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第一章
第73話 何考えてんのよ私!
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「よっしゃ! ここは終わりだ! 一階層に戻っぞ! クローセ来い!」
最後の一匹を倒した俺は、副魔道師長をこらしめるのを後にして、溢れたゴブリンの討伐に戻るため、一階層に続く階段に走り始めた。
後ろで『おい君! お礼を言わせてくれ!』とか言ってるが今は無視して良いだろう。
クロセルはしまわず手に持ったまま、俺の横に来たクローセに飛び乗る。
「クローセ、頼む、大急ぎだ!」
「ちょっとちょっと! 私も行くからね! 置いてかないでよケント!」
走り出したクローセの横へ、一生懸命走って追い付いてきたアンラ。
走んの速いなアンラ……。
「クローセ、アンラも乗せてやってくれ、頼む」
「んにぁ~」
なんか『しかたないにゃ~』って声が聞こえてきそうだが、少し顔をアンラに向け、心なしか立派な髭が垂れ下がった気もするが、俺の言葉に返事をくれた。
「すまねえな、来いよアンラ、急ぐからよ」
「うん、お邪魔するねクローセ、ほいっと!」
ぴょ~んと飛び上がったと思ったら、なんでか俺の前に、俺の方を向いてトスンとクローセの背中に座りやがった。
「コラ、向きがおかしいだろ!」
「あっ、間違えちゃった、うんしょっと、これで良いでしょ?」
(あわわわ! ケントの顔を見ながら飛び乗ったら向きまで変わっちゃったじゃない! ま、まあ、火傷も怪我も無いようだし、一安心ね……あれ? 私がそこまでケントを心配してるの……)
モゾモゾと走るクローセの背中で向きを変え、見えてきた一階層に上れる階段への入口に飛び込んだ。
階段もとんとんとんと、数歩で上り終え、一階層に飛び出した。
「やっぱりまだいっぱいいるね~、でもこの列さあ、おかしいよね~」
階段から出たところには、二階層に行く前より減ってはいるが、まだうじゃうじゃと順番待ちをしているようにたむろしていた。
そしてそこからなぜか列になって、まっすぐ出口に向かって行進しているように見える。
「だよなぁ、行儀よく同じ方向に、並んではみ出しもせずに進んでんもんな、でもよ、やっつけやすくて良いじゃねえか」
階段から出たところで止まり、クローセの背の上から見てるんだが、このままクローセに走ってもらえばほとんど倒せそうだよな。
なんて思ってると、アンラは右手の親指と人差し指で丸を作り、顔の前に持ってくると、その丸を覗き込んでなんか唸ってる……。
「んにゅにゅにゅ~、あっ、コイツら私たちが出てきても全然気にしてないからおかしいと思ってたんだけど、操られてるわね」
「ん? それってどういう事だ?」
「クロセル~、あの魔道具出してくれない? そこに産み出された魔物の行動を縛る命令が刻んであるはずよ」
『なっ! 傀儡でしょうか!? それが本当ならゴブリンのこの行動にも納得できます』
俺が右手で持っている、クロセルを見て話しかけるアンラは、手のひらを上にして魔道具を出すのを待っている。
これに答え、魔道具がアンラの手のひらの上に姿を表した。
「んと、命令は~五種類よ、産み出される魔物はゴブリンだけで~、百五十匹が二階層へ、残り千匹がダンジョンの外へ、ん~、後この列もそうね」
「は? なんでそんな命令すんだ?」
アンラの肩越しに聞いてみると、こっちを向いた顔がまた目と前に。
「にゃ! こ、この魔道具に命令刻んだ人は几帳面なのね、そして最後は襲いかかる相手は騎士に制限されてるわ、まあ、目の前に邪魔者がいたら襲って来るだろうけどね」
(も、もう! 顔が近すぎよ! それに目を見すぎ! このままちゅってしちゃしそうじゃない! って私何ドキドキしちゃってるのよ!)
訳がわかんねえ、騎士に恨みでもあんのか?
アンラの赤い目を見詰めながら空いている左手で、綺麗な銀髪を手櫛で撫で付け考えてるんだか、正解は魔道具を仕掛けた奴にしか分からねえ。
「……ね、ねえケント、こ、この状態ならさ、とりあえず倒しちゃえば良いんじゃない?」
(普段の茶色い目も綺麗だけど、覚醒中の青い目も……って何考えてるのよ私! しっかりして私!)
あっ、前向いちまった。見すぎたか? ってかまた耳が赤くなってっし、おっ、首まで赤いぞ? 熱でもあんのか?
