7 / 12
Ⅶ
しおりを挟む
「青い……グリモワール……?」
あまりの驚きに思わず呟けば、男爵令嬢は「クースクスクス」とまたもや不気味な笑みを浮かべた。
「ゆ、ユリファ、なぜ……なぜ、こんな……」
胸を貫かれたというのに王子はまだ生きていた。どうやら生命力だけは強いらしい。だが口の端から血を垂らしながら体を捻り、男爵令嬢にすがろうとする姿はどうにもみっともなかったが。
もっとも、胸にその男爵令嬢の腕が貫かれたままなので血が吹き出すだけで向かい合う事は出来なかったのだが。
だが、それでも必死に男爵令嬢に手を伸ばすさまはさらに惨めに見えた。
「なぜって?そんなの……」
男爵令嬢はニィーっと三日月のように口の形を歪めた。
「こんなにも惨めでみっともない殿下を見たかったからに決まってるじゃないですか」
「ユ……リファ……」
絶望に染まる王子を見て、男爵令嬢は宝物を見つけたかのように微笑んだ。嬉しくてたまらない。そんな感じだ。
「……グリモワールよ、あたし達以外の時間を止めて」
男爵令嬢がそう唱えれば、周りにいた招待客や使用人たちがぴたりと動きを止める。
そして、男爵令嬢と王子それに私とお嬢様だけが動ける空間となったのだった。
「クースクスクス。あぁ、なんて醜く歪んだ汚ならしい姿なんでしょう……。あたしは、惨めで汚く後悔と懸念に渦巻く人間を見るのがとっても好きなんです。
ーーーーだって、憎悪と絶望で染まった魂ほどのご馳走はないんですもの」
「な、ぁっ……?!ごはぁっ!」
なにかを抗議しようとしたのか王子が大きく口を開いたが、男爵令嬢がさらに腕を捩じ込んだことにより王子はその口から血を吐いてぐったりと男爵令嬢に身を委ねた。
「グリモワールよ、この者の魂をあたしにちょうだい」
そう言ってグリモワールが輝くと、王子の体から魂の光がゆっくりと引っ張り出され……その魂を男爵令嬢が吸い付くように唇を寄せ、飲み込んだのだ。
「……クースクスクス。やっぱり美味しい。なんて極上な味なんでしょう」
まさか、グリモワールの持ち主が魂を食するなんて思いもしなかった。
青いグリモワール。ご主人様以外に“グリモワールの持ち主”がいたなんて驚きはしたが、グリモワールがこの世にひとつしかないかどうか。なんて、誰も知らないのだ。なのて複数あったとしてもなんら不思議ではない。
だが、そのグリモワールの持ち主が魂を食べた事には驚きと同時にモヤモヤした感情が溢れた。
「……青いグリモワールの持ち主よ、ひとつお聞きしたいのですが」
「クースクスクス。あら、なぁに?」
「ーーーーその青いグリモワールに捕らわれているはずの悪魔はどこに?」
そう、魂を食べるのは“持ち主”ではなく“悪魔”のはずだ。事実、自身がそうであるし、“持ち主”が魂を食した事に本能が疑念を感じてしまった。
すると男爵令嬢は「クースクスクス」と笑い手の中のグリモワールを消すと、王子の体からズルリと腕を引き抜いた。足元に崩れ落ちる事切れた王子に「ごちそうさま」と口元を歪める。
そして私に視線を戻し……右手の人差し指で自身の腹を示したのだ。
「……悪魔の魂って、ものすごく美味しかったわ」と。
「た、べたんですか……。“持ち主”と契約し、忠誠を誓う悪魔を……」
「クースクスクス」
目の前で不気味に笑う少女が一気に恐ろしい化け物に見えた。
「……アリスティア、僕をおろして」
「ご主人様」
いつの間にかひしゃげた足を直した“お嬢様”……私の大切なご主人様が私の手からするりと抜け出し、右手を赤く光らせる。
「グリモワールよ、我に従え」
赤いグリモワールを男爵令嬢に見せつけながら黒曜石の瞳を鋭く細めた。
「クースクスクス。やっぱりグリモワールの持ち主だったのね。あなたを初めて見た時からずっと思っていたの。あたし以外の“グリモワールの持ち主”をずっと探していたのよ」
血塗れの腕を広げて男爵令嬢が一歩近づこうとすれば、ご主人様は赤いグリモワールを前に出して牽制した。
「僕に近づくな。こんな大勢が見ている前でグリモワールを使うなんて何を考えている」
「あら、後始末ならちゃんとするわ。グリモワールを使えば簡単だもの。あなたのお好みはどれ?
