俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】

いな@

文字の大きさ
73 / 149
第一章

第73話 何考えてんのよ私!

しおりを挟む
「よっしゃ! ここは終わりだ! 一階層に戻っぞ! クローセ来い!」

 最後の一匹を倒した俺は、副魔道師長をこらしめるのを後にして、溢れたゴブリンの討伐に戻るため、一階層に続く階段に走り始めた。

 後ろで『おい君! お礼を言わせてくれ!』とか言ってるが今は無視して良いだろう。

 クロセルはしまわず手に持ったまま、俺の横に来たクローセに飛び乗る。

「クローセ、頼む、大急ぎだ!」

「ちょっとちょっと! 私も行くからね! 置いてかないでよケント!」

 走り出したクローセの横へ、一生懸命走って追い付いてきたアンラ。

 走んの速いなアンラ……。

「クローセ、アンラも乗せてやってくれ、頼む」

「んにぁ~」

 なんか『しかたないにゃ~』って声が聞こえてきそうだが、少し顔をアンラに向け、心なしか立派な髭が垂れ下がった気もするが、俺の言葉に返事をくれた。

「すまねえな、来いよアンラ、急ぐからよ」

「うん、お邪魔するねクローセ、ほいっと!」

 ぴょ~んと飛び上がったと思ったら、なんでか俺の前に、俺の方を向いてトスンとクローセの背中に座りやがった。

「コラ、向きがおかしいだろ!」

「あっ、間違えちゃった、うんしょっと、これで良いでしょ?」

(あわわわ! ケントの顔を見ながら飛び乗ったら向きまで変わっちゃったじゃない! ま、まあ、火傷も怪我も無いようだし、一安心ね……あれ? 私がそこまでケントを心配してるの……)

 モゾモゾと走るクローセの背中で向きを変え、見えてきた一階層に上れる階段への入口に飛び込んだ。

 階段もとんとんとんと、数歩で上り終え、一階層に飛び出した。

「やっぱりまだいっぱいいるね~、でもこの列さあ、おかしいよね~」

 階段から出たところには、二階層に行く前より減ってはいるが、まだうじゃうじゃと順番待ちをしているようにたむろしていた。

 そしてそこからなぜか列になって、まっすぐ出口に向かって行進しているように見える。

「だよなぁ、行儀よく同じ方向に、並んではみ出しもせずに進んでんもんな、でもよ、やっつけやすくて良いじゃねえか」

 階段から出たところで止まり、クローセの背の上から見てるんだが、このままクローセに走ってもらえばほとんど倒せそうだよな。

 なんて思ってると、アンラは右手の親指と人差し指で丸を作り、顔の前に持ってくると、その丸を覗き込んでなんか唸ってる……。

「んにゅにゅにゅ~、あっ、コイツら私たちが出てきても全然気にしてないからおかしいと思ってたんだけど、操られてるわね」

「ん? それってどういう事だ?」

「クロセル~、あの魔道具出してくれない? そこに産み出された魔物の行動を縛る命令が刻んであるはずよ」

『なっ! 傀儡パペットでしょうか!? それが本当ならゴブリンのこの行動にも納得できます』

 俺が右手で持っている、クロセルを見て話しかけるアンラは、手のひらを上にして魔道具を出すのを待っている。

 これに答え、魔道具がアンラの手のひらの上に姿を表した。

「んと、命令は~五種類よ、産み出される魔物はゴブリンだけで~、百五十匹が二階層へ、残り千匹がダンジョンの外へ、ん~、後この列もそうね」

「は? なんでそんな命令すんだ?」

 アンラの肩越しに聞いてみると、こっちを向いた顔がまた目と前に。

「にゃ! こ、この魔道具に命令刻んだ人は几帳面なのね、そして最後は襲いかかる相手は騎士に制限されてるわ、まあ、目の前に邪魔者がいたら襲って来るだろうけどね」

(も、もう! 顔が近すぎよ! それに目を見すぎ! このままちゅってしちゃしそうじゃない! って私何ドキドキしちゃってるのよ!)

 訳がわかんねえ、騎士に恨みでもあんのか?

 アンラの赤い目を見詰めながら空いている左手で、綺麗な銀髪を手櫛で撫で付け考えてるんだか、正解は魔道具を仕掛けた奴にしか分からねえ。

「……ね、ねえケント、こ、この状態ならさ、とりあえず倒しちゃえば良いんじゃない?」

(普段の茶色い目も綺麗だけど、覚醒中の青い目も……って何考えてるのよ私! しっかりして私!)

 あっ、前向いちまった。見すぎたか? ってかまた耳が赤くなってっし、おっ、首まで赤いぞ? 熱でもあんのか?

 前を向いたアンラのおでこに手を回してみると、ちと熱い気もするが、ゴブリンをやっつけるまで我慢してもらうしかねえな。

「だな、外の壁はゴブリンにゃあ壊せそうにねえが、やっておいた方が良いだろう」

『いえ、どんどん押し寄せれば、壊すことはできませんが、乗り越えようとするでしょう、急いで倒してしまうか、その魔道具を壊すかですね』

 おでこに手を当ててっと、ポスッと俺の胸にもたれてくるアンラ。

『……アンラ、あなたまさか』

 もたれたままくねくねと俺に体をすり付けてくる、するといい匂いがするんだが……。

「ふにゅにゅ~♡ はっ! こ、壊せば目的がなくなっちゃうからバラバラに分かれちゃうし、倒すのなら面倒だよ! ね、ねえケントこのまま倒しちゃおうよ!」

「お、おう! そ、そうだよな! クローセ、すまねえが一度表まではね飛ばしながら走ってくれっか?」

 なんか俺まで熱が出てきた気がすんぞ! 早いとこ倒しちまって、休むしかねえな。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...