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10話 【神様編最終話】終わりよければすべて良しって誰が言い出したんだろうね?
はてさて、やっと静かになったね。なんだか働き過ぎて肩が凝ったよ。ボクって労働は苦手なんだよね。
「一仕事終えた後のコーヒーは格別だね」
「後片付けに時間がかかっちゃいましたけど、これでスッキリ終わりましたね!」
変態を一掃し、巨◯兵も片付けて、なにやら周りが綺麗になったなーと感想を漏らしながらフリージアの淹れてくれたコーヒーを口に含んだ。うん、美味しい。
世界の滅亡なんていう厄介な案件も片付いたことだし、これでまたのんびりと……。
『ユーキさん、ワタシにもカフェオレくださーい』
……そうだ、オマケがついてきたんだった。
元々二人用に作ったキャンピングカーだから、小鳥サイズとはいえひとり増えるとやけに狭く感じるね。
「いつまでついてくる気なんだい……」
『なにをおっしゃるやら。もうワタシは神様辞めたんで、行くところないんですよ?このままどこまでもついていきますとも!』
(自称)神様改め、ただのニートとなった存在のくせに自信満々で親指を立ててウィンクしてくる。
「まったく……めんどくさい。もう神様じゃないなら名前はなんて言うのさ?」
なにげなく言っただけなんだけど、(自称)神様は真剣な顔になり、深刻そうな声で呟いた。
『え?ワタシの名前……?そういえば、ワタシって名前とか……特に無いです』
おっと、名前ないの?神様だったのに?
『ずっと“おい”とか“お前”とか呼ばれてましたし……こうやって人間とまともに関わるのもユーキさんが初めてだったので……』
しょんぼりしながら親指を下げ、瞳をうるっとさせた(自称)神様の姿にフリージアが叫んだ。
「そんなのかわいそうです!ユーキ様、名前をつけてあげて下さい!」
ほんとにフリージアは、元悪役王女の肩書きはどこへやったのさ?っていうか、ボクが名前を考えるの?……めんどくさい。
ボクは「うーん」と(自称)神様に視線をむけてから「じゃあ、君は“ヴィー”だ。これからはヴィーって呼ぶよ」と呟けば、(自称)神様は笑顔になって羽をパタパタとさせるとキャンピングカーの中を飛び回った。
『すごい!ワタシの名前!ありがとうございます!!』
「素敵な名前ですね!」
なにやら感動されているが、確か“白い”ってどこかの外国語で“ビアンカ”って発音するって日本にいたときに習ったのを思い出したのさ。ほとんどサボってたけど大学の授業もたまには役に立つよね。でも“ビアンカ”って長いから略して“ビー”にしようかと思ったんだけど、それだとあんまりにも捻りがないから“ヴィー”にしたんだよ。まぁ、この世界では外国語なんてわからないだろうからボクが考えたことにしておけばいいかな。
『それにしても、ユーキさんがあのじゃんじゃん野郎まで一緒に始末してくれるとは思いませんでした』
まだ興奮気味に頬を紅潮させながら(自称)神様……ヴィーがテーブルの真ん中にちょこんと座る。
「そりゃ、だいぶムカついたからね。……ボクの友達をいじめる奴は誰であっても許さないよ」
『!ユーキさん……!』
それなりに気に入ってはいるんだよ、これでも。この世界に来てまともな友達はセレーネお嬢しかいなかったし、フリージアはそりゃ大切だけど友達とはちょっと違うし……あとはこの間抜けな神様しかいないじゃないか?
「ヴィーさん、カフェオレをどうぞ」
『フリージアさん……ありがとうございます!』
こうしてみんなでコーヒーとカフェオレを飲みながら……ふと、そう言えばフリージアが行きたいと言っていたなんとかって伝説がある秘境的な湖の“伝説”ってなんだったんだろう?と首を傾げた。ボクには伝説級のでっかい魚がいた事くらいしかわからないんだけど。えーと、確か、生涯の愛がとか願いがどーのこーのとか言ってた気がするような……?
