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第1章

3日目 『外』ってなんだっけ?

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どうもおはちわばんわ、アキラ君です。
この挨拶はどうだろうか、まあまた考えておくとしよう、そしてこれからは前置きを長くするのはやめておこう、そして本編をご覧いただこう。

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…うわ、何これ、体軽っ、昨日の朝はめっちゃだるかったのになんでだ?今ならなんでも出来る気がする、ちょっと外に出てみよ…。

…うわやべー、出れちゃったよ…なにこの状況、何ここ、久しぶりすぎてどんなのか忘れたわ…。

「…え?アキラ君…?」

 「あ、大家さん、俺何でかわからないんですけど外出れちゃいました」

「あ、あらそうなの…よ、良かったわね…」

「大家さん?どうかしました?」

「ううん、アキラ君が外にいるっていう事が久しぶりでちょっとびっくりしちゃって…」

「僕も驚きましたよ、朝起きたらなんか体が軽くて、今なら何でも出来る気がしたんで外に出てみたら本当に出れちゃったんです」

「そうなの…アキラ君が外に出れて私本当に嬉しいわ…」

大家さんはそう涙ぐみながら言ってくれた。

「これで大家さんに迷惑かけないで済みます、今までありがとうございました、これからは自分でできるよう頑張ります!」

「そうね、アキラ君が外に出れたってことは私がお世話しなくて良いんだものね、また困った時に呼んでね!」

そう言って大家さんと別れた、そして俺は部屋に考え込んだ。

それにしても何故外に出ることができたのだろうか、これもナコの言っていた『現実世界とリンクして繋がっている』という事なのだろうか、とりあえずまたナコに色々聞きたかったので22時まで待ってからおれは眠りについた。

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「あら、やっと来たのね」

ナコが俺のことを見下ろしている、どうやら俺の上に仁王立ちしているようだ。

「…いやお前そんなところでなにしてんだよ…」

「なにって、あんたを待ってたに決まってるじゃない!」

「そんな堂々と言われても困るわっ!」

そんな茶番をした後、俺はナコにノルマを聞いてから色々調べる事にした。

「今回のノルマはそうね、丁度昨日アレツを解放したんだから、アレツをテイムしてきなさい!」

《ノルマクエストNo.3 小火竜を捕まえろ!を受注した》

クエストの名前からしてアレツがどんなモンスターかネタバレされてしまった!!

「いや待て、テイムなんて意味わからないしやり方わからないしそもそも解放もされてないぞ」

「そういえば説明してなかったわね、テイムっていうのはモンスターを手懐ける事で、成功すれば仲間にできるわ、ちなみにテイムはモンスターが解放された時からできるようになってるのよ、やり方は簡単でそのモンスターに食べ物を渡せば良いだけよ、そのモンスターが好きであれば好きであるほど成功率が上がるわ」

長ったらしいが簡単に説明すると。

1.モンスターに食べ物を与える
2.そのモンスターの好物であれば好物であるほど仲間にできる確率が上がる

という事だ。

「分かった、じゃあとりあえず行ってくるわ、昨日みたいに寝てんじゃねえぞ?」

「分かってるわよ!もう寝ないわよ!」

そう言ってナコと別れた…あ、現実世界で起きた事聞くの忘れてた…まあ後で良いか。

その後俺は家の中を探索し、この家には今昨日増えた部屋を入れて5部屋ある事がわかった、そして保存室には何でも保存する事ができ、昨日の残りのホグの素材も保存室の中に入っていた。

そして俺は図鑑を見た、図鑑には実際に倒したモンスターしか詳細情報が記されない事も分かった。

その後成長の泉(元水たまりをこう呼ぶ事にした)に全財産の2000円を投げ込んだ、いつも通りまばゆい光に包まれた後、いつも通り声が頭に響いた。

《レシピ・ストーンアックスを手に入れた》
《魔法レシピ・小火球プチファイアを手に入れた》

…丁度良いタイミングで解放されたなっ。

《称号 ツッコミ役を手に入れた》

うん、その称号もいらない。

そういえば特技の《硬拳ハードナックル》ってのも手に入れたんだっけか、今度使ってみよう。

色々と調べ終わった俺はナコのところへ行き質問をする事にした。

「早くアレツをテイムしてきなさいよー」

「分かったからとりあえず質問を聞け、まず俺が現実世界で外に出れた理由、そしてレシピの使い方だ」

「あら、もう外に出れたのね、前も言った通りこの世界は現実世界とリンクして繋がっているのよ、だからこっちのあんたが成長するとあっちでも成長するの、簡単に言うとレベル上げれば向こうでもできることが増えるって事ね」

