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優一の姉のお話。番外編

腐って、初めて腐本を買いに行った時の緊張。

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桃子に腐らされてから半年がたち、優一は中学二年生になった。そんな時、桃子に言われたのだ。
「私のばっかみないで自分のBL本みてよ。」
ギクッとなった優一をみて桃子は察した。
「そうか、優一あんたまだ買ってなかっの?」
その通りである。優一はまだBL本を買えていなかった。いや、買える勇気がなかったのだ。



ーーーーー
[近くの本屋]
優一は恐怖&羞恥と、戦っていた。
ーか、買いたい!買いたいけど、か、カバーが………どうすれば………。
優一は手にはちゃんとBL本を持っていたが、なかなかレジに行けなかった。
なぜかというと優一が買おうとしていたのは当時人気のあったBL本、『キミの全てをみたい
。』だった。
(これはわたくしの空想本なので多分ないです)

なぜレジに行けなかったというと、キミすべ(略
は、表紙はキスしそうなぐらい顔が近く、そして何より受けの方はシャツのボタンが全部外れていて、攻めが受けの乳首部分を人差し指と中指で挟んでいるのだ。

なら、うらは?
裏は受けが下で攻めが押し倒す!という描写のため裏でもBL本を買ったことのない優一にはハードルが高すぎたのだった。
だが、優一の強い欲が、恐怖&羞恥に勝ちレジへ向かう。
その時レジに同じクラスの人がいた。
そこからは本を元にあった場所に置き、まるで何かに取りつかれたように、家まで走り去った。




ーーーーー
全てを桃子に話した優一はすがりついた。
「ど、どうすれば買える!」
優一は涙を瞳に浮かべながら桃子に言った。
桃子は優一の顔をみて、カワイイッ!と思いながら優一の肩に手をおいて言った。
「一緒に、アニートにいこうっ!」
そして優一は桃子と一緒に電車に乗り、和里太
(なごりだ※想像上の駅です。)
まで行った。



ーーーーー
「ここが、アニートよ!」
アニートはアニメグッズやマンガ、DVDやCD 、
小説など、さまざまなアニメに関する物があり、品揃えが豊富な場所だ。
「ここがBLコーナーよ!」
桃子はBLコーナーに優一を連れてくると、優一が欲しかったキミすべの本を渡した。
「ここの店員さんは、貴方の味方よっ!誰も貴方のことをけいべつしないから!」
「ほ、本当?」
「私が嘘ついてると?」
い、いえ!と優一はいうと、キミすべを手にレジに行った。
「これ、下さい!」
そういうと普通の本を持つようにピッ!とやった。
「一品で、税込720円です。………丁度ですね?レシートはつけますか?………ありがとうございました~」
………買えたっ!
歓喜していると姉が近づいてきた。
「ちゃんと買えたでしょ!」
「ありがとう!姉ちゃん!」


ーーーーー
レジをやっていた店員は、密かに仲間発見!
と、心の中で騒いでいた。なぜって?それは、貴重な腐男子がいたからよっ!




優一は初めてのBL本を手に入れたのだった。

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