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ヒビキの奪還編
89話 ヒビキVS国王
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「え?」
全く予想もしていなかった人物からの質問を受け、ぽつりと間の抜けた声を漏らした国王が瞬きを繰り返すと共に声のした方へ視線を向ける。
唇を半開きにしたままサヤを視界の中に捉えると驚いたように目を見開いた。
思い起こしてみると、窓から飛び出したのはヒビキとユキヒラの二人だけ。
しかし、室内に居たのはヒビキとユキヒラとサヤの三人。
サヤが室内に取り残されていた事に気づいた国王が無表情を貫いたまま酷く動揺する。
口にしてしまった言葉の訂正を考えるものの、良い案が浮かばない。
言い訳を考えてみるもののサヤが目の前に迫ってきているため勢いに押されて一歩、二歩と足を引いているうちに壁に背中を打ち付ける。
行き止まりだ。
「ヒビキ君とそっくりだなとは思っていたけど、貴方はヒビキ君の父親なの?」
国王が後退を阻まれてもなお、足を進めたサヤが国王の懐に入り込み足を止めるとドンと音を立てて壁に手を押し当てた。
国王と視線を合わせるようにしてつま先立ちをしたサヤが真顔で問いかける。
サヤの表情から、その感情を読み取る事は出来ない。
単に好奇心で問いかけてきたのか、それとも国王とヒビキが親子関係である事実を思わぬ形で知る事になって戸惑っているのか。
「そうだけど」
戸惑いながらもサヤの問いかけに対して答えた国王が、助けを求めるために調査員を務めている青年に視線を向けた。
「やぁだ! 羨ましい光景じゃないのよ。でも逆なのよ逆。国王が壁ドンされてどうすんのよ!」
しかし、両頬に手の平を添えて体を動かす調査員は全くあてにはならず、一人ではしゃいでいる。
お腹いたいと言葉を続けた調査員がケタケタと声を上げて笑う。
突然上がった笑い声に驚いたのは国王や銀騎士達だけではない。
ヒビキが国王の息子である事実を確認する事に集中するあまり、周りが見えなくなっていたサヤがすぐ目と鼻の先にある国王の顔に気づき、あんぐりと口を開くと口元を手で押さえて勢いよく後退した。
「集中すると周りが見えなくなってしまうタイプか」
調査員の介入もあり、落ち着きを取り戻した国王が考えを漏らす。
「秘密を知られてしまったから野放しにしておく事が出来なくなってしまった。君はユキヒラの意思で自由自在に操る事の出来る危険人物にもなりうる存在だから。もしも、ヒビキが私の子供であるとユキヒラに知られるような事があれば、ヒビキの身に危険が及ぶ。ユキヒラの目的は私の暗殺。しかし、ユキヒラは以前第二王子であるヒビキの首を私に渡せば、どのような反応を示すだろうかと口にしていた。その考えを行動に移されたら私自身、何をしてしまうか分からない。身柄を拘束させて欲しい」
青白い表情を浮かべているサヤが首だけとなってしまったヒビキの姿を想像して身震いをする。
国王の言葉を受け入れて深く頷いた。
「ヒビキ君は私が魔界で見つけてユキヒラに行動を共にしたい子がいるとお願いをしたの。ヒビキ君を巻き込んだのは私だからユキヒラにヒビキ君の身元がばれて、首をはねられる事になる何て考えたくもない。ヒビキ君が首をはねられるくらいなら私は薄暗い牢屋で拘束されていた方がいい」
サヤも国王の意見に同意する。
「身柄を拘束させてもらうね。有り難う。ただし、牢屋には入れないから安心してよ。そうと決まれば早速、誰か彼女に部屋を貸してあげてよ」
近くに佇む女性銀騎士に視線を向けた国王が声をかける。
「はい、私の部屋へ案内します」
サヤのすぐ隣に佇んで状況を見守っていた女性騎士が一早く反応を示す。
右手を真っすぐ掲げると自分の部屋をサヤに貸すと申し出た。