んー……まぁ、いっか。だって、今現在フリージアが楽しそうにしているしね。
「よーし、今日は特別にボクのとっておきのプリンを食べるよ!なんと、生クリームとさくらんぼが乗っかってるやつさ!」
「うわぁ、なんかすごいですね!」
『やったー!』
そうして、キャンピングカーの中はいっそう賑やかになったのだった。
ついでに言うと、フリージアはヴィーに体を乗っ取られた時になんとその寿命を半分ほど奪い取ってしまったらしい。しかも不老。まぁ、腐っても神様だしね。なんでも神をもおののく精神力だったらしいよ。一体なにがフリージアをそんなにしたんだろう?
ちなみにヴィーになんでフリージアの体を乗っ取ろうとしたのか聞いたら『一緒に旅をしている人間を人質にしたらユーキさんが言うこと聞いてくれると思って!』と『てへぺろりん☆』と、どこかの母親の味を求めた柔らかい飴の舌を出したキャラクターのような顔をしたのでつい、ぷちっ!と潰したのはしょうがないと思うんだよね。
そして実はボクが異世界人で、≪流星群の奇跡≫の影響で歳を取らないこともバレてしまい……これならかなりの長寿になったフリージアとずっと一緒にいられるねって言ったらなぜか大感激された。なんか「やっぱり伝説は真実だったんですね!」とか言ってたけど、なにが?
っていうか、神様の寿命って半分とはいえどれだけあるんだろうねぇ。
その後、やたらと聴覚が敏感なヴィーのおかげで、いつもどこからともなく走ってやってくるオスカーの気配を察知出来るようになり絡まれる前に逃げる事が出来るようになったのだが……あの変態(オスカー)はなんでいつもボクたちがいる場所に現れるんだろうね?まあ、なんにせよヴィーがとても役に立ってることだけは認めるよ。
こうしてユーキたちのキャンピングカーの旅は、波乱万丈ながらもこれからも続くのであった。
「一仕事終えた後のコーヒーは格別だね」
「後片付けに時間がかかっちゃいましたけど、これでスッキリ終わりましたね!」
変態を一掃し、巨◯兵も片付けて、なにやら周りが綺麗になったなーと感想を漏らしながらフリージアの淹れてくれたコーヒーを口に含んだ。うん、美味しい。
世界の滅亡なんていう厄介な案件も片付いたことだし、これでまたのんびりと……。
『ユーキさん、ワタシにもカフェオレくださーい』
……そうだ、オマケがついてきたんだった。
元々二人用に作ったキャンピングカーだから、小鳥サイズとはいえひとり増えるとやけに狭く感じるね。
「いつまでついてくる気なんだい……」
『なにをおっしゃるやら。もうワタシは神様辞めたんで、行くところないんですよ?このままどこまでもついていきますとも!』
(自称)神様改め、ただのニートとなった存在のくせに自信満々で親指を立ててウィンクしてくる。
「まったく……めんどくさい。もう神様じゃないなら名前はなんて言うのさ?」
なにげなく言っただけなんだけど、(自称)神様は真剣な顔になり、深刻そうな声で呟いた。
『え?ワタシの名前……?そういえば、ワタシって名前とか……特に無いです』
おっと、名前ないの?神様だったのに?
