神のおもちゃのラグナロク 〜おっさんになった転生者は、のんびり暮らす夢を見る。~

やすぴこ

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第六章 邂逅

第95話 報告

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「よう。早かったな。お前の事だからもっとのんびりしてくるかと思ったぜ」

 ここは王都にある宿屋の一室。
 従業員に部屋へと案内され、入った途端に先輩がそう言ってくる。
 占い師騒動の後、ジュリアと分かれた俺は先輩と落ち合う約束をしていたこの宿屋へと足を向けた。
 勿論、詳しい場所は分からんからジュリアに聞いたがな。
 留守じゃなくて助かったぜ。
 いきなり城に行くのは色々と気が引けるしな。

「いや、その筈だったんだが、ちょっと不測の事態が発生してな。ちょっとギルドの事で王にお願い事が有るんで急いで来たんだよ。それに先輩に相談したい事も出来たしな」

「何? ギルドに何が有ったんだ? それに街は、街は大丈夫なのか?」

 俺の言葉に先輩は体を乗り出して聞いて来た。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「と言う訳だ。ギルドの件は先輩に許可取らず勝手にやっちまってすまん」

 俺は一通り先輩と別れてから今まで起こった状況を説明した。
 魔物達の行動の変化の事、ギルドの連中に俺の両親の名前、それに魔法の件はさすがに伏せたが俺の力を皆に示し、ギルド連中の力の底上げの為に稽古を付けてやった事、そして国王への頼み事として魔物調査報酬の援助の事などだ。
 あとは『世界の穴』の中間報告だな。

「いや、こちらこそ済まない。そんな大事になっているとは気付かなかった。お前の判断は正しい。よくやってくれた。報酬の件も任せておけ。きっちりと払わせてやるさ。それより……」

「う~ん、皆に先生の猛特訓を施したんですか? 羨ましいなぁ~。俺も参加したかったですよ」

 先輩に事情を説明している最中に偶々宿屋にやって来たダイスが、残念そうに口を尖らしている。
 ダイスは現在この宿屋ではなく、英雄の称号授与の準備で城の方に泊まっているらしい。

「仕方無いだろ? 状況が状況だ。あいつ等を死なす訳に行かねぇしよ」

「分かってますって。けど、後で城の訓練場で俺にも稽古付けて下さいね」

「わーったよ。でも人払いを頼むぜ? お前相手だとぽろっと魔法を使っちまいそうでよ」

 まぁ、俺としてもこれから待ち受ける魔族達との戦いに向けて歯応えの有る奴と戦いてぇしな。
 ダイスなら練習相手になるだろ。
 戦闘能力特化の王族の血相手に無双したって言う、今のダイスの力に興味が有るしよ。

「俺も鍛えて貰おうか。お前のコーチィング能力ってのが本当なら俺もあやかりたいしな。これからの戦い、いつ俺も最前線に立つ事になるかも分からんのだ。それにお前なら二対一でも構わんだろ?」

「げぇっーーー!! せ、先輩と? か、勘弁してくれ!」

 先輩の攻撃は何故かダイレクトに俺に効く!
 油断したら思わぬ怪我をしそうで怖いんだが。

「ダメだ! お前は俺の憧れであり目標だった『賢王』の息子なんだ。絶対逃さねぇぜ」

  ぐぅ~、そう言えばそうだったな。
 建前的な理由はなんか色々有るが、ぶっちゃけ俺の母さんと戦う為に冒険者になったみてぇなものらしいしな。
 仕方無ぇ、覚悟決めて本気で相手してやるか。