「ありがとう」
穏やかな口調だった。女性騎士に向かってお礼を口にした国王を、まじまじと見つめていたサヤが驚き肩を揺らす。
「あ!」
何かに気づいたように握り拳を手の平の上に置くと国王を指差した。
「その柔らかくて明るい口調が誰かに似ているなと思っていたけど、やっと分かった。ユタカ君に似ているんだ。ボロボロの布切れを纏っていて髪もボサボサ。貴方とは正反対の身なりをしているけど雰囲気がそっくりなの!」
突然指先を向けられて驚いたのだろう。
唖然とする国王が瞬きを繰り返したまま首を傾げる素振りを見せる。
「明るい性格をしているのよ。一緒にいて楽しい子よ」
笑みを浮かべるサヤが尚も言葉を続けると、室内を囲むようにして佇んでいた銀騎士の一部がグフッと吹き出すようにして笑い出す。
みすぼらしい恰好をしたユタカと国王と結びつけていた騎士達が笑いをこらえようと、耳をふさいだり腹を抱えて息を止めてみたりともがいている。
「そっか。一緒に居て楽しいと思ってくれていたのなら良かった」
騎士達の反応を唇を半開きにしたまま眺めていた国王が困ったように眉尻を下げると、女性騎士に連れられて部屋を出ようとしていたサヤに向かって声をかける。
「え?」
あんぐりと口を開き、背後を振り向いたサヤが国王の姿を捉える。
聞き間違えをした可能性がある。
無邪気に声をかけてくれるユタカを勝手に年下だと思い込んでいた。
年下だと思っていたから、ユタカ君と呼んでいた。
どのようにユタカ君に接していたのか過去の自分の行動を必死に思い起こそうとしているサヤは顔面蒼白である。
「ユタカ君と国王が同一人物? 私の聞き間違えよね。だって身長が全く違うから。でも、靴を脱ぐとユタカ君と似たような身長になるのかも。ユタカ君が国王とは知らずに行動を共にしていたけど、私は何か失礼な事しちゃったかな?」
混乱するサヤが考えを全て口にする。
そんなサヤの姿を見て、苦笑する国王の表情の変化を目の当たりにしたサヤが唖然とする。
私もサヤちゃんと一緒に少しの間だったけど行動を共にする事が出来て楽しかったと、言葉を続けた国王の気持ちを耳にしてサヤの中でユタカと国王が同一人物であると結びつけられた。
激しく戸惑い隣に佇んでいる女性騎士の腕を掴みとって引き寄せたサヤは、混乱する頭で必死に過去を振り返る。
「国王と行動を共にしていた時の事は知らないけど、つい先ほど国王を壁際に追い詰めて壁にドンと手を当てていたのは見たよ。後、国王を指差していたね」
突然の問いかけに対して、ぽかーんとした表情を浮かべた女性騎士が表情を歪めたかと思うと苦笑する。
考える素振りを見せた後に、実際に目の当たりにした光景を口にすると瞬く間にサヤの顔から血の気が引いた。
急に顔面蒼白となったサヤに対して疑問を抱いた国王が調査員に視線を向ける。
サヤと女性騎士の会話は話し声が小さいため、少し離れた位置にいる国王には聞こえていなかった。
種族が妖精と魔族のハーフである調査員には聞こえていただろうと考えて視線を向けたのだけれども、国王が口を開くよりも先に室内に侵入者が現れた。
サヤを国王や騎士達のいる城の中に一人、取り残してしまった事に気づいたヒビキが飛行術を発動して戻って来た。
窓枠に足をかけ室内に侵入しようとしたヒビキが、銀騎士に連れられて今にも部屋を抜け出そうとしているサヤを視界に入れる。
「サヤを何処に連れて行く気ですか?」
震える指先をサヤに向けて国王に問いかける。
サヤを部屋に案内するだけで悪いようにはしない事を素直に伝えればいいものを、ヒビキの問いかけに返事をすること無く国王が出現させた武器をヒビキに向けたものだから事態は悪化する。
「サヤを返してもらいます」
国王に武器を向けられて戸惑いを隠せずにいるヒビキが真っ赤な炎を纏った剣を出現させた。
「やめっ」
