年下上司の愛が重すぎる!

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26話

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なんとか部屋から出ると左右に廊下が伸びていたが、確か左側から足音聞こえたよな...、と記憶を辿る。テレビの横だと言っていたので、きっと御堂先生が待機していた方にあるだろう。これで間違えていたらまた時間がかかってしまう。
ただでさえ歩くスピードが遅いのだ。あまり待たせたら御堂先生の身も危ない。

壁伝いに進めば、リビングのような場所に出た。
テレビがあるため、こちらで合っていたようだ。ソファには御堂先生の物らしき鞄がある。以前伺った御堂先生の部屋とは違う場所のようだがどこなんだろうか。

窓から外を見てもすぐにわかるような場所ではなかった。まだ薄暗く、日が昇り始めたばかりのようだ。
他人の鞄を探るのは気が引けるが、緊急事態だ。鞄の中をちまちま探すのが面倒で中身をソファにぶちまけると、小さな鍵を発見し、テレビ横のキャビネットに鍵を差し込んだ。

綺麗な状態のまま保管してくれてあり、ほっと胸を撫で下ろす。
すぐにリューイを喚び、佐原の元へ送ってからジスを喚んで御堂先生の元へと急いだ。


戻ると、御堂先生もかなり抵抗したようで、服がびりびりに引きちぎられていた。お互いにほとんど裸だが、どうやらぎりぎり間に合ったようだ。

ジスが男に体当たりして引き剥がし、そのまま押さえてくれる。俺はそいつの額に札を貼り付け、壁に背中を預けて座り込んだ。
ジスは俺を護るように御堂先生を睨みつけているが、もうなにもしないだろう。

暫く沈黙が訪れ、ベッドの上で寝転がったままの御堂先生が先に口を開いた。

「.......私は、どうすればよかったんでしょうか.....」

そんな事俺が知るか。自分で答えを出せ。
ただ一つ、俺から言えることは———

「最初から、崩れた口調だったら....いい友人には、なれていたかもしれませんね」


佐原の元へ送ったリューイが戻ってくると、佐原の他に千葉も駆けつけてくれた。

「姫崎さんっ!」
「ったく、心配させやがって」

佐原が青ざめた顔で俺に上着を被せた。
そういえば、外されたボタンを留めてなかったな。留めようとははしたのだが、指に力が入らず諦めたのだ。

随分時間が経ったように思うのだが、まだ薬の影響は残っているらしい。現に、未だアソコは張り詰めたまま。二人から見えないよう、隠すのに必死だった。

二人とも、御堂先生が犯人だったことに少なからずショックを受けているようだったが、何も言わずに千葉が御堂先生を署まで連行してくれた。
俺と佐原は救急車が来るまで待機だ。

二人きりになると(気絶している男を含めれば三人だが)、呼吸の荒い俺を心配するように近づいてきた。

「姫崎さん?大丈夫ですか?どこか怪我でもしてるんじゃ...」

「して、ない....。はぁ....、触るな、よ....」

触られたらいろいろまずい。自分がどうなるかわからない怖さもあるし、絶対に醜態を晒してしまうだろう。

「でもっ...、そんなに苦しそうなのにっ...。....それに、服も..はだけてましたし....」

「っ大丈夫、だから...」

「またそう言って無理してるんじゃないですか?」

真っ直ぐに見つめられ、言葉に詰まる。
確かに、無理はしているが、怪我を隠しているわけじゃない。違法ではないと言っていたし、放っておけばその内抜けるはずだ。だから気まずくなる必要なんかない。

それなのに、耐え切れなくなって視線を逸らしてしまった。

「....やっぱりどこか怪我してるんですね」

それをやましさ故だと受け取った佐原の声が、ワントーン低くなる。

「は....?」

「姫崎さんが隠すなら、俺だって無理にでも確かめますから」

「ちょ、まて...っあ!」

有無を言わさず右手を掴まれ、声を上げてしまった。
落ち着いてきていた熱が、たったそれだけのことでぶり返す。

「腕ですか!?」

「んぅっ!ち、ちがう、って....!」

痛みで声を上げたと勘違いした佐原が、自分でかけた上着を剥ぎ取り、シャツまで脱がしにかかる。

「ひぅっ!」

佐原の指先が素肌に触れた瞬間、服越しとは比べ物にならない程の快感を感じてしまい、一層甘い声が口から飛び出した。
慌てて口を押さえるが、時すでに遅し。佐原の記憶を消すしか手立てがない。....殴ったら記憶飛ぶか....?

「...姫崎さん....、今の、声って....」

佐原が顔を赤ながら手を離す。
なんでお前が恥ずかしそうにしてんだ。恥ずかしいのはこっちだぞ。

「........媚薬を、盛られた....」

「!?」

「だから、っ....、怪我は..ほんとにしてない.....っ」

あー、クソ。言わせんな。っていうか早く離れろ!近い!
勃ってるのがバレそうでヒヤヒヤする。

「.......あの、それって..いつ抜けるんですか....?」

「しるか。....こっちが、聞きたい....」

かなり時間は経っているはずなのに、一向に治る気配がない。本当に違法じゃないんだろうな?

「それ、俺が手伝っちゃ駄目ですか....?」

「は..........?」

熱を鎮めようと必死になっていると、興奮したような顔で下半身をガン見しながら、佐原がそう言った。

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