本当に何でもありだなこの世界は…

「あとレシピ使い方だけど普通のレシピは作成室にある作成台の上に拡げて、その上に素材を乗せれば勝手にできるわよ、ちなみに1度作業台の上に乗せたレシピは作業台に取り込まれるから1度作ったものはもうレシピはいらないわ」

もう何も言わないでおこう、訳が分からなくなる…

「あと魔法レシピだけど、これは普通のレシピと似てるけどちょっと違って、魔法実験室にある魔法実験台の上に乗せるだけでその魔法が使えるようになるわ、ちなみに魔法レシピに書いてある素材を魔法実験台の上に乗せればその魔法のレベルが上がるから覚えておいてね」

「覚える事が多すぎて困るんだが…」

「ちゃんと1回で覚えなさいよ」

「まあ俺は記憶力は良いんでな、一応今までの事は全て覚えている」

「ならいいじゃない、文句言わないの」

という事で、とりあえず俺は作成室に行き作成台の上にストーンアックスのレシピを置いた。

《ストーンアックス》
材料 小石×2 モークの木材×2

なるほど、小石は簡単に手に入るがモークの木材はどう手に入れようか…

その後魔法実験室に行き、魔法実験台にプチファイアのレシピを置いた。

小火球プチファイアLv.2》
材料 小火竜の牙×1 小火竜の鱗×1

小火竜というのはアレツの事か、まぁとりあえず素手でアレツは厳しいだろうからストーンアックスを作る材料を取り行ってみっか。

とりあえず外に出て、近くにあったモークの木を触ってみると、素手で折るには難しい硬さだった。

「さて、どうしたのものかね…そうだ、あれを使ってみよう」

俺は拳に力を入れ、こう唱えてみた。

硬拳ハードナックル!》

そうするとあんなに硬かったモークの木がいとも簡単に折れてしまった。

「いやいや…力強すぎでしょ…」

俺はこの世界のありえなさに呆れながらモークの木材を拾っていった。

《モークの木材を6個手に入れた》

そしてその辺にあった小石も幾つか拾っておいた。

《小石を10個手に入れた》

その後俺は作成室に帰ろうとしたが、またホグの群れを見つけたので試しにあの技を試してみる事にした。

「よーしお前らそこらへんで動くんじゃねえぞー」

小火球プチファイア!》

そう唱えるとバスケットボール大の火の球がホグの元に飛んで行き、その中の1体に当たると大きく燃え上がった。

「やべっ、全部燃えちまうっ」

焦って火を消そうとすると勝手に火は消え、その中にはホグが全て倒れて動かなくなっていた。

《Lv.4になった》
《赤豚の肉を8個手に入れた》
《赤豚の皮を9個手に入れた》

倒せば倒すほどレベルが上がってくな…

そしてようやく作成室に戻った俺は作成台の上にレシピを拡げ、素材を上に乗せた、するとこのような文字が浮かび上がった。

《ストーンアックスが作成可能です、作成しますか?》

俺は作成するを選ぶ、すると一瞬ピカっと光り、そこには先が石でできた少し鋭利な斧が置いてあった。

「おぉ、本当にできた、これは中々危ないものだな…」

そして保存室にストーンアックスとホグの肉を5個以外全部入れ、自分のステータスを確認する事にした。


名前 新崎慧
 年齢 17歳
 Lv.4
 体力 26
 魔法力 17
 装備 ストーンアックス
 特殊能力 無し
 特技 《硬拳ハードナックル
 魔法 《小火球プチファイアLv.1》
 称号 《ドン底の人間》《異世界ビギナー》《ロリコン》
《変態》《ツッコミ役》

…結構変わっていた、とりあえずいい具合になったのでアレツをテイムしに行くとしよう。

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少し遠くまで歩いてみると、遠くの方にゲームでよく見るようなドラゴンを小さくしたような生物がいた、その生物に気づかれたのか、こっちに走ってきた。