サヤが国王の服を掴もうと手を伸ばしたけれど、柔らかい生地はサヤの指と指の間をすり抜ける。
右足を軸にして体を一回転させた国王が二つの剣を横一線に振るうと、ヒビキに向かって氷の刃が放たれた。
窓枠を蹴り後退したヒビキが炎をまとった剣を振るうことにより氷で出来た刃は蒸発する。
ヒビキを追うようにして窓枠に足をかけた国王が建物の中から飛び出した。
「わぁ、国王を城内から引きずり出したねぇ」
窓枠に足をかけて体を浮かしていたヒビキが大きく後退したと思った途端、国王が城内を飛び出す姿を確認したユキヒラの表情が瞬く間に明るくなる。
ヒビキが真っ赤な剣を国王に向けて突き出すようにして手を伸ばす。何やら小声で呪文を唱えると剣は音を立てる事なく真っ赤な粒子へと変化する。
指先を伸ばして真っ直ぐ前に伸ばしていた腕を左から右へスライドさせると、ヒビキの体を包み込むようにして巨大な炎の渦が出現した。
赤とオレンジ色の二色から成り立つ炎は無音。
大人しくヒビキの様子を眺めていたユキヒラが目を輝かせる。
手にしていた剣を炎に変えたヒビキが再び頭の中で武器の出現を唱えると、今度は青色の炎に包まれた刀が出現をした。
刀を囲むようにして、ぐるぐると青色の炎が渦巻いている。
刃先から柄へ向かって、ぐるぐると回る炎は青白い光を放ち時折、直視する事が出来ないほどの目映い光を放つ。
ヒビキの足元に現れた青色の魔法陣は体を身軽にする敏捷性を高める効果があった。
刀の出現と共に現れた白を基調とした衣はヒビキの体を包みこむ。
足首まであるしなやかな白色のドレスには高級感を思わせる細かな金色に光る刺繍が施されている。
膝下まである長い黒色の上着を羽織るヒビキは空中に体を浮かしていた。
ヒビキは父であるユタカの血を濃く継いでいた。
そのため、ゆくゆくは自分とよく似た戦い方をするようになるだろうと予想はしていたものの、こんなに早く覚醒をしてしまうとは思ってもいなかった。
放出系の魔法を使えるようになったと言っていたけれども、まさかこれほどとは。
ヒビキの体を包み込むようにして出現した巨大な炎の渦は、妖精王の入れ知恵か。
どうやって出現させているのだろうかと、炎の渦を指さして問いかけるわけにもいかずに国王はヒビキが武器を構える前に呪文を唱えると右下から左上へ、左手で握りしめている剣を振り上げた。
すると剣を纏っていた氷の粒がヒビキに向かって放たれる。
突然の攻撃に驚き、慌てて武器を構えたヒビキが右下から左上へ刀を横一線に振り払い体を回転させる。右上から垂直に刀を下ろすと手首を使って刀を回転させる。
瞬きをしている間もなく次から次へと迫り来る氷の粒を高速で刀を動かす事により四方八方に弾き返したヒビキの行動により、周囲で交戦していた妖精や騎士団が巻き添えを受ける事になる。
迫り来る氷の粒の軌道を剣を使って逸らしていくユキヒラもまた、呑気に国王とヒビキの戦いを見物している場合では無くなった。
くるんと体を回転させた国王が左手で握りしめている剣を横一閃に振り払うと、今度は左手でしっかりと握りしめていた剣の周囲を高速移動していた氷の粒が放たれる。
粒は無数の刃に変化。
国王の視線の先でヒビキが白を基調とした狐面を素早く取り付ける。
悠長なものだなと狐面を取り付けているだけの余裕を見せるヒビキの行動に対して呆れていた国王は、狐面を取り付けたヒビキの行動の変化に驚くと共に考えを改める事になる。
氷の刃がヒビキに向かっているはずなのに、一体何を考えているのやらヒビキは国王と接近戦を挑むために飛行を開始した。
ヒビキが迫り来る氷の刃を避けるために体を右へ回転させる所までは見えた。
狐面はヒビキの移動速度を大幅に上げるアイテムであり、飛行術を手に入れたヒビキの移動速度が著しく上がると目で追えなくなってしまう。
