オーブ・シークレット

大地ノコ

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翔也編

先輩!?

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「で、どういうことか説明してもらおうか」
 マスターに向かってひたすらに問いただす。
「いやぁ……そのぉ……」とマスターははぐらかすばかり。
「先輩なんで言ってなかったんですか?こうなるから言ったほうがいいって言ったのに。」
 そう、このシークレット対策本部で働いてる翔也さんに、『先輩』と呼ばれているのだ。マスターはシークレットに詳しすぎると思っていたが、こういうことだったのか…。
「で、なんで俺に教えてくれなかったわけだ?」
「それは………なるべく俺の身バレしないように…………」
「ふーーーーーーーーん。」
「悪かったって!てかなんで翔也が来てんだよ!」
「え、スーツのシークレットが出たって言ってたじゃないですか」
「言ったけど、ひとりごとだと思うだろ普通!」
「いやでも、僕の前で『中の空洞で衝撃を抑えてダメージを減らし、そのスピードで攻撃を避けまくり、そして薙ぎ払いで攻撃するんだよ。どうすればいい?』って聞かれたら戦えって言われてるもんじゃないですか?」
 あ、攻撃食らってもダメージが入ってなかったのはそういうことだったのか…
「いや、あれは俺が普通に聞こうと思ってただけなんだよ!」
 マスターってこういう風に人に勘違いして受け取られることが多いんだよな。

「まぁ、仲直りできたことですし…。改めまして、わたくし、井手翔也と申します。シークレット対策本部の怪人攻略補助部隊No.14です!」
「ちなみに番号がたけぇほうがつえぇぞ。で、補助部は30人いる。」
「うーん、ほんとに平均って感じですね…」
「うっさい。でも!僕の得意分野は補助じゃないですから!僕は特に、シークレットに対抗するための道具の作成を主にしてるんです!」
「あぁ。それで今回は扇風機を…」
「はい!でも、生まれつき怖いのに立ち向かうのが苦手で、今回も照黄さんに助けてもらってなかったら死んでました…」
「え、あんときお前扇風機持ってなかったろ翔也」
「いや……あの……忘れ物してて……」
「お前なんであんとき突撃したんだよ」「すいませんって!」
「あ…あの…ほんとにマスターって何者?」
「あー…それはごめんいまちょっと言えね」
「は?」
「すいません照黄さん。先輩はちょっと特殊でして、ほとんどの情報が機密情報なんですよ」
「え、尚更何者?」「一生知らなくていーよ」
 なんじゃそりゃ

「さて、照黄さんもちょっと説明してくれませんか?」
「いやぁ…俺はちょっと自分でもよくわかんないっていうか、感覚的にはシークレットの力を見様見真似に再現してるって感じで…。でも今はロックのこともあってちょっと冷静に戦ってる感じです」
「あ、岩影事件のことですか?なぜ照黄さんが責任を感じているのかわかりませんが、大丈夫ですよ。悪いのは全部シークレットの野郎です」
「い、いやでも…僕が本能的に戦っちゃったから討伐に時間がかかったっていう」「そんなことないです。絶対に。あのときはあれが正しかった気がします。それに、あなたが戦っていなかったら、もっと酷いことになっていました」
 あの事件があってから、初めてまともにあのことを話した。しかも、それをちゃんと肯定してもらえた。
 特に、特別なことはなにもない。なんともない、ただの話だ。なのに、
「え、あ、あの…あ、そ、そうですか、……えっと、え、、?な、なんか、、…眼っから、変……だな…」
「え、僕そんな変なこと言いました?ちょ、ちょっと先輩!助けてください!」
「あー………翔也に先行かれたか。よしわかった。翔也、今日からこいつと組め。いい経験ができるだろう」
「はへ?先輩?」「グスッ、俺もっ、お願いしたいです!」
「え?えっえ?え?ふほえ?はえ?」

「はいはい!お前らいい雰囲気だけども、残念なお知らせだ。シークレットが出た」
「え?わ、わかりました!」「マスターまじかよ」
「はいはいなんとでもいえ。悪いのはシークレットの野郎なんだろ?」
「せ、先輩!?」
「ぶふっ」「照黄さん!?」
 いいぜ、俺も、今回は盛り上がれそうだ。ひひひ、
「翔也さん、俺に怯えないでくださいね」
「え?先輩これは…?」「あー、わかんねぇけど、耳は塞いどいたほうがいいかもな?」
「じゃあ、行くぜ。チェンジ!シークレットぉ!」
「うわ!うるさ!」
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