「あいつがアレツか…って速っ!めっちゃ速くこっち近づいてくるし!」

硬拳ハードナックル!》

焦ってつい叫んでしまった、丁度ジャンプして目の前まで来てたので俺の拳がクリーンヒットした、アレツは「ギャッ」という声を出し地面に倒れこんだ。

「やっべ、テイムしなきゃいけないのに倒しちゃった…よ…?」

気付いたら俺は、5体のアレツに囲まれている事に気付いた。

「さっきは1体だったし突っ込んできたところに攻撃したから勝てたものの、5体相手で勝てるのか…」

周りのアレツは吠えて威嚇してくる、俺は一応ストーンアックスを構えておく、すると目の前にいたアレツが噛み付こうとしてきた。

「んにゃろっ!おらぁっ!」

俺はストーンアックスを思い切り叩きつけた、そして思い切り振り回した、その俺の攻撃により3体のアレツを倒した、しかし俺は残りの2体に体当たりをされた。

「いっつぅぅぅぅ!けっこー効くなぁっ、らぁっ!」

と、俺は振り向きざまに2体のアレツにぶち当てた、片方は吹っ飛んで行ったが、もう片方はバックステップで避けられた。

「このっ!すばしっこいやつめっ!ていぃぃ!?」

目の前に火の玉が飛んできていた、アレツが吐いたものだと思われる、俺は当たる寸前で避けたが今のは中々危なかった。

「危ねぇだろうがっ!喰らいやがれっ!」

硬拳ハードナックル!》

アレツの元まで走り、勢いをつけ、俺の拳を食らわせた。

《Lv.6になった》
《特殊能力 短瞬間移動ショートワープを覚えた》
硬拳ハードナックルがLv.2になった》
《小火竜の牙を5個手に入れた》
《小火竜の鱗を7個手に入れた》
《小火竜の逆鱗を1個手に入れた》

レベルが上がっていろいろゲットしたのはいいが、とりあえずノルマどうしよう…。

「うーん、あ!」

近くに小さなアレツがいるのを見つけ、近づいてみる。

「よしよーし、こっちおいでー、怖くないぞー」

アレツは怯えながらもこっちに寄ってきた、そして目の前にホグの肉を1つ置く、するとアレツはホグの肉をを美味しそうに食べだした。

《アレツのテイムに成功した》

「お、成功したな、これからよろしくな」

そう言って頭を撫で、そのアレツと一緒に家へ帰ったのだった。

「やっと帰ってきたわね!遅いわよ!」

「お前は何故そんなに偉そうにできるんだ…」

ため息まじりにそう言いながらアレツを持ち上げ。

「ほら、ちゃんとテイムしてきたぞ」

「しっかりできたようね、名前はつけたの?」

「いーや、まだだけど?」

「ちゃんとテイムしたモンスターには名前をつけてあげなさい」

そうか、やっぱり名前をつけなきゃいけないイベントは発生するのか。

「そうだな…こいつは7体目のアレツだったから、ナナ…いや、そうすると女みたいになるから…」

「よし!決めたぞ!こいつの名前はナナマルだ!」

「ナナマル…ねぇ?なーんか変じゃない?」

「変じゃない!ナナマルもこの名前でいいよな!」

ナナマルをみると家の中で嬉しそうにはしゃぎまわっていた。

「まあいいわ、なんて名前をつけるかはあんたの自由だし、まあとりあえず今日のノルマは達成ね」

《ノルマクエストNo.3 小火竜を捕まえろ!をクリアした》

「今回の報酬はこれよ!」

そう言い、前みたいに指を鳴らすと窓の外に光が見えた、外に出てみるとそこはもう村と呼べる代物になっていた。

「おいおい…村できちゃったよ…」

「えーっと、ここにあるの施設は、アイテムショップ、バンク、ギルド、成長の泉の4つよ」

あ、成長の泉って名前ばれてたんだ。

「それで?村の説明はどうするの?明日にする?」

「ああ、今日も疲れたんでな、また明日にしてくれ」

「分かったわ、私は村の調整をしてるからおやすみね」

「ああ、また明日」

そう言って家へ戻り、俺はベットに入った、知らないうちにベットの隣にバスケットがあり、そこには〈ナナマルの家〉と書かれた小さな看板が付いていた、ナコが作ったのだろう。

「ナナマル、おやすみな」

そう言って俺は眠りについたのだった。

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ってことで3日目は終わった、どうだった?俺の活躍楽しんでくれたかな?とりあえず今回から物語の最後に図鑑を載せていくことにしたよ、何か質問があったらコメントしてくれれば作者が答えるからよろしくね、それじゃ。

次回へ続く



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実の中でも基礎の基礎、そのまま食べれば少し苦いが体力が10程度回復する、他のものと混ぜることによりいろいろな効果をなす薬となる、見た目は緑色の球の様な形だが硬さはキャベツと同じ程度。


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