「はいはい、分かったよ。で、魔物の件だが、俺もここに来るまで何体か小物と戦ったが、確かに今までの魔物には無い違和感を覚えたぜ。王都ではそんな噂広まってねぇか?」

 街道から離れて道無き道を抜けて来たもんだから、魔物には何体か遭遇した。
 と言っても、穀倉地帯を抜けての王都の近隣なもんで、大した魔物は居やしねぇ。
 獣や昆虫と言った雑魚程度で新米冒険者でもそこまで脅威と感じねぇ奴ばかりだった。
 しかし、それでも行動パターンには変化が有りやがるのを感じた。
 明らかに連携やフェイント、仲間のカバーに入ったりと明確な意思を感じる動きをしやがったんだ。
 これがもう少し知能の有る魔物、例えばゴブリン程度にもなれば確かにカイ達が言っていた様な罠や統率の取れた戦いって事を仕出かしても不思議じゃねぇ。
 本当に厄介なこった。

「確かに、ここ最近各地で魔物による被害の報告が寄せられていると聞く。こっちのギルドでは火山の噴火で魔物共の気が立っているんだろうとの見解だったが……。なるほど、さすが俺のギルドだ。魔物と言う存在の根底から変わった可能性を考えるとは。これもお前の教育の賜物だぞ。礼を言うぜ」

 先輩がそう言って俺に礼を言った。
 まっギルドの奴等には、今まで魔物の習性を教えて来たしな。
 カイが負傷した事もゴブリンの異変に気付き咄嗟に恋人のメリーを庇った所為だし、グレンが残って掃討しようとしたのも危険を察知したからだ。
 他の奴等もそうだ、皆俺が教えた事と違う行動を取る魔物達に違和感を覚えていた。
 ダイスの話だと他のギルドではそんな事までは教えていないらしいし、噴火で気が立っていたとしか考えなかったのも仕方の無い事だろう。
 なんせ俺の魔物に関する知識は神からの恩恵チュートリアルだからな。

「う~ん、俺の場合気付く前に倒していたので、今一実感が湧きませんでしたね。分かりました。今後は気を付けて観察します」

 まっ、こんな奴も居るんで、それなりに強い奴は気にせず戦っているのかもな。

「次の話だが、『旅する猫』については王子が調べてくれているんで、その結果待ちだな」

「そうか。しかし、言われてみるとなるほどな。二巻に出て来る蛇の国、それに終盤に出て来る火山の国はアメリア王国とこのイシューテル王国を連想させる。それに三巻の国も言われるとタイカ国の文化に似ているな。気付かなかったぜ」

 先輩は盲点だったと渋い顔で腕を組んで首を傾げている。
 まぁ、これは仕方無ぇって、ただの童話が預言書なんて気付く訳もねぇや。

「それに『世界の穴』が『城喰いの魔蛇』の出現場所の可能性……か。確かに物語に出て来るあの蛇は『世界の穴』に猫を誘い込んだ張本人だ。その後もちょくちょく現れては猫を別の国に誘っていく。ふむ。なるほどな」

 続いて『世界の穴』に付いての感想を述べた。
 王子と同じく、俺の推理に納得している。

「じゃあ、先生は『旅する猫』って事ですね。う~ん、猫って言うほど可愛い感じじゃないですが」

「余計なお世話だっての!」

 まっ確かにこれが預言書ならそう言う事だろう。
 色々とずれているがな。
 俺がこの世界に最初に降り立ったのは絵本通り王都の南東ではあるが、その際にタイカ国の騎士になんて会っていない。
 そもそも俺がこの世界に来てからバカ王子がタイカ国の姫を攫うまでのタイムロスが大き過ぎる。
 同じって訳じゃねぇさ。

「お前が猫だとすると……。お前どこか別の世界の人間なのか?」

 先輩の声に心臓が飛び跳ねた。
 しかし、そんな動揺を悟られない為に、俺はその言葉を笑い飛ばした。

「なに言ってんだよ。俺は『ケンオウ』の息子なんだぜ? まぁそうとは知らなかったんだけどな。そんな俺が何処から来るんだよ」

 どんなからくりを使ったかは知らねぇが、俺の両親の存在はこの世界に広まっている。
 その事実は俺がこの世界に初めから居たと言うカモフラージュにはなってくれるさ。
 案外、神はこんな事態を想定して、有名では有るけれど存在を詳しく知っている者は居ないと言う都合の良い人物をチョイスしたのかもしれねぇな。

