人間兵器

ツチノコのお口

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本編

第15話 過去の話

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「おい!持つなテメェ!持つんじゃねえ!このヤロ..」
 なんか妙にリアルな正夢を見た気が...いや、あれは事実だ。未来の記憶が全て俺に残ってる。
 ノールに目一杯止められながらあの銃に触れた俺は、大体4年前ぐらいに飛ばされたのだ。
 そんな戻る必用...いや、あるか。今日俺が人間兵器になるのが決定するんだからな。
 あ、やべ。パン焦がした。この辺やっぱり運命決まってる感じするな。
 あまりのパンの苦さに口をしかめ、牛乳とベーコンでむりやり口に押し込んだ。
 さて、俺が真っ先にするべきことは情報収集だ。上司にクビ食らったあと、俺は真っ先に今後起こることを確認した。
 このあと皇居によったあと、明日はカーター皇帝から義務について教えられて、その後演習をやる。この流れで間違いないはず。
 そう思って俺は皇居へとよることに。

「この銃にします」
 そして銃に触れた瞬間...
 あれ?記憶が飛ばない?あ、俺の体がもう既にこの衝撃に慣れてるんだ。
 待って、ここで下手な行動取ると話がわけわかんない方へ進み出すぞ。
 皇帝は
「おぉ。その衝撃に耐えられるとは鍛えがいがありそうだ」
 気づいたときにはもう手遅れだった。
 第一階層に入れてもらえたあと、皇帝から
「実のところ、お主にはあまり期待しとらんかったのだが、思ってたよりも強くて困惑してるのは私の側近には内緒だぞ」
 って言われてたのを思い出した。やばいやばい。未来が変わったら俺も下手に行動できないんだよ。
 かなり絶望しながら、ゆったりと我が家へと帰っていった。

 演習はそれなりに終わって、訓練も前と何も変わらず終わって...
 終わらなかったんだよこんちくしょう。
 なんか俺用の訓練場だけ変に作られてる。これも記憶が飛ばなかったのが原因だろうな。後俺の訓練に慣れてる感じが更に皇帝様に刺さったらしい。
 もうやめてよ。俺もキトランス皇帝も。
 後閉鎖管理もキツくなってた。なんでよ。

 やっと戦争が始まった。奴隷戦争とか懐かしい。
 そんな奴隷戦争で、俺はちょっと行動を変えるつもりだ。なんせ、もう大分未来変わったし。
 城の前について、俺はステル隊長に耳打ちした。
「作戦なんですけど、ここで貴族に報復することができるからカチュカン兵になってくれってできます?」
 俺の狙いは、前の世界で作戦に反対した二人をこちら側へ連れ込むことだ。そのうちの一人は少しだけだがカチュカン復活のため、資金提供の募集をかけていたらしい。
 こいつが最初からこちらの味方になってくれていれば、日勝戦争の防止に少し役立つのではないかと思ったのだ。
 そして、彼は国籍を変えることに異様なトラウマがあるらしい。ブリスで奴隷になったときを思い出すそうだ。
 そこで、カチュカン国民になることを許可する、といった部分を排除したわけだ。
 効果は抜群だった。仲間になった兵士の数は少ないものの、彼はこちら側の兵士として戦ってくれることになった。

 ちなみにその後、彼:イドゥァスはカチュカン国籍を持ち、戦争の反対運動に積極的だとか。俺の狙いが結構当たっているね。
 さて。UHS戦争はどうなることやら。
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