前を向いたアンラのおでこに手を回してみると、ちと熱い気もするが、ゴブリンをやっつけるまで我慢してもらうしかねえな。
「だな、外の壁はゴブリンにゃあ壊せそうにねえが、やっておいた方が良いだろう」
『いえ、どんどん押し寄せれば、壊すことはできませんが、乗り越えようとするでしょう、急いで倒してしまうか、その魔道具を壊すかですね』
おでこに手を当ててっと、ポスッと俺の胸にもたれてくるアンラ。
『……アンラ、あなたまさか』
もたれたままくねくねと俺に体をすり付けてくる、するといい匂いがするんだが……。
「ふにゅにゅ~♡ はっ! こ、壊せば目的がなくなっちゃうからバラバラに分かれちゃうし、倒すのなら面倒だよ! ね、ねえケントこのまま倒しちゃおうよ!」
「お、おう! そ、そうだよな! クローセ、すまねえが一度表まではね飛ばしながら走ってくれっか?」
なんか俺まで熱が出てきた気がすんぞ! 早いとこ倒しちまって、休むしかねえな。
最後の一匹を倒した俺は、副魔道師長をこらしめるのを後にして、溢れたゴブリンの討伐に戻るため、一階層に続く階段に走り始めた。
後ろで『おい君! お礼を言わせてくれ!』とか言ってるが今は無視して良いだろう。
クロセルはしまわず手に持ったまま、俺の横に来たクローセに飛び乗る。
「クローセ、頼む、大急ぎだ!」
「ちょっとちょっと! 私も行くからね! 置いてかないでよケント!」
走り出したクローセの横へ、一生懸命走って追い付いてきたアンラ。
走んの速いなアンラ……。
「クローセ、アンラも乗せてやってくれ、頼む」
「んにぁ~」
なんか『しかたないにゃ~』って声が聞こえてきそうだが、少し顔をアンラに向け、心なしか立派な髭が垂れ下がった気もするが、俺の言葉に返事をくれた。
「すまねえな、来いよアンラ、急ぐからよ」
「うん、お邪魔するねクローセ、ほいっと!」
ぴょ~んと飛び上がったと思ったら、なんでか俺の前に、俺の方を向いてトスンとクローセの背中に座りやがった。
「コラ、向きがおかしいだろ!」
「あっ、間違えちゃった、うんしょっと、これで良いでしょ?」
(あわわわ! ケントの顔を見ながら飛び乗ったら向きまで変わっちゃったじゃない! ま、まあ、火傷も怪我も無いようだし、一安心ね……あれ? 私がそこまでケントを心配してるの……)
モゾモゾと走るクローセの背中で向きを変え、見えてきた一階層に上れる階段への入口に飛び込んだ。
階段もとんとんとんと、数歩で上り終え、一階層に飛び出した。
「やっぱりまだいっぱいいるね~、でもこの列さあ、おかしいよね~」
階段から出たところには、二階層に行く前より減ってはいるが、まだうじゃうじゃと順番待ちをしているようにたむろしていた。
そしてそこからなぜか列になって、まっすぐ出口に向かって行進しているように見える。
「だよなぁ、行儀よく同じ方向に、並んではみ出しもせずに進んでんもんな、でもよ、やっつけやすくて良いじゃねえか」
階段から出たところで止まり、クローセの背の上から見てるんだが、このままクローセに走ってもらえばほとんど倒せそうだよな。
なんて思ってると、アンラは右手の親指と人差し指で丸を作り、顔の前に持ってくると、その丸を覗き込んでなんか唸ってる……。
「んにゅにゅにゅ~、あっ、コイツら私たちが出てきても全然気にしてないからおかしいと思ってたんだけど、操られてるわね」
「ん? それってどういう事だ?」
「クロセル~、あの魔道具出してくれない? そこに産み出された魔物の行動を縛る命令が刻んであるはずよ」
『なっ! 傀儡でしょうか!? それが本当ならゴブリンのこの行動にも納得できます』
俺が右手で持っている、クロセルを見て話しかけるアンラは、手のひらを上にして魔道具を出すのを待っている。
これに答え、魔道具がアンラの手のひらの上に姿を表した。
「んと、命令は~五種類よ、産み出される魔物はゴブリンだけで~、百五十匹が二階層へ、残り千匹がダンジョンの外へ、ん~、後この列もそうね」
「は? なんでそんな命令すんだ?」
アンラの肩越しに聞いてみると、こっちを向いた顔がまた目と前に。
「にゃ! こ、この魔道具に命令刻んだ人は几帳面なのね、そして最後は襲いかかる相手は騎士に制限されてるわ、まあ、目の前に邪魔者がいたら襲って来るだろうけどね」
(も、もう! 顔が近すぎよ! それに目を見すぎ! このままちゅってしちゃしそうじゃない! って私何ドキドキしちゃってるのよ!)
訳がわかんねえ、騎士に恨みでもあんのか?
アンラの赤い目を見詰めながら空いている左手で、綺麗な銀髪を手櫛で撫で付け考えてるんだか、正解は魔道具を仕掛けた奴にしか分からねえ。
「……ね、ねえケント、こ、この状態ならさ、とりあえず倒しちゃえば良いんじゃない?」
(普段の茶色い目も綺麗だけど、覚醒中の青い目も……って何考えてるのよ私! しっかりして私!)
あっ、前向いちまった。見すぎたか? ってかまた耳が赤くなってっし、おっ、首まで赤いぞ? 熱でもあんのか?
前を向いたアンラのおでこに手を回してみると、ちと熱い気もするが、ゴブリンをやっつけるまで我慢してもらうしかねえな。
「だな、外の壁はゴブリンにゃあ壊せそうにねえが、やっておいた方が良いだろう」
『いえ、どんどん押し寄せれば、壊すことはできませんが、乗り越えようとするでしょう、急いで倒してしまうか、その魔道具を壊すかですね』
おでこに手を当ててっと、ポスッと俺の胸にもたれてくるアンラ。
『……アンラ、あなたまさか』
もたれたままくねくねと俺に体をすり付けてくる、するといい匂いがするんだが……。
「ふにゅにゅ~♡ はっ! こ、壊せば目的がなくなっちゃうからバラバラに分かれちゃうし、倒すのなら面倒だよ! ね、ねえケントこのまま倒しちゃおうよ!」
「お、おう! そ、そうだよな! クローセ、すまねえが一度表まではね飛ばしながら走ってくれっか?」
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