「あっ、あぁ。だよな。それに結局アメリア王国の滅亡はお前が国から去った後に起こった出来事だし、そこまでは踏襲している訳では無いって事か」

 そうそう、色々と現実と絵本の内容に矛盾が有るもんだから、ちょっと賢い奴なら勝手に脳内補完してくれるから楽だぜ。

「結局姫を助けたのはメイガスだし、女媧を倒した方法も全く違うしな。魔族情報も参考程度って感じで見ておいた方が良いだろうぜ」

「そうですね~。それに猫はご主人様を探して旅していますが、先生は別にそんな事してませんもんね」

「だろ? 俺は別に誰も探してねぇ……さ?」

 誰も探していない? 本当にそうか?
 俺はずっと神を……、ガイアを探しているんじゃ……?

「ん?どうしました? やっぱり誰か探しているんですか?」

「いや、何もねぇよ。ほら、俺の昔の仲間に会ってざまぁって言ってやりてぇと思っただけだ。けど、猫の目的は大好きな奴なんだろ?」

「あぁ~確かにそうですね。大好きな人ってより、憎い相手ですもんね。ハハハハ」

 何とか誤魔化せたぜ。
 そうそう、ガイアは俺を不幸に叩き落した憎い奴だ。
 探している理由が猫の目的とは違う……。
 探している理由?

「あっ、そうそう。もう一つ聞いて欲しい事が有ったんだ。最近王都に現れた占い師の事を知らねぇか?」

「う、占い師だと? もしかしてそれは!」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「なるほど。お前が来るのを言い当てた……と」

 誰かを探していると言う言葉で、俺は神の関係者の疑いが有る占い師の事を思い出した。
 あんなに必死になって探したが、そいつの話を聞けば聞くほど捜索意欲が低下していったんだ。
 聞き込みの結果、魔族ではないだろうと思うが、神の関係者にしても目的が読めねぇし、何より自信が無くなった。
 今は先に優先すべき事が山積みだしな。
 と言っても、ジュリアに捜索を任せてはいるが、二人に報告しない訳にはいかないだろう。
 そう思って先に王都に来ていた先輩とダイスに何か知っているか尋ねたが、生憎占い師の居た通りの方には足を向けていなかった様で二人共知らなかった様だ。

「どう思う? 一応泊まっていた宿の主人は鑑定したが洗脳はされていなかった。占い内容も何かを扇動するなんて事は無く、普通の恋占いや探し物程度だったらしいぜ。まぁ、百発百中の精度ってのは十分怪しいけどな」

「怪しいっちゃ怪しいですね。ただこの王都って確か……」

「あぁ、アメリア王国の教訓でな。ヴァレウスの協力の元、対魔族用の探知魔道具が門や通り、それに城壁にも備え付けられてるんだよ。まっその功績で現在学長をやっているんだぜ」

「ほぉ、そいつぁすげぇな。しかし、隠蔽魔法掛けられてても分かるもんなのか?」

「う~ん、それがお前レベルの隠蔽魔法を使える奴を知らなかったもんでな。アメリア王都に現れたジョカレベルなら確実に分かる筈だが、正直あれが魔族の天井と思っていたから、確実とは言えねぇか。それに高価なもんだからよ。さすがに王都以外の街には設置出来てはねぇな」

 人間姿の女媧に会った事が無い俺には分からねぇが、直接目で見た王子の見立てだ。
 それが大丈夫として作った魔道具なら効果はあるだろう。
 しかし、観応能力特化型の王族の血の力。
 惜しむらくは王自身が女媧に洗脳される前に、正体に気付き対処出来ていれば滅亡しなかったのではないかと思わずにはいられない。
 
