から微かながら音を立てる。

 「どうやら背後まで侵入する事に成功したみたいね」

 軍用通信機のスピーカーからノイズにも似た音がすれば、涼子は正樹が本拠地の背後に面する崖の手前まで接近する事に成功した事を察した。
 すると、無線機から正樹の声が聴こえて来た。

 「アサシンからキャスター。送れ」

 無線機を介して正樹からコールサインで呼び掛けられると、涼子は返事する
  
 「此方キャスター」

 涼子が呼び掛けに応じると、地面に伏せて崖から小型のモノキュラー単眼鏡で至近距離から偵察する正樹から報告が送られて来た。

 「敵が標的Aアルファを司令部としているのを確認」

 標的Aアルファは校舎だ。
 正樹から敵が校舎を司令部としている事の報告を受けると、涼子は簡潔に応答する。

 「キャスター了解」

 「標的Bブラボーには半数ほどの敵が居る」

 標的Bブラボーは寄宿舎。
 敵の半数近くが寄宿舎に未だ居る事が報告として情報共有されれば、涼子は了解の旨を伝えた。

 「キャスター了解」

 「標的Cチャーリーは動きが確認出来無い」

 正樹からの報告に涼子は答える。

 「アーチャー、標的Cチャーリー内には魔力ならびに生命反応は無い。送れ」

 涼子からの報告に正樹は応答する。

 「アーチャー了解。日が沈んだと同時、所定を完結されたし。以上」

 応答した正樹から予定通りに夜になった頃を見計らって砲撃する事を指示されると、無線機は沈黙。
 涼子とエレオノーレはその時が来るまで、静かに息を潜めて待つのであった。


 後書き
高望みだろうけど、感想とか欲しい
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

パワハラで会社を辞めた俺、スキル【万能造船】で自由な船旅に出る~現代知識とチート船で水上交易してたら、いつの間にか国家予算レベルの大金を稼い

☆ほしい
ファンタジー
過労とパワハラで心身ともに限界だった俺、佐伯湊(さえきみなと)は、ある日異世界に転移してしまった。神様から与えられたのは【万能造船】というユニークスキル。それは、設計図さえあれば、どんな船でも素材を消費して作り出せるという能力だった。 「もう誰にも縛られない、自由な生活を送るんだ」 そう決意した俺は、手始めに小さな川舟を作り、水上での生活をスタートさせる。前世の知識を活かして、この世界にはない調味料や保存食、便利な日用品を自作して港町で売ってみると、これがまさかの大当たり。 スキルで船をどんどん豪華客船並みに拡張し、快適な船上生活を送りながら、行く先々の港町で特産品を仕入れては別の町で売る。そんな気ままな水上交易を続けているうちに、俺の資産はいつの間にか小国の国家予算を軽く超えていた。 これは、社畜だった俺が、チートな船でのんびりスローライフを送りながら、世界一の商人になるまでの物語。

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処理中です...