国王の放った刀は一つもヒビキの体を捕らえる事無く、気づいた時にはヒビキに背後を取られていた。
振り向きはしたものの、防御が間に合わずにヒビキの振り下ろした刀を受ける形となった国王の体は重力に従って地面に打ち付けられる。
一つの建物を破壊すると共に、地面に叩きつけられる直前に防御壁を張る事に成功していた国王は恐怖心から身震いをする。
国王の手にしている剣に自分の刀を打ち付けたヒビキの機転により体が真っ二つになることは無かったけれども、少しでも軌道がそれていれば命は無かった。
地べたに力無く腰を下ろしている国王と入れ替わるようにして、クリーム色の髪に薄い水色の瞳をもつ青年が空へと飛び立った。
一体いつの間に人間界へ足を踏み入れていたのか、混乱に乗じて城を抜け出していた鬼灯が唱えた幻術魔法が発動する。
地べたに腰を下ろして、力無くため息を吐き出していた国王が、ゆっくりと腰を上げる。国王の視線の先には古びた小屋が佇んでいる。
武器や防具を保管している建物は、室内に足を踏み入れると一歩足を踏み出すごとにギシッギシッと不気味な音を立てた。
普段は部屋の中央に設置されているテーブルや組立式の椅子は全て壁側に移されており、部屋の中央に佇む青年の足元には真っ赤に光る巨大な魔法陣が出現しては消えるを繰り返す。
床に杖を打ち付けると、魔法陣は赤から水色に変化する。
右手を伸ばして指先を蜘蛛の巣が張り巡らされている窓に向かって伸ばした青年の合図と共に、上空でヒビキと共に戦っていた国王の幻術魔法が変化する。
てっきり姿形ばかりを真似るだけの幻術だと思っていれば、先ほど国王が使って見せた氷属性の魔法。氷の粒がヒビキに向かって放たれた。
武器を構えたヒビキが右下から左上へ、刀を横一線に振り払い、体を回転させる。右上から垂直に刀を下ろすと手首を使って刀を回転させる。
瞬きをしている間もなく次から次へと迫り来る氷の粒を高速で刀を動かす事により四方八方に弾き返したヒビキの行動により、周囲で交戦していた妖精や魔族や騎士団が先ほどと同様に巻き添えを受ける事になる。
先ほどと全く同じ動きをする銀騎士や妖精は降り注ぐ氷の粒の軌道にそって武器を動かしていく。
ユキヒラの前にはアイリスが割り込んで、短刀を片手に先ほどユキヒラが氷を弾いた剣の動きを真似ていく。
氷が剣に当たるとカンと音を立てはするものの、それは鬼灯が音も再現しているわけで安全な場所から、その光景を眺めていた国王が感心する。
「音まで再現をするのか。我が息子の側に欲しい逸材だな」
「息子の側にとは時期、国王候補である第二王子の側にと言う意味ですか?」
もしも国王が言う息子が第二王子であるならば、申し出は有難い事ではあるけれども、周囲からの評判が良くない人物に仕えるのは正直嫌だ。
国民から人気があるのは第一王子である白髪に、うっすらと赤色がかった瞳が印象的なタツウミ様。選ぶ権利はないだろうれど、自ら守りたいと思える人物に仕えたいって気持ちはある。
「そうだが嫌か?」
ヒビキが第二王子であることを知らない鬼灯の反応は余り良いものでは無かった。
口ごもってしまった鬼灯に国王がさらに問いかける。
「仕えるのなら、タツウミにとでも思っているのか?」
国民の希望は第一王子であるタツウミが国王になることである。
素直に仕えるのであれば第一王子がいいと答えることは出来ない鬼灯が動揺から目蓋を震わせる。
「鬼灯君を余り虐めないでくれないか?」
国王と鬼灯の背後で大人しく会話を耳にしていたアリアスが口を挟んだ。
暗黒騎士団No.2という立場にいながら、人間界と魔界の友好関係を築くために銀騎士団に潜入していたアリアスは小刻みに肩を震わせる。
鬼灯はヒビキが第二王子であることを知らないのだからとは言えずに、苦笑するアリアスの助け船を受けて鬼灯は安堵する。