『ずっと“おい”とか“お前”とか呼ばれてましたし……こうやって人間とまともに関わるのもユーキさんが初めてだったので……』
しょんぼりしながら親指を下げ、瞳をうるっとさせた(自称)神様の姿にフリージアが叫んだ。
「そんなのかわいそうです!ユーキ様、名前をつけてあげて下さい!」
ほんとにフリージアは、元悪役王女の肩書きはどこへやったのさ?っていうか、ボクが名前を考えるの?……めんどくさい。
ボクは「うーん」と(自称)神様に視線をむけてから「じゃあ、君は“ヴィー”だ。これからはヴィーって呼ぶよ」と呟けば、(自称)神様は笑顔になって羽をパタパタとさせるとキャンピングカーの中を飛び回った。
『すごい!ワタシの名前!ありがとうございます!!』
「素敵な名前ですね!」
なにやら感動されているが、確か“白い”ってどこかの外国語で“ビアンカ”って発音するって日本にいたときに習ったのを思い出したのさ。ほとんどサボってたけど大学の授業もたまには役に立つよね。でも“ビアンカ”って長いから略して“ビー”にしようかと思ったんだけど、それだとあんまりにも捻りがないから“ヴィー”にしたんだよ。まぁ、この世界では外国語なんてわからないだろうからボクが考えたことにしておけばいいかな。
『それにしても、ユーキさんがあのじゃんじゃん野郎まで一緒に始末してくれるとは思いませんでした』
まだ興奮気味に頬を紅潮させながら(自称)神様……ヴィーがテーブルの真ん中にちょこんと座る。
「そりゃ、だいぶムカついたからね。……ボクの友達をいじめる奴は誰であっても許さないよ」
『!ユーキさん……!』
それなりに気に入ってはいるんだよ、これでも。この世界に来てまともな友達はセレーネお嬢しかいなかったし、フリージアはそりゃ大切だけど友達とはちょっと違うし……あとはこの間抜けな神様しかいないじゃないか?
「ヴィーさん、カフェオレをどうぞ」
『フリージアさん……ありがとうございます!』
こうしてみんなでコーヒーとカフェオレを飲みながら……ふと、そう言えばフリージアが行きたいと言っていたなんとかって伝説がある秘境的な湖の“伝説”ってなんだったんだろう?と首を傾げた。ボクには伝説級のでっかい魚がいた事くらいしかわからないんだけど。えーと、確か、生涯の愛がとか願いがどーのこーのとか言ってた気がするような……?
んー……まぁ、いっか。だって、今現在フリージアが楽しそうにしているしね。
「よーし、今日は特別にボクのとっておきのプリンを食べるよ!なんと、生クリームとさくらんぼが乗っかってるやつさ!」
「うわぁ、なんかすごいですね!」
『やったー!』
そうして、キャンピングカーの中はいっそう賑やかになったのだった。
ついでに言うと、フリージアはヴィーに体を乗っ取られた時になんとその寿命を半分ほど奪い取ってしまったらしい。しかも不老。まぁ、腐っても神様だしね。なんでも神をもおののく精神力だったらしいよ。一体なにがフリージアをそんなにしたんだろう?
ちなみにヴィーになんでフリージアの体を乗っ取ろうとしたのか聞いたら『一緒に旅をしている人間を人質にしたらユーキさんが言うこと聞いてくれると思って!』と『てへぺろりん☆』と、どこかの母親の味を求めた柔らかい飴の舌を出したキャラクターのような顔をしたのでつい、ぷちっ!と潰したのはしょうがないと思うんだよね。
そして実はボクが異世界人で、≪流星群の奇跡≫の影響で歳を取らないこともバレてしまい……これならかなりの長寿になったフリージアとずっと一緒にいられるねって言ったらなぜか大感激された。なんか「やっぱり伝説は真実だったんですね!」とか言ってたけど、なにが?
っていうか、神様の寿命って半分とはいえどれだけあるんだろうねぇ。
その後、やたらと聴覚が敏感なヴィーのおかげで、いつもどこからともなく走ってやってくるオスカーの気配を察知出来るようになり絡まれる前に逃げる事が出来るようになったのだが……あの変態(オスカー)はなんでいつもボクたちがいる場所に現れるんだろうね?まあ、なんにせよヴィーがとても役に立ってることだけは認めるよ。
こうしてユーキたちのキャンピングカーの旅は、波乱万丈ながらもこれからも続くのであった。
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