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3章 清霊
5. 『常世のシャッテンシュピール』(7)
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瑞葉も、バキボキ脱線しまくっていたことに少々うんざりしていたため、利彦のほうに身を乗り出して、
「磨弧の本名だよねー。ホノサスラとハヤサスラが、関係あるの?」
「そうだね、ハヤアキツヒメの『ハヤ』は、川や潮が流れこむ速さをあらわしたことばだ。ハヤサスラヒメの『ハヤ』も、おなじじゃアないかな」
そういうと、利彦はしかつめらしい顔で、あごに手をやって、
「――そもそも、ハヤサスラヒメという神は、セオリツヒメ、ハヤアキツヒメ、イブキドヌシによってリレーされてきた罪穢れをうけとり、よみの国をさすらう神だ、と言われている。かの神がよみの国をさすらうことで、罪穢れはなくなるのだそうだよ」
「なんか、おおらかというか大ざっぱだね……」
「まあ、この大ざっぱさ、わりとぼくらの感覚に近くはないかい?」
瑞葉のことばに利彦は苦笑し、続ける。
「たとえばさ、掃除機でごみを吸うとしたまえ。そのごみのパックをごみ箱に入れて、で、ごみの日に出す――ぼくらのごみへの関心って、だいたい、ここまでなんじゃアないかい。収集車ではこばれて、処理センターでどうなって、こうなって……なんて、社会の授業では習うけど、日常の感覚では、目のまえからごみが消えたら、それでスッキリするでしょう?」
「うん。そうらね、でも……」
めずらしく、凜々花がしんみりとした声をだした。
「なんか……その神さま、ひとりでがんばってて、かわいそうらね……」
いつもとちがう凜々花の態度を、瑞葉はすこし目を丸くして見つめた。
それから、利彦と凜々花のことばをメモし終えると、ふたたび利彦に向きなおり、
「速くさすらう神さまってこと? へんな名前だね」
「そう言われると……ぼく的には、サスラヒメも水の流れに関係しているんじゃア、と思うのだけれど。きみがさきほど言ったように、名前が似てるからという理由で、スセリビメや、その父、タケハヤスサノヲノミコトと同一神だ、という考えもあってだね……まあ、人文系って、ほぼことば遊びだし、なんていうか……とはいえ……」
「で? ホノサスラの『ホ』は、炎の『ホ』?」
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「なんか、おおらかというか大ざっぱだね……」
「まあ、この大ざっぱさ、わりとぼくらの感覚に近くはないかい?」
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「たとえばさ、掃除機でごみを吸うとしたまえ。そのごみのパックをごみ箱に入れて、で、ごみの日に出す――ぼくらのごみへの関心って、だいたい、ここまでなんじゃアないかい。収集車ではこばれて、処理センターでどうなって、こうなって……なんて、社会の授業では習うけど、日常の感覚では、目のまえからごみが消えたら、それでスッキリするでしょう?」
「うん。そうらね、でも……」
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