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12話 ボス部屋

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 はいさいまいどー!天の声デース!さて、魔石と指輪の関係性について説明するよー!まず指輪、これがとんでもねぇチート(不正じゃない)能力を持っていて、魔石をはめて、その魔石の主であるモンスターの能力を使えるようになるやべぇアイテムなんです!え? なんで説明する必要のない事を今言ったのかって?作者の能力不足で天の声視点以外で指輪の能力を説明出来ないからですよ。 ついでに前話のあのコウモリは血吸いコウモリと言ってランク無しのモンスターだったのでアリスでも楽勝だったのです。


「ねぇノル!あっちに扉があるよ!行ってみよう!」
 見るとそこには石造りの大きめの扉があった。
 あ~絶対ボス部屋だよな。
「いや、流石にそれは駄目じゃないか? こういう時って大体ヤバい奴が居るパターンじゃないか?」
 でもどうせ
「どういうパターンなの?まぁいいや行こうよ!」
 ですよね
「ちょっと待ってて、バリア作っときたいから待ってて」
「いやそれすぐ壊れるし意味ないじゃん」
 そうだけどさ、確かにすぐ壊れるけど言わなくても良いじゃん。
「じゃ突入!」
 めっちゃ嫌だけど行くしかないか。




 結論から言うと、悪いのは俺だ。 アリスはまだ子供で、大人はそれを止めなくてはいけない。
 それに前世で散々悔やんだじゃないか。 あの時止めていれば、と、それなのに同じ過ちを犯した俺が悪い。
 なにがあったって?今から話す




 ギギギ
 アリスの剛力でいとも簡単に開かれる石造りの扉。
 そして扉が開き。
 この瞬間全てを察した。
 ミスった。
 目に映るのは二足で立つ3メートルを超える巨大狼からは、高圧的で圧倒的な
 敵わない、アリスでも敵わない

「みんな全力で逃げろ!」

 キャーッ! うわー! なにがあったの?
 一人、また一人と逃げ出すと、そこから一斉に走る子供達。

 だが、オオカミは何の予備動作もなく俺とアリスの方に向かいジャンプをしてきた。
「ひぃぃぃ!」
 情けなく叫ぶ。
 しかし
 命中したのは
 アリスだった。
「うぐぅ!」
 ビチャッ
 口から血が飛び散り、俺にかかる。
 ダッ
 アリスの元に走り出す。
「逃げるぞ!」
「う、い゛っわが、った」
 痛々しい見た目でそう言い二人で走り出した。

 タッタッタ

 しかし

 バタッ

 走って間もなくアリスが転んだ。
「アリス!」
 後ろを見ると、オオカミは数m後ろから追いかけてくる。 前を見ればもう子供たちは見えない。
「も、もう、だ、め」
 クソッ、どうすれば

 フーッフーッ
 獣の息を感じ取り、後ろを向くと
 オオカミはアリスに襲い掛からんと口を大きく開け、そしてアリスに嚙みつこうとして
「おあぁぁぁ!」
 劣化ブーストを発動し、思い切り口に蹴りかかった。
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