最愛の敵

ルテラ

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アデリア戦

11話 散歩

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「ヤダなー毎回やるから、まるで死んだ兵士達は自身が殺した。って思っているみたいで」 
 アイシャさん悲哀にくれる。
「実際にそう思っているでしょうね」
 ずっと疑問に思っていた。
「ラズリさんはどうして1人で背追い込むのでしょうか?」
「あぁ、トートはしらねんだったな」
「残念ですがそれを話すにはラズリの過去を話さなければなりません。なのでこれ以上は話すことができません。申し訳ないありません」
「あっ、いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
「よしっ!休憩終わり。次は私が教えるね」
 アイシャが重たくなった空気を変えうように言う。
「よろしくお願いします」
 トートを見ながらレオはため息を吐く。
「(止める事はできない。俺らはそんな資格がないんです。それが我々の罪)」

 トート達が訓練をしている時。
 ラズリは馬に乗り辺りを走り戦争跡地へ赴いていた。馬を降り、手を前に出して魔力認識を使う。しばらくして解除し、また馬に乗り走り出す。これを繰り返す。
 ラズリは地雷を探しているのだ。明日は都市に帰るため戦争の後処理を行う。そに時地雷等に巻き込まれないための処置を行っている。
「ん?」
 何かが引っかかる。
 そちらに行って見る。何もない。少し離れ「引っかかり」の場所を「引っかかり」に触れないように魔法でえぐり上空へと上げ、それを魔法で囲む。そして手を握る。
ドーーーーン
 “引っかかり”は爆発した。地雷があったのだ。
 そうして再び馬を走られる。
 ある場所に馬を止める。そこは墓地だった。墓地と言っても剣または木で作った十字架が刺さっているだけ。
 多くの兵は原形を止めない死体が多く、味方か敵すらもわからない。身元がわかっても身寄りがなかったり受け取りの拒否された場合はわからない死体と共に埋葬される。疫病を防ぐために大きな穴を掘りそこに入れられるだけの死体を入れ燃やし、そもまま埋める。
 それゆえにここに死体は埋まっていない。
 ラズリは手を合わせず、目を瞑りそここに立っていた。ただそこに。
 
ー数時間後ー
 ラズリは基地へ帰還し、その足で皆の元へと行った。
 向かうと音がした。
「(まだ、やっているのか)」
「あら、ラズリお帰り」
 セリアが言う。
「あぁ」
「みんなラズリが帰って来たよ」
「ラズリ、お帰り(なさい)」
 みんなが言う。
 ラズリは頷く。
「まだやっていたのか」
「もっと早く終わりにする予定ですが・・・」
「トートがもうちょっとって」
「す、すいません」
 目線を下に向けて言う。
「努力することは悪いことではない。だが無理はするな」
「はい!!」
ー数時間後ー
「痛てって」
 自分は今全身傷だらけだ。
 あの後、ラズリさんとも手合わせをしたが見事にボコボコにされた。強すぎる。
「どうだった?」
 セリアさんが自分の傷を治しながら聞く。
「とても勉強になりました。やっぱり格が違いますね」
「ふふ。そのうちついていけるわ」
「頑張ります」
「はい、治療完了。シャワー浴びて食堂に行ってご飯食べましょう」
「はい」

 シャワーを浴び、食堂に向かい。ご飯を受け取りいつもの席に行こうとする。
「トート、こっち」
 フィールさんが大きく手を振るう。
 何だろうと思い特別テーブルへ行く、ラズリさん以外がいた。
「どうしました」
「あぁ。お前はここの隊なんだからここで食べるのが普通だろう」
 僕はハッとする。
「あ、あそうでした。いつもの癖でつい」
「ドジっ子ね。トートは」
 アイシャが笑う。
 自分は無意識に皆さんを凝視する。「どうしましたか?」それに気づいたレオさんが首を傾げる。
「皆さん仮面を・・・」
「あ、うん誰もいない時は外してるよ」
「違和感がありますか?」
「仮面を被っているお姿しか拝見していなかったので」
「確かにそうかもな」
 自分も席に座る。
「あの、ラズリさんは?」
「ラズリなら部屋で食べてるわ」
「(部屋・・・)」
 自分はラズリさんが仮面をつけているのを思い出す。
「あっ!」
 自分は立ち上がる。
「どうしたのトート君」
「自分、部屋で食べます」
 察した様にレオさんが「ラズリは基本部屋で食べるんです」慌てて言う。
「えっ!?そうなんですか?」
 皆さんが頷く。
「恥ずかしがり屋なのよ」
 食べながら呆れ混じりにセリアさんが言う。
「だから心配すんな」
 フィールさん座る様に指示する。
「はやく、食べようぜ。冷めちまう」
 再び席に座り食べ始めた。
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