全員この場で殺してしまう?それとも全員地中に引きずり込むとか……あぁ、それとも意識を持たせたまま体の半分を潰してしまおうかしら」
どうやら「どのおもちゃを選ぼうかしら」くらいの感覚でこの場にいる人間の末路を選ぼうとしているらしい。
「この場にいる人間の魂も食べる気か?」
「クースクスクス。やだ、あたしはそんなに悪食じゃないわ。これでもグルメなのよ」
肩を竦める男爵令嬢に「……それで?グリモワールの持ち主を探してどうする気だったんだ」と赤いグリモワールを握る手に力を込めたように見えた。
……ご主人様が警戒している。確かにこの男爵令嬢は異常なくらい不気味だが、赤いグリモワールの持ち主であるご主人様がここまで警戒するなんて……。
「そうねぇ……。色々と試したい事はあったんだけど、まずは本当にグリモワールの持ち主かどうかが知りたかったから。
それにーーーー」
男爵令嬢の視線が私に注がれたかと思うと私を見ながら舌舐りをしだす。その視線に背筋に冷たい汗が流れた。
「あなたはその悪魔をあたしにちょうだいっていっても、簡単にはくれなさそうだわ。あたしの悪魔だった魂より美味しそうなんだけど……」
まさか私の魂が狙われてるなんて思いもしなかった。だが、私の本能はこの青いグリモワールの持ち主を恐れている。頭から爪先まで舐めるように視線を感じ、その恐怖感が私の中に広がった。
「ーーーー僕のものに手を出すつもりなら、容赦しない」
「クースクスクス。あら、怖い。
いいわ、今日のところはご挨拶だけにしましょう。赤いグリモワールの持ち主がこんなに可愛い女の子だったとわかったし……まぁ、どうせ仮の姿でしょうけど」
「そっちこそ」
ご主人様がそう答えれば男爵令嬢は今度は楽しそうに「クースクスクス」と笑った。
「ーーーーまた会いましょう」
そう言って、男爵令嬢は姿を消したのだった。グリモワールを出していないのに力が使えるのには驚いたが、もしかした彼女の悪魔の力を取り込んでいるのかもしれない。
「……まさか、他にもグリモワールの持ち主がいたなんて驚いたね」
「……申し訳ありません、ご主人様。私は恐怖でうごけなかった……」
その場に膝をつき私は頭を下げた。なんて役立たずな悪魔なのかと。
だが、そんな私の頭をご主人様は優しく撫でてくれた。
「いいんだ。アレは、予想外だったし……アリスティアが無事でよかった」
「ご主人様……」
「ほら、あの女の後始末をしなきゃ。あまり大規模にすると面倒くさいから、簡単にまとめるよ」
そうしてグリモワールを光らせたご主人様の横顔を見て、さっきまでの恐怖感が薄れていくのを感じていた。
***
〈侯爵家〉
「それが……!その男爵令嬢が王子を突然刺したんです!後ろから!」
息を切らしながらもどんどん青ざめていくその者は悲惨な現場の事を話してくれた。
お嬢様は足を潰されたもののアリスティア殿がその場から連れ去り命は無事らしいが、きっとその足はもうダメだろう。
そして王子を刺した男爵令嬢は気が狂ったかのように笑っていて、いつの間にか姿を消したらしい。その場は王子が刺された瞬間を目撃したパーティー参加者が混乱していたようなので、どさくさに紛れて逃げたのだろうか。
「とにかく、早くお嬢様をお迎えにいかねば……!」
こうして第3王子が死亡し、お嬢様と王子の婚約は白紙に戻された。だが、お嬢様は完全に足を失ってしまった事と目の前で人が殺されたとしう事実にショックを受けて学園も辞めて部屋にとじ込もってしまうようになってしまったのだった。
あまりの驚きに思わず呟けば、男爵令嬢は「クースクスクス」とまたもや不気味な笑みを浮かべた。
「ゆ、ユリファ、なぜ……なぜ、こんな……」
胸を貫かれたというのに王子はまだ生きていた。どうやら生命力だけは強いらしい。だが口の端から血を垂らしながら体を捻り、男爵令嬢にすがろうとする姿はどうにもみっともなかったが。
