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♡61… 仕立て屋
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扉を開けると・・・そこは・・・
「近っ!」
城を出てすぐの門の横だった。
ちょっと向こうには城の兵士がうろうろしている。
リーフはとっさにクルクルと壺を抱えて草むらに隠れた。
「牢屋から出してくれたのは嬉しいけど、もうちょっと遠くにならなったものか・・・」
魔法の扉はいつの間にか消えていた。
城は少し高台に建っているので、周辺の様子が見渡せた。
1時間も歩けば町に着きそうだ。大きな首都の町。
「むらさきの町って言ってたっけ・・・。人ごみに紛れたらごまかせるかな。
よし、行こう!」
リーフはむらさきの町に向かって歩き始めた。
城の中ではリーフが消えたことで騒ぎになっていたが、北のヒョウガの国の動きがいよいよ怪しく、リーフの捜索もそこそこに戦争準備に入っていた。
両王子もそれぞれ東西の砦を守るために遠征しなくてはならない。
「ご安心ください、マーリン王子、ララ王子、わたくしがきっと、リーフ様とあの少年をお探しいたしましょう。」
「頼んだぞ、スカーレット。しかしあの城の警備をくぐり抜けて出入りしたあの少年は、見かけによらず強力な魔法を使う者かもしれない。十分に気を付けるのだよ」
「はい、マーリン様。おそらく2人は町に潜んでいるでしょう・・・隠れるには好都合でしょうから。
リーフ様を必ずやご無事な姿でお連れいたします」
こうしてマーリン王子は東の砦、ララ王子は西の砦、スカーレットはむらさきの町の捜索にと出発した。
さてリーフとクルクルは、無事に町に着いた。
みどりの町とは違い、かなり大きな町である。
中央を走る大通りは立派で、人々でごった返しているし、その両端には所狭しとお店が並び、さらに分岐していくつもの賑やかな道がある。
リーフは屋台のいい香りで、お腹がすいておることに気がついた。
しかもよく見ると、自分の格好はボロボロのTシャツ1枚でかなりみすぼらしい。
「お金がいるなあ」
食べ物は壺から作れるとして、着る物を買うにはお金がいる。
ピコーン!!
「そうだ!壺で作ったお菓子を売ればいいんだ!」
リーフは壺が手元にあることに心から感謝した。
たいしたお菓子がないこの世界では、リーフのお菓子は飛ぶように売れた。
クルクルのつまみ食いがなければもっと儲かったはずだ。
3時間くらい売り続けると、3日分の宿代とリーフの洋服代ぐらいは儲かったので、リーフとクルクルは仕立てやさんに向かった。
リーフが見つけた仕立て屋さんは、大通りから少しずれた裏通りにある小さめのお店。
他にお客さんはいなかったが、あまり目立ちたくなかったので好都合だった。
「こんにちは・・・」
恐る恐る店の扉を開ける。
現実世界でも洋服屋さんとか一人で入ることはなかったので、なかなかハードルが高い。
店の中にはたくさんの布が並んでいた。
といっても、だいたい白か生成りの素朴な布だ。
色があまりないのは、染物屋さんが別にあるせいかもしれない。
よく売れるであろう、赤、青、黄色、みどりの布はあった。
「いらっしゃいませ。」
奥から男が出てくる。黒と青がっ混ざった色の髪、すらっとした体形、優し気な顔立ち。
(よかった、怖くなさそうな人だ)
ちょっと緊張していたリーフは安心した。
「すみません、ボク洋服を買うのなんて初めてで。予算は・・・これくらいなんですけど、」
リーフは宿代を引いた売り上げを男に見せた。
「洋服を買うのが初めて?珍しいですね・・・。でも光栄ですよ、初めての服選びを私のお店でしてくださるなんて。
そうですね、このご予算なら靴とマントまでご用意できるでしょう。
さて・・・お気に召した布はございますか?」
「・・・ボク、ほんとによくわからなくて、洋服のこと。できたら選んでもらえますか?」
男はセンスの良い服を着ている(と思う)。自分が選ぶよりマシだろうと思った。
「わかりました。では・・・まずは採寸をいたしましょう。どうぞこちらへ。」
リーフは奥の小部屋に連れて行かれる。
メジャーのようなもので、体のあちこち測られた。
男同士だけど体のが密着してなんだか恥ずかしい。
身を固くするリーフに男はニッコリして言った。
「申し遅れました、わたくしはブルーと申します。どうぞお気楽になさってくださいね・・・」
優しい微笑み。リーフもつられて「えへへ」と笑う。
その時、突然店のほうで大きな音と怒鳴り声がした。
「店主はどこだ!出てこい!」
ガチャンガチャンと何かが壊れる音がする。
「お客様はこちらでお待ちください」
ブルーは冷静に言って、小部屋から出ていく。
リーフはオロオロしながら立ちすくむ・・・
「ど、どうしよう、ブルーさん大丈夫かな?!助けに行った方がいいかなぁ・・・」
何か言い争う声が聞こえて、うめき声がしたかと思うと、シーンと静かになった。
そーっと小部屋から店をのぞくリーフ。
散らばった布と、紅い池のようなものが足元に見える。
「血?」
さらに見ると、5人ほどの男たちが突っ伏して倒れている。死んでるっぽかった。
その中で唯一生き、立っているのは
ブルーだった。