防御壁を張りながら空中に浮かんだ国王の幻影が、放たれた炎の塊を1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つと二つの剣で真っ二つに切り裂いていく。
くるんと体を横に一回転させて7つ、8つ、9つと炎の塊を切り裂くと隙を見て右手の剣を粒子に変える。左から右へ右手をスライドさせると、瞬く間に国王の幻影の目の前に沢山の氷の刃が出現する。
握りしめていた手を開き、人差し指を勢いよくヒビキに向ける合図と共に氷の刃が放たれた。
ヒビキは攻撃を刀を振るって薙ぎ払うと、勢いのままに跳ね返す。
右へ左へ、体を移動させることにより跳ね返された攻撃魔法を避けていた国王の背後に、こっそりと息を潜めて移動していた人物がいた。
薄い緑色の髪の毛に緑色の瞳が印象的な、あどけない顔立ちの少女アイリスである。
国王の体を背後から拘束するようにして両腕を絡めたアイリスが腕に力を込め始める。
妖精の力は魔族よりも強く種族が人間であるユタカの体重であれば片手で持ち上げられるほどの力を持つ。
それは、まだ幼いアイリスにも言えることで、アイリスが腕に力を込めれば国王の骨はギシギシと不気味な音を立てる。
骨が強引に動かされて痛みに耐えながらも、抵抗を示す国王の姿をヒビキは表情を変えること無く呆然と眺めていた。
しかし、内心は穏やかではないヒビキが冷や汗を流す。
アイリスの腕は、どれだけ力を込めても離れない。
ギシギシと音を立てていた骨が限界をむかえてボキッと鈍い音を立てる。ヒビキが動揺を表情に表した。
冷や汗までも幻術魔法で再現をした鬼灯が杖を持ち上げて、その先端を国王の幻術魔法に向けると杖の先から真っ赤な光の粒子が放出される。
何やら呪文を唱えた鬼灯の視線の先で、必死にアイリスの腕を取り払おうと抵抗を示していた国王が弱っていく。
全く予想もしていなかった人物からの質問を受け、ぽつりと間の抜けた声を漏らした国王が瞬きを繰り返すと共に声のした方へ視線を向ける。
唇を半開きにしたままサヤを視界の中に捉えると驚いたように目を見開いた。
思い起こしてみると、窓から飛び出したのはヒビキとユキヒラの二人だけ。
しかし、室内に居たのはヒビキとユキヒラとサヤの三人。
サヤが室内に取り残されていた事に気づいた国王が無表情を貫いたまま酷く動揺する。
口にしてしまった言葉の訂正を考えるものの、良い案が浮かばない。
言い訳を考えてみるもののサヤが目の前に迫ってきているため勢いに押されて一歩、二歩と足を引いているうちに壁に背中を打ち付ける。
行き止まりだ。
「ヒビキ君とそっくりだなとは思っていたけど、貴方はヒビキ君の父親なの?」
国王が後退を阻まれてもなお、足を進めたサヤが国王の懐に入り込み足を止めるとドンと音を立てて壁に手を押し当てた。
国王と視線を合わせるようにしてつま先立ちをしたサヤが真顔で問いかける。
サヤの表情から、その感情を読み取る事は出来ない。
単に好奇心で問いかけてきたのか、それとも国王とヒビキが親子関係である事実を思わぬ形で知る事になって戸惑っているのか。
「そうだけど」
戸惑いながらもサヤの問いかけに対して答えた国王が、助けを求めるために調査員を務めている青年に視線を向けた。
「やぁだ! 羨ましい光景じゃないのよ。でも逆なのよ逆。国王が壁ドンされてどうすんのよ!」
しかし、両頬に手の平を添えて体を動かす調査員は全くあてにはならず、一人ではしゃいでいる。
お腹いたいと言葉を続けた調査員がケタケタと声を上げて笑う。
突然上がった笑い声に驚いたのは国王や銀騎士達だけではない。
ヒビキが国王の息子である事実を確認する事に集中するあまり、周りが見えなくなっていたサヤがすぐ目と鼻の先にある国王の顔に気づき、あんぐりと口を開くと口元を手で押さえて勢いよく後退した。
「集中すると周りが見えなくなってしまうタイプか」
