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第十章
女の嫉妬①
午後から出社した真琴は、社長室に向かった。
「花田社長、午前のお休みありがとうございました」
「月野さん、普段から滅多に有給使わないから、こんな時は遠慮せず取ったらいいんだよ」
「いえ。事前に申請しているならともかく、今回は急に……」
「真面目だなぁ。何かあればいつでも相談してくれ。にしても、昨日の今日でもう遠距離とは、可哀想に」
「それは、しょうがないですよね……」
「月野さんより、城之内社長の方が離れがたいんじゃないか?」
さっきまでの仁を思い出し頬が赤くなる。一夜の相手が誰だかわからずヒヤヒヤしたのが嘘のように、気分は晴れやかだ。
「幸せな所、水を差すようで申し訳ないが、城之内社長の秘書の田沼くんから、くれぐれも気をつけるように連絡が来たんだ。出来るだけ、ひとりにならないようにな」
「はい。気をつけます」
「敵はうちの社内だけじゃない。寧ろ昨日、城之内社長に釘を刺された連中は、何も出来ないはずだ。社外でも油断しないように」
「わかりました」
気にはなるが、仕事は待ってくれない。仁がドバイに戻ってからも、忙しい日常が待っている。
真琴も仁を選んだ時点で、注目され目立つ事はわかっていた。今はまだ知る者が少ないが、広まるのも時間の問題だろう。
仁がJJ様と呼ばれている事すら知らなかった真琴には、まだまだ知らない事がありそうだ。
顔の見えない相手にどう注意を払っていいのか……。
独身の仁を狙う人は世界中にいる……。
レイチェルが乗り込んできて数日後、『Rachel』が倒産したというニュースが世界中に流れ話題になっている。レイチェル自身の人柄やデザインをした服にまで、不満をぶつける人々。
従業員達は路頭に迷う。『Rachel』に支援はしなかったが、仁の判断で従業員の大半を城之内グループが受け入れることにした。それが城之内の評判も株価も更に上げる。
そして、仁の人気も知名度も上がる。
真琴にとって仁の活躍は嬉しくもあり、遠い人にも感じる。仁との事も夢だったのではないかと不安になる。
複雑な気持ちを胸に、次に会えるのはいつになるのか、待ち遠しい。
「花田社長、午前のお休みありがとうございました」
「月野さん、普段から滅多に有給使わないから、こんな時は遠慮せず取ったらいいんだよ」
「いえ。事前に申請しているならともかく、今回は急に……」
「真面目だなぁ。何かあればいつでも相談してくれ。にしても、昨日の今日でもう遠距離とは、可哀想に」
「それは、しょうがないですよね……」
「月野さんより、城之内社長の方が離れがたいんじゃないか?」
さっきまでの仁を思い出し頬が赤くなる。一夜の相手が誰だかわからずヒヤヒヤしたのが嘘のように、気分は晴れやかだ。
「幸せな所、水を差すようで申し訳ないが、城之内社長の秘書の田沼くんから、くれぐれも気をつけるように連絡が来たんだ。出来るだけ、ひとりにならないようにな」
「はい。気をつけます」
「敵はうちの社内だけじゃない。寧ろ昨日、城之内社長に釘を刺された連中は、何も出来ないはずだ。社外でも油断しないように」
「わかりました」
気にはなるが、仕事は待ってくれない。仁がドバイに戻ってからも、忙しい日常が待っている。
真琴も仁を選んだ時点で、注目され目立つ事はわかっていた。今はまだ知る者が少ないが、広まるのも時間の問題だろう。
仁がJJ様と呼ばれている事すら知らなかった真琴には、まだまだ知らない事がありそうだ。
顔の見えない相手にどう注意を払っていいのか……。
独身の仁を狙う人は世界中にいる……。
レイチェルが乗り込んできて数日後、『Rachel』が倒産したというニュースが世界中に流れ話題になっている。レイチェル自身の人柄やデザインをした服にまで、不満をぶつける人々。
従業員達は路頭に迷う。『Rachel』に支援はしなかったが、仁の判断で従業員の大半を城之内グループが受け入れることにした。それが城之内の評判も株価も更に上げる。
そして、仁の人気も知名度も上がる。
真琴にとって仁の活躍は嬉しくもあり、遠い人にも感じる。仁との事も夢だったのではないかと不安になる。
複雑な気持ちを胸に、次に会えるのはいつになるのか、待ち遠しい。
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