もっとも、胸にその男爵令嬢の腕が貫かれたままなので血が吹き出すだけで向かい合う事は出来なかったのだが。
だが、それでも必死に男爵令嬢に手を伸ばすさまはさらに惨めに見えた。
「なぜって?そんなの……」
男爵令嬢はニィーっと三日月のように口の形を歪めた。
「こんなにも惨めでみっともない殿下を見たかったからに決まってるじゃないですか」
「ユ……リファ……」
絶望に染まる王子を見て、男爵令嬢は宝物を見つけたかのように微笑んだ。嬉しくてたまらない。そんな感じだ。
「……グリモワールよ、あたし達以外の時間を止めて」
男爵令嬢がそう唱えれば、周りにいた招待客や使用人たちがぴたりと動きを止める。
そして、男爵令嬢と王子それに私とお嬢様だけが動ける空間となったのだった。
「クースクスクス。あぁ、なんて醜く歪んだ汚ならしい姿なんでしょう……。あたしは、惨めで汚く後悔と懸念に渦巻く人間を見るのがとっても好きなんです。
ーーーーだって、憎悪と絶望で染まった魂ほどのご馳走はないんですもの」
「な、ぁっ……?!ごはぁっ!」
なにかを抗議しようとしたのか王子が大きく口を開いたが、男爵令嬢がさらに腕を捩じ込んだことにより王子はその口から血を吐いてぐったりと男爵令嬢に身を委ねた。
「グリモワールよ、この者の魂をあたしにちょうだい」
そう言ってグリモワールが輝くと、王子の体から魂の光がゆっくりと引っ張り出され……その魂を男爵令嬢が吸い付くように唇を寄せ、飲み込んだのだ。
「……クースクスクス。やっぱり美味しい。なんて極上な味なんでしょう」
まさか、グリモワールの持ち主が魂を食するなんて思いもしなかった。
青いグリモワール。ご主人様以外に“グリモワールの持ち主”がいたなんて驚きはしたが、グリモワールがこの世にひとつしかないかどうか。なんて、誰も知らないのだ。なのて複数あったとしてもなんら不思議ではない。
だが、そのグリモワールの持ち主が魂を食べた事には驚きと同時にモヤモヤした感情が溢れた。
「……青いグリモワールの持ち主よ、ひとつお聞きしたいのですが」
「クースクスクス。あら、なぁに?」
「ーーーーその青いグリモワールに捕らわれているはずの悪魔はどこに?」
そう、魂を食べるのは“持ち主”ではなく“悪魔”のはずだ。事実、自身がそうであるし、“持ち主”が魂を食した事に本能が疑念を感じてしまった。
すると男爵令嬢は「クースクスクス」と笑い手の中のグリモワールを消すと、王子の体からズルリと腕を引き抜いた。足元に崩れ落ちる事切れた王子に「ごちそうさま」と口元を歪める。
そして私に視線を戻し……右手の人差し指で自身の腹を示したのだ。
「……悪魔の魂って、ものすごく美味しかったわ」と。
「た、べたんですか……。“持ち主”と契約し、忠誠を誓う悪魔を……」
「クースクスクス」
目の前で不気味に笑う少女が一気に恐ろしい化け物に見えた。
「……アリスティア、僕をおろして」
「ご主人様」
いつの間にかひしゃげた足を直した“お嬢様”……私の大切なご主人様が私の手からするりと抜け出し、右手を赤く光らせる。
「グリモワールよ、我に従え」
赤いグリモワールを男爵令嬢に見せつけながら黒曜石の瞳を鋭く細めた。
「クースクスクス。やっぱりグリモワールの持ち主だったのね。あなたを初めて見た時からずっと思っていたの。あたし以外の“グリモワールの持ち主”をずっと探していたのよ」
血塗れの腕を広げて男爵令嬢が一歩近づこうとすれば、ご主人様は赤いグリモワールを前に出して牽制した。
「僕に近づくな。こんな大勢が見ている前でグリモワールを使うなんて何を考えている」
「あら、後始末ならちゃんとするわ。グリモワールを使えば簡単だもの。あなたのお好みはどれ?
