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第14話 HEAVENS JUSTICE BOYS③
しおりを挟む「せ、聖歌隊……!?」
フランチェスカを除く全員がざわめく。
「はい、はい。わかりました。ではそのようにお願いします」
ぺこりとフランチェスカが頭を下げると通話を終了する。そしてくるりとメンバーのほうへ向き直る。
「OK。これで万事解決よ」
フランチェスカがにこりと微笑む。
「「いやいやいや!」」
三人が同時に立つ。
「どういうことすか!? 聖歌隊なんて!」
「賛美歌って……俺たちの音楽とは正反対ですよ!?」
マンショがぶんぶんと首を横に振る。抗議の表れだろう。
「しょーがないでしょ!? シスターで聖職者であるあたしがロックやりますって言ったら、それこそ怪しまれて受け付けてくれないわよ?」
フランチェスカの言葉に三人がうっと言葉を詰まらせた。
「そ、そうは言っても……」
なお抗議しようとするジュリアンの前にフランチェスカがびしっと指さす。
「そこで提案よ。あたしをメンバーに入れて」
「え!?」
四人の男がハモる。この時はさすがにマンショも驚きの声をあげた。
「聖歌隊はあくまで建前。実際にはそれらしく演奏すればいいのよ。それにこう見えても幼少の頃は聖歌隊で腕を鳴らしてたし? だからヴォーカルとして出るわ」
それに、と付け加える。
「聖歌隊として出ると言ったからには、あたしも協力するわ。楽曲や練習場所も提供するわよ。悪くない話だと思うけど?」
ジュリアン、マルティノ、マンショが互いに顔を見合わせる。
確かに廃部になった今、練習場所にも事欠く三人にとっては悪い話ではない。
だが問題は……
「曲はどうするんです? 賛美歌とロックじゃ火と水ですよ?」
マルティノがみなの疑問を代表して言う。
「それもあたしに任せて。教会にある賛美歌集から適当なのを見繕ってロック風にアレンジしてみるわ」
「ど、どうしてそこまでしてくれるんすか? 勝手なお願いしてるのに……」
ジュリアンの疑問にフランチェスカがこくりとうなずく。
「あたしね、スペインにいた時も、日本にいる時も、みんなでなにかをするって機会があんまりなかったの。もちろん聖歌隊はみんなで歌ってたけど、嫌々やらされてただけだし……」
だから、と続ける。
「こうしてみんなと一丸になってなにかに取り組むことが出来てうれしいの。あたしは。あと、成人式も間接的にだけど経験出来るしね」
ダメかな? とフランチェスカが三人に問う。
三人が同時に首をぶんぶんと振る。
「とんでもないっす! 俺たちはいつでも大歓迎っすよ!」
がばっとリーダーが立ち上がった。
「ぜひ、ヴォーカルとして出てください!」
がしりと固い握手を交わす。
「ん、決まりね。んじゃ景気づけになにか一曲歌いましょ!」
4人目のメンバーが加わった個室にて新たなスタートを切るべく、ロックの爆音が響いた。
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