最愛の敵

ルテラ

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アデリア戦

1話 出会い(1)

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  今日突然、英雄が誕生した。両手、右足は潰れ左足で立っている。それでもその人は立ち口で剣を咥える。性別も名前もいたのかすら謎の存在。確かなのはその噂が今もなを話されているということ。『カカシの英雄』人々はそう呼んだ。
ー12年後ー
 割と世界は平和になった。国にもよるものも徴兵の撤廃、発言の自由、学校に行けるようにもなった。しかし、時代が流れるにつれ戦争は科学技術や魔法の進歩のより過激を増した。しかし、科学技術や魔法が進歩したことによって人々の生活は安全で豊かなものとなった。

 「やばい、死んだ」
 なぜこのご時世に高校には行かず軍を選んだかと言いますと、中学生のときにいじめられていたのが原因です(多分)。それものそのず自分の魔法はフィジカルなんです。通称「ハズレ魔法」。何故そう呼ばれているのか、それは黒髪が「闇魔法」を連想させるから。
「お!なんだまだ生きているのがいるじゃん」
 敵兵にみつかり死を覚悟。さよなら。
「何だおま・・・」
 グシャ
 いつまでもその時は訪れてなかった。恐る恐る顔を上げるとそこにいた敵兵は死んでいた。もっと言えば、死んだ兵の上に後ろ姿の一人の女性が立っていた。長髪で白髪、美しい女性をただそこにいる天使を眺めていた。
「大丈夫か?」

 気がつくと自分はベットに寝ていた。ハッとし突然起き上がると全身に激痛が走り、声にならない叫びをする。
 こらっと後頭部を軽く叩かれる
「痛いって」
 っと顔を上げるとセリアさんがいた。
 この軍、唯一の回復魔法の持ち主で性格もよく、この軍隊でのマドンナ的存在、ちなみに既婚者だ。
「あのー自分はどうしてここにいるのでしょうか」
「あら、覚えていないの。実は・・・」
 ガチャ
「目を覚ましたか」
「あら、ラズリいいタイミングね」
 そこには先程の助けてくれた天・・・仮面の女性がいた。
「あっ、ラズリさん!お久しぶりです」
 仮面の女性に頭を下げる。
「あぁ」
「ラズリさんが・・・ありがとうございます」
 再び頭を下げる。


「いい、礼を言われたくて助けたわけじゃない」
「あら、2人とも知り合いなの」
 セリアさんが聞く。
「いや、しらない」
 自分とセリアさんはガクッとなる。
「えぇ」
 セリアさんは呆れる。
「仕方ありません。授業の時に一度、話すことはありませんでしたし」
「ラズリのことはどこまで知ってるの?」
 突如として現れた希望『冷徹の英雄』。
 戦場に必ず現れ戦いを終わらせる。その戦う姿は命を狩る死神に見えることから「冷徹の英雄」と言われるようになった。生まれ、年齢、名前その一切が不明。「ラズリ」と言う名前はわかっているがそれが本名かは不明。わかっているのは女性であることのみ。
「『冷徹英雄』・・・ダサっ・・・」
 必死に笑いを堪えているセリアさん。
「あっ。自分、トートと言いいます。」
 ハキハキ喋る。
「そうか」
  ビーーーーン



 突然の警報これがなる理由は一つしかない領地に敵が侵入したのだ。
「自分行きます」
 トートはそう言い起き上がろうとすると全身に痛みが走り、床に倒れる。
「つ・・・」
「ダメよ。あなた怪我人じゃない」
 床に倒れた僕をセリアさんが起き上がらせる。
「なら早く治してください。いかな・・・痛っ」
 デコピンをされる。
「ダメよ。怪我を治すのは簡単だけど、死んだ人を治すことはできないの。それにラズリが行ったから大丈夫よ」
 自分は辺りを見渡すとラズリさんの姿はなかった。
「はやい」
 自分は呆然とした。
「警報が鳴って1秒くらいで出ていったわ」
 なんでもないかのように話す。
 そして、自分は急に体が軽くなったことに気付く。


「はい。傷の手当て完了。もう行っていいわ、でも今行われている戦闘に参加するのは禁止ね。そもそもあなたの部隊全滅しちゃったから、行ったとしても役にたたないわ」
「えっ、全滅・・・自分だけ生き残ったってことですか。」
「必ず救え」
「え?」
「気絶したトート君を運んで来た時、ラズリが言った言葉よ。あなたは生きなければならないの」
 その目からは悲しみが浮かんでいた。それは自分に向けられたものではないような気がした。
「さあ、もうトート君も手伝って。これから怪我人がわんさかくるはずよ」
「はず?」
「ラズリが行ったから死人は出ないはずよ」
 にっこり笑う。
 それから数時間後、戦闘が終わり、みんなが帰ってきた。軽症者多数、重傷者6人、そしてセリアさんが言っていた通り死者は0人だった。


「すごい本当に死者が出なかったなんて」
「ふふ、わかるわ。すごいわよね本当」
 自身のことの様に喜んでいる。
 ガチャ
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