「お騒がせしました」
ブルーは返り血を浴びた美しく優しい顔でリーフに微笑んだ。
「近っ!」
城を出てすぐの門の横だった。
ちょっと向こうには城の兵士がうろうろしている。
リーフはとっさにクルクルと壺を抱えて草むらに隠れた。
「牢屋から出してくれたのは嬉しいけど、もうちょっと遠くにならなったものか・・・」
魔法の扉はいつの間にか消えていた。
城は少し高台に建っているので、周辺の様子が見渡せた。
1時間も歩けば町に着きそうだ。大きな首都の町。
「むらさきの町って言ってたっけ・・・。人ごみに紛れたらごまかせるかな。
よし、行こう!」
リーフはむらさきの町に向かって歩き始めた。
城の中ではリーフが消えたことで騒ぎになっていたが、北のヒョウガの国の動きがいよいよ怪しく、リーフの捜索もそこそこに戦争準備に入っていた。
両王子もそれぞれ東西の砦を守るために遠征しなくてはならない。
「ご安心ください、マーリン王子、ララ王子、わたくしがきっと、リーフ様とあの少年をお探しいたしましょう。」
「頼んだぞ、スカーレット。しかしあの城の警備をくぐり抜けて出入りしたあの少年は、見かけによらず強力な魔法を使う者かもしれない。十分に気を付けるのだよ」
「はい、マーリン様。おそらく2人は町に潜んでいるでしょう・・・隠れるには好都合でしょうから。
リーフ様を必ずやご無事な姿でお連れいたします」
こうしてマーリン王子は東の砦、ララ王子は西の砦、スカーレットはむらさきの町の捜索にと出発した。
さてリーフとクルクルは、無事に町に着いた。
みどりの町とは違い、かなり大きな町である。
中央を走る大通りは立派で、人々でごった返しているし、その両端には所狭しとお店が並び、さらに分岐していくつもの賑やかな道がある。
リーフは屋台のいい香りで、お腹がすいておることに気がついた。
しかもよく見ると、自分の格好はボロボロのTシャツ1枚でかなりみすぼらしい。
「お金がいるなあ」
食べ物は壺から作れるとして、着る物を買うにはお金がいる。
ピコーン!!
「そうだ!壺で作ったお菓子を売ればいいんだ!」
リーフは壺が手元にあることに心から感謝した。
たいしたお菓子がないこの世界では、リーフのお菓子は飛ぶように売れた。
クルクルのつまみ食いがなければもっと儲かったはずだ。
3時間くらい売り続けると、3日分の宿代とリーフの洋服代ぐらいは儲かったので、リーフとクルクルは仕立てやさんに向かった。
リーフが見つけた仕立て屋さんは、大通りから少しずれた裏通りにある小さめのお店。
他にお客さんはいなかったが、あまり目立ちたくなかったので好都合だった。
「こんにちは・・・」
恐る恐る店の扉を開ける。
現実世界でも洋服屋さんとか一人で入ることはなかったので、なかなかハードルが高い。
店の中にはたくさんの布が並んでいた。
といっても、だいたい白か生成りの素朴な布だ。
色があまりないのは、染物屋さんが別にあるせいかもしれない。
よく売れるであろう、赤、青、黄色、みどりの布はあった。
「いらっしゃいませ。」
奥から男が出てくる。黒と青がっ混ざった色の髪、すらっとした体形、優し気な顔立ち。
(よかった、怖くなさそうな人だ)
ちょっと緊張していたリーフは安心した。
「すみません、ボク洋服を買うのなんて初めてで。予算は・・・これくらいなんですけど、」
リーフは宿代を引いた売り上げを男に見せた。
「洋服を買うのが初めて?珍しいですね・・・。でも光栄ですよ、初めての服選びを私のお店でしてくださるなんて。
そうですね、このご予算なら靴とマントまでご用意できるでしょう。
さて・・・お気に召した布はございますか?」
「・・・ボク、ほんとによくわからなくて、洋服のこと。できたら選んでもらえますか?」
男はセンスの良い服を着ている(と思う)。自分が選ぶよりマシだろうと思った。
「わかりました。では・・・まずは採寸をいたしましょう。どうぞこちらへ。」
リーフは奥の小部屋に連れて行かれる。
メジャーのようなもので、体のあちこち測られた。
男同士だけど体のが密着してなんだか恥ずかしい。
身を固くするリーフに男はニッコリして言った。
「申し遅れました、わたくしはブルーと申します。どうぞお気楽になさってくださいね・・・」
優しい微笑み。リーフもつられて「えへへ」と笑う。
その時、突然店のほうで大きな音と怒鳴り声がした。
「店主はどこだ!出てこい!」
ガチャンガチャンと何かが壊れる音がする。
「お客様はこちらでお待ちください」
ブルーは冷静に言って、小部屋から出ていく。
リーフはオロオロしながら立ちすくむ・・・
「ど、どうしよう、ブルーさん大丈夫かな?!助けに行った方がいいかなぁ・・・」
何か言い争う声が聞こえて、うめき声がしたかと思うと、シーンと静かになった。
そーっと小部屋から店をのぞくリーフ。
散らばった布と、紅い池のようなものが足元に見える。
「血?」
さらに見ると、5人ほどの男たちが突っ伏して倒れている。死んでるっぽかった。
その中で唯一生き、立っているのは
ブルーだった。
「お騒がせしました」
ブルーは返り血を浴びた美しく優しい顔でリーフに微笑んだ。
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