「まぁ、俺の考えでもその占い師は魔族ではないと思っているぜ」

「なんだ、そうなのか? 勿体ぶるからびっくりしたぜ。しかし何故そう思う?」

 二人共俺の見解を聞くと緊張の糸を解き安堵のため息を吐いた。

「あぁ、まず魔族が復活したとしても、ここまで来るのが早すぎる。次に、人間達への工作にしてはあんな冒険者や住人しか近寄らない様な通りで占いなんかしねぇだろ。まっジュリアなんてのも居るがな。けど占いで来る奴が分かったにしては回りくど過ぎる。それに結構いい奴でな。恩返しってんで宿屋のメニューや内装、それにカフェテリアデザインなんかもただで相談に乗ってやっていたようだ」

「確かに……。魔族だとしたら目的が分からんな。ただの凄腕の占い師って線も捨て切れねぇか」

「だろ? ただそいつが言っていたと言う『探している人が居る』と言う言葉が気になってな。占い師が探し人ってのも変な話だしよ。それに本当に凄腕の占い師ってのなら何とか力になってくれねぇかなと思ってんだ」

 今の本心って所だな。
 なにせ神の関係者が今頃になって俺の周りをうろうろするなんてのが一番解せねぇ。
 今まで俺が気付かなかっただけと言う線も有るが、少なくとも俺の街では当時先輩と王子が女媧の襲来を恐れて占い師に目を光らせていたんだしそれはないだろ。

「ジュリアの部下だけで大丈夫か? なんなら俺達が……」

「いや、深追いするなとは言って有るから大丈夫だろ。それよりも俺達にはまず優先すべき事が有る。すぐに、城に行こうぜ」

「あ、あぁそうだな。じゃあ行こうか」

 まだ『占い師』ってワードが気になってるようで少し不満気だが、優先すべき事と言う言葉に頷いて、先輩は立ち上がった。
 俺とダイスもそれに続き立ち上がる。

「さてと、んじゃま国王が待つ城に向かうとしますかね」

「おい、お前そんな恰好で城に向かう気か?」

「ん? あぁ、少し汚れてるが国王とは知り合いなんだし別に良いだろ」

「バカ野郎! 良い悪い以前の問題だ。そんな恰好で城の中うろうろしてたら衛兵に追い出されるわ! 今すぐスパでも行って身支度整えて来ーい!!」

 先輩が顔を真っ赤にして怒り出す。
 やっぱりこの格好じゃマズいか。
 まぁこの格好のままじゃ、またジュリアに会っちまうと汚っさん好き属性の所為で言い寄られても俺の心が痛ぇだけだしな。
 何より先輩に殴られるのは嫌だからと素直に部屋から飛び出した。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「って、勢いで外に出たは良いが、スパって何処にあるんだ?。服屋も探さなきゃならねぇし、何より金あんまり持ってねぇぞ? 一旦戻って先輩に金借りるか……」

 俺が無計画に飛び出した事に少し後悔しながら先輩の部屋に戻ろうとした時、宿屋の扉が開きダイスが姿を現した。
 何故か顔が満面の笑みだ。

「先生、その顔じゃスパの場所もお金も無いんでしょ?」

「うっ、うぐぐ。その通りだぜ」

「任せて下さい! 俺が案内しますし、金だって日頃の感謝の意味を込めて奢りますよ」

「おぉ! 太っ腹! よろしく頼むぜ!」

「じゃあ! 行きましょう! さぁ先生俺が背中を流してあげますよ!」

「げーーー! いや、いい。遠慮しとく。俺一人でゆっくり入る派だからよ」

 こ、こいつ、もしやそれが目的で満面の笑みを浮かべていたのか?
 え? もしかして、ホ……?

「もーー! なに恥ずかしがってんですか! さ、行きますよ! 早くしないと日が暮れますからね。優先順位、優先順位」

 違うよな? そうじゃねぇよな?
 う~ん、身の危険をそこはかとなく感じはするが、まぁ、早く国王に会わなくちゃいけねぇし仕方無いか。
 先立つ物が無い悲しさよ。

 俺の前を嬉しそうに歩くダイスの背中に背筋が冷える思いで俺は後を付いて行った。
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