全員この場で殺してしまう?それとも全員地中に引きずり込むとか……あぁ、それとも意識を持たせたまま体の半分を潰してしまおうかしら」
どうやら「どのおもちゃを選ぼうかしら」くらいの感覚でこの場にいる人間の末路を選ぼうとしているらしい。
「この場にいる人間の魂も食べる気か?」
「クースクスクス。やだ、あたしはそんなに悪食じゃないわ。これでもグルメなのよ」
肩を竦める男爵令嬢に「……それで?グリモワールの持ち主を探してどうする気だったんだ」と赤いグリモワールを握る手に力を込めたように見えた。
……ご主人様が警戒している。確かにこの男爵令嬢は異常なくらい不気味だが、赤いグリモワールの持ち主であるご主人様がここまで警戒するなんて……。
「そうねぇ……。色々と試したい事はあったんだけど、まずは本当にグリモワールの持ち主かどうかが知りたかったから。
それにーーーー」
男爵令嬢の視線が私に注がれたかと思うと私を見ながら舌舐りをしだす。その視線に背筋に冷たい汗が流れた。
「あなたはその悪魔をあたしにちょうだいっていっても、簡単にはくれなさそうだわ。あたしの悪魔だった魂より美味しそうなんだけど……」
まさか私の魂が狙われてるなんて思いもしなかった。だが、私の本能はこの青いグリモワールの持ち主を恐れている。頭から爪先まで舐めるように視線を感じ、その恐怖感が私の中に広がった。
「ーーーー僕のものに手を出すつもりなら、容赦しない」
「クースクスクス。あら、怖い。
いいわ、今日のところはご挨拶だけにしましょう。赤いグリモワールの持ち主がこんなに可愛い女の子だったとわかったし……まぁ、どうせ仮の姿でしょうけど」
「そっちこそ」
ご主人様がそう答えれば男爵令嬢は今度は楽しそうに「クースクスクス」と笑った。
「ーーーーまた会いましょう」
そう言って、男爵令嬢は姿を消したのだった。グリモワールを出していないのに力が使えるのには驚いたが、もしかした彼女の悪魔の力を取り込んでいるのかもしれない。
「……まさか、他にもグリモワールの持ち主がいたなんて驚いたね」
「……申し訳ありません、ご主人様。私は恐怖でうごけなかった……」
その場に膝をつき私は頭を下げた。なんて役立たずな悪魔なのかと。
だが、そんな私の頭をご主人様は優しく撫でてくれた。
「いいんだ。アレは、予想外だったし……アリスティアが無事でよかった」
「ご主人様……」
「ほら、あの女の後始末をしなきゃ。あまり大規模にすると面倒くさいから、簡単にまとめるよ」
そうしてグリモワールを光らせたご主人様の横顔を見て、さっきまでの恐怖感が薄れていくのを感じていた。
***
〈侯爵家〉
「それが……!その男爵令嬢が王子を突然刺したんです!後ろから!」
息を切らしながらもどんどん青ざめていくその者は悲惨な現場の事を話してくれた。
お嬢様は足を潰されたもののアリスティア殿がその場から連れ去り命は無事らしいが、きっとその足はもうダメだろう。
そして王子を刺した男爵令嬢は気が狂ったかのように笑っていて、いつの間にか姿を消したらしい。その場は王子が刺された瞬間を目撃したパーティー参加者が混乱していたようなので、どさくさに紛れて逃げたのだろうか。
「とにかく、早くお嬢様をお迎えにいかねば……!」
こうして第3王子が死亡し、お嬢様と王子の婚約は白紙に戻された。だが、お嬢様は完全に足を失ってしまった事と目の前で人が殺されたとしう事実にショックを受けて学園も辞めて部屋にとじ込もってしまうようになってしまったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
殿下は私を追放して男爵家の庶子をお妃にするそうです……正気で言ってます?
重田いの
恋愛
ベアトリーチェは男爵庶子と結婚したいトンマーゾ殿下に婚約破棄されるが、当然、そんな暴挙を貴族社会が許すわけないのだった。
気軽に読める短編です。
流産描写があるので気をつけてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる