年下上司の愛が重すぎる！

52話

それにすら反応してしまうほどで、ずっとイっているかのような感覚が続いている。
それなのに、なぜか下半身の熱は溜まったままだ。なぜ発散できないのか。

「エロいって言ったんですよ」

「んっ...、うる、せっ...、んむっ！んんっ...、ん、ぁ...」

やたら近づいて来たかと思えば、そんなこと言われても嬉しくない、と続けようとした口を塞がれた。
口内さえ敏感になっていて、しつこい！と突っぱねたくても力の入らない腕ではそれもできない。
ずぶずぶと快楽に飲みこまれていき、何度もされたキスの所為で唇と舌が溶けてしまいそうだ。

「んっ...？んん、ん！んんっ！」

キスの最中、抵抗できないのをいいことに、下着を強引に下された。
その際、未だ萎えていなかった陰茎に布が擦れ、快感が襲う。外気に晒されてひくひくと震えているそれは、先走りでみっともない状態ではあるが、白濁した汚れはついていなかった。

「上手にイけましたね」

「ん....、はぁ....ぁ、...からだ、へん....はっ...」

「変じゃないですよ。ドライでイっただけですから」

「んっ...ドラ、イ...？ぁ、なに、やめろっ...！」

意味がわからないばかりか、左脚を持ち上げられとんでもない格好にさせられてしまった。
太腿の内側を佐原の手が這うと、反射的にびくりと震える。

「っ、は...、すみませんっ...。叱責しっせきは後で受けますので....！」

「な、ひっ！ぁ...やめっ...、んああっ！」

言葉とともに入ってきた熱の塊は、一気に最奥へと進んでゴリゴリと肉壁を擦り上げていった。
先程の余韻が引かぬ内に新たな快楽を与えられ、思考が鈍る。

一瞬で呼吸の仕方を忘れ、はくはくと口を動かしながら力の入らない身体を必死に支える。そうしないと、身長差の所為もあるのだろうが、もっと奥へと入り込んでこようとするのだ。ず、ず、と少しずつ、入ってはいけないようなところまで。

「は....ぁ、さ...はらっ....、んんっ....」

苦しさのあまり、助けを求めるように名前を呼べは、佐原は顔を歪め、返事の代わりにキスをした。
苦しいのに、なぜだか満たされたような気持ちになる。こんな時間に、こんな場所で、なんて思っていた自分などもういなくて、むしろ、もっと、と強請るように身体を寄せた。

初めてそんな気持ちになったからか、いっそ二人とも裸だったらよかったのに、などと血迷ったことまで考えてしまった。

「んっ、は...、んぅ....、んんっ.....」

佐原はキスをしながらゆるゆると腰を前後に揺らし、抱えている俺の脚を引き寄せた。腰から背中をぞわぞわと快感が走り、勝手に腰が動いてしまう。

「んっ....、奥、ぐりぐりするの好きですか...？」

「はっ、ぁ...、んっ、わかんな....、んんっ....」

「...でも、腰動いてますよ...っ？」

「んっ、ぅ...、これ、は...、んっ、勝手に...っ」

「ふ、無意識ですか...？この、奥に当てると擦り付けてくるのも....？」

「ぁ、や...っ、言う、なっ....。んっ...」

「でも言うとすごい締め付けてきますよ...？それにっ...、喋ってる方が安心するでしょう...？」

「うるさっ...、ん、はっ...、......な、からっ....」

「っ、なんですか...？」

「んっ、お、まえは...、もう...っ、怖く、ないか..らっ...、ぁっ？ん、や..なん、でっ...！」

突然、中にいる佐原の質量が増した。
本当に唐突で、何が起こったのか一瞬わからなかった程だ。
ただでさえ苦しいのに、大きくなった陰茎でしこりごと圧迫され、上手く息ができない。
苦しいだけでなく、快感まで生まれてしまい、陰茎から溢れた先走りは佐原の服に吸われていく。

なんで今、っていうかまだ大きくなるのかよ、と八つ当たりのような悲鳴を上げた。
存在感がものすごく、到底無視できるものではない。形まではっきりとわかるほど密着し、息をするだけでも快感に変わる。

「っは....、だから...、煽らないでくださいって....！優しく、できなくなる....っ！」

「ぁっ...？ひぅっ...！」

だから煽ってない、と言おうとした時に身体を少し離されたことで、陰茎が中途半端に引き抜かれ、言葉にならなかった。
更に、持ち上げられていた左脚を強引に右側へと下されると身体が反転してしまい、丁度エラの張った部分にしこりが擦れ、言いようのない快感が走る。
身体を支えようとついた手に、ひんやりとした扉の感触が伝わってきて、ここが玄関であることを思い出した。

「ま..あ゙っ！ん゙っ...！」

静止する間もなく、ごちん、と音が鳴りそうなほど奥を突き上げられ、服を噛んで出そうになった声を堪えた。

「っは、ひめ、ざきさんっ...！好き、好きです...！姫崎さんっ...！はっ...、んっ....」

「ん゙っ！ふ...、ゔっ...ん゙んっ...！」

耳元で何度も俺の名前を呼びながら好きだと囁き、容赦なく腰を打ちつけてくる。
苦しささえも気持ちよく感じてしまうのは、身体をつくり変えられてしまったからだろうか。それでもいいか、と思うのは、きっと、心もつくり変えられたからなんだろう。
そうじゃなきゃ、佐原を好きになることも、こんなことをされても許すどころか悪くないなどと思うことすらなかった。

「はっ...、姫崎さんっ...！すごい...っ、ナカまで、びくびくしてっ...！」

「んっ！ふ..ぐっ...！うっ...！ん゙っ...！んんっ...！」

ゴツゴツと奥を突かれる度、軽くイっているかのようで身体が震えるのを止められない。
実況されると嫌でも意識してしまい、余計に熱が溜まる。やめろ、と言おうにも声を堪えるのに精一杯で口を開くことすらできない。
噛んでいる袖は、溢れた涎でぐっしょりと濡れていた。

「んっ...はっ....、やばっ...！も、出そ....っ！」

「んぐっ！んっ！ん゙んっ！んゔっ！」

どんどん早くなっていく抽挿に、暴力的なまでの快楽に襲われ、頭の中が真っ白になって再び目の前がちかちかと点滅し始めた。
正直、感じすぎて辛い。もう何度イったのか、そもそもイってるのかどうかもよくわからないくらいぐちゃぐちゃで、もうわけがわからない。

佐原も余裕がないのか、荒く吐いた息が首筋や耳に当たり、時折吸いつかれているような感じがしたが、定かではない。

「ふ..んっ...！んゔっ！？ん゙っ！ん゙ん゙～～～っ！」

「うっ、ぁ....、しまっ...！くっ.....！」

後ろから抱きしめるように回されていた手で、胸の突起を押しつぶされた。多分、佐原も無意識だったんだろう。そんな触り方だ。
それでも、敏感になっている身体には刺激が強く、背中をのけぞらせながら後ろを締め付けてしまったらしい。

佐原が苦しげに息を吐くと、最奥に熱いものが注がれた。
終わらない射精に、支えがあっても立っていられなくなり、ずるずると床に座り込んだ。
引き抜かれた陰茎からは、出ききっていなかった精液が背広を汚す。自分からも、溢れているのがわった。

俺も佐原もすぐには喋れず、暫くの間荒く吐く息だけが響いていた。
ようやく刺激がなくなったというのに、なぜか快感が治らない。陰茎も勃ったままで、一向に萎える気配がなかった。

なんでだよっ！ということを聞かない身体に心の中で悪態を吐つきながら、扉に額を押し当てる。冷えた扉に当てれば熱も冷めてくれるかと思ったが、全く意味を成さない。

「んっ...？は...ぁっ、まだ...はっ....、さわ、んな...っ」

先に復活したらしい佐原に腕をとられ、何をされるかと思えば背広を脱がされた。
風呂にでも連れてってくれるのだろうか。だとしても今は無理だ。ありがたくはあるが、この状況ではまだ入れない。

「んっ...！わっ、ちょっ....」

そんな状態を知ってか知らでか、佐原は無言で俺を抱き上げた。膝裏に通された腕が直接肌に触れただけでも身体が反応してしまう。
ワイシャツ一枚でなんとか勃ち上がっている陰茎を隠そうとしていれば、佐原は風呂場を通り過ぎていった。

「え....、おまえ、どこ....、っ！？」

不思議に思って見上げると、目が未だにギラついていた。
なんで、そんな顔を。
目は合っていないのに、向かい合っているかのようでぎくりと身をすくませる。

........え、......もしかして、まだ終わってない....？

絶望にも似た感情が生まれ、頭のモヤが晴れていくかのようだ。
初めての時のことを思えば当然かもしれないが、二度目の時は自制できていたし、今日は佐原の体調も万全ではない。
止めなくてはいけないことはわかっているのに、どうやって止めたらいいのかわからなかった。経験上、俺が何か言って止まったことなどほとんどない。

そうこうしているうちに、佐原の部屋のベッドへどさりと下ろされた。
無言で俺のワイシャツのボタンをぷちぷちと外していく手を掴むが、当然それだけで止まってくれるはずもない。

「さ、はらっ...！おまえ、まだ熱がっ...」

「はーっ、....全然、足りない....っ」

「なっ、」

荒い息を吐く佐原の顔は、今までで一番熱を帯びていた。
何が足りないかなど、さすがに俺ももうわかる。きっと止めても無駄だということも。
ドクン、ドクン、とうるさいくらいに鳴っている心臓を抑えながら、腹を括った。

「...おい、........明日には、響かせるなよ」

かといって真っ直ぐに目を見つめることはできず、横を向いて呟く。
すると、ボタンを外していた佐原の手がぴたりと止まった。不思議に思って視線だけ戻した瞬間、残り一つだったボタンが宙を舞う。

何が起こったのかすぐには理解できなかったが、佐原は自分の服にも手をかけ、引きちぎる勢いで脱いだ。その時にいくつかボタンが弾け飛び、そのうちの一つが顔を上げていた俺の額に命中した。

「った....、いや、お前なにしてんだよ....」

ぶっちゃけドン引きだ。自分の服だけならまだしも、なぜ俺の服まで。めんどくさかったにしろあと一つだけだったのに。力自慢でもする気か、こいつは。
すっかり萎えてしまったので仕切り直しかと思いきや、未だ萎えていない佐原の陰茎が目に入ってしまった。

「ぅわっ！...え、まっ..んぁあっ！」

脚を引かれ、起こしかけていた身体がベッドへと引き戻される。しかもそのまま硬いものが奥まで押し入ってきた。
ナカを擦られると、先程までの熱が一瞬で蘇ってしまう。萎えていた陰茎も頭をもたげ始めていた。

「はぁっ....はぁっ.......、煽らないでって、言ってるのに....っ」

「へっ！？」

煽った覚えはないんだが！？
身に覚えのないことを指摘され、少しの間思考が止まる。思い返してみても、そんなことをした覚えはなかった。
俺に煽っている自覚がないのがおかしいのか、こいつの興奮するポイントがおかしいのか。...どう考えても後者だろう。

「ひぅっ！？あっ！やっ...！はげしっ....！」

自分ではおかしいと気づいていないであろう佐原は、容赦なく腰を打ちつけてくる。
俺よりも余裕のない様子は、見ていて悪いものではなかったが、それも長くは続かず、結局佐原が満足したのは日が傾き始めた頃だった。