調査員の介入もあり、落ち着きを取り戻した国王が考えを漏らす。
「秘密を知られてしまったから野放しにしておく事が出来なくなってしまった。君はユキヒラの意思で自由自在に操る事の出来る危険人物にもなりうる存在だから。もしも、ヒビキが私の子供であるとユキヒラに知られるような事があれば、ヒビキの身に危険が及ぶ。ユキヒラの目的は私の暗殺。しかし、ユキヒラは以前第二王子であるヒビキの首を私に渡せば、どのような反応を示すだろうかと口にしていた。その考えを行動に移されたら私自身、何をしてしまうか分からない。身柄を拘束させて欲しい」
青白い表情を浮かべているサヤが首だけとなってしまったヒビキの姿を想像して身震いをする。
国王の言葉を受け入れて深く頷いた。
「ヒビキ君は私が魔界で見つけてユキヒラに行動を共にしたい子がいるとお願いをしたの。ヒビキ君を巻き込んだのは私だからユキヒラにヒビキ君の身元がばれて、首をはねられる事になる何て考えたくもない。ヒビキ君が首をはねられるくらいなら私は薄暗い牢屋で拘束されていた方がいい」
サヤも国王の意見に同意する。
「身柄を拘束させてもらうね。有り難う。ただし、牢屋には入れないから安心してよ。そうと決まれば早速、誰か彼女に部屋を貸してあげてよ」
近くに佇む女性銀騎士に視線を向けた国王が声をかける。
「はい、私の部屋へ案内します」
サヤのすぐ隣に佇んで状況を見守っていた女性騎士が一早く反応を示す。
右手を真っすぐ掲げると自分の部屋をサヤに貸すと申し出た。
「ありがとう」
穏やかな口調だった。女性騎士に向かってお礼を口にした国王を、まじまじと見つめていたサヤが驚き肩を揺らす。
「あ!」
何かに気づいたように握り拳を手の平の上に置くと国王を指差した。
「その柔らかくて明るい口調が誰かに似ているなと思っていたけど、やっと分かった。ユタカ君に似ているんだ。ボロボロの布切れを纏っていて髪もボサボサ。貴方とは正反対の身なりをしているけど雰囲気がそっくりなの!」
突然指先を向けられて驚いたのだろう。
唖然とする国王が瞬きを繰り返したまま首を傾げる素振りを見せる。
「明るい性格をしているのよ。一緒にいて楽しい子よ」
笑みを浮かべるサヤが尚も言葉を続けると、室内を囲むようにして佇んでいた銀騎士の一部がグフッと吹き出すようにして笑い出す。
みすぼらしい恰好をしたユタカと国王と結びつけていた騎士達が笑いをこらえようと、耳をふさいだり腹を抱えて息を止めてみたりともがいている。
「そっか。一緒に居て楽しいと思ってくれていたのなら良かった」
騎士達の反応を唇を半開きにしたまま眺めていた国王が困ったように眉尻を下げると、女性騎士に連れられて部屋を出ようとしていたサヤに向かって声をかける。
「え?」
あんぐりと口を開き、背後を振り向いたサヤが国王の姿を捉える。
聞き間違えをした可能性がある。
無邪気に声をかけてくれるユタカを勝手に年下だと思い込んでいた。
年下だと思っていたから、ユタカ君と呼んでいた。
どのようにユタカ君に接していたのか過去の自分の行動を必死に思い起こそうとしているサヤは顔面蒼白である。
「ユタカ君と国王が同一人物? 私の聞き間違えよね。だって身長が全く違うから。でも、靴を脱ぐとユタカ君と似たような身長になるのかも。ユタカ君が国王とは知らずに行動を共にしていたけど、私は何か失礼な事しちゃったかな?」
混乱するサヤが考えを全て口にする。
そんなサヤの姿を見て、苦笑する国王の表情の変化を目の当たりにしたサヤが唖然とする。
私もサヤちゃんと一緒に少しの間だったけど行動を共にする事が出来て楽しかったと、言葉を続けた国王の気持ちを耳にしてサヤの中でユタカと国王が同一人物であると結びつけられた。
激しく戸惑い隣に佇んでいる女性騎士の腕を掴みとって引き寄せたサヤは、混乱する頭で必死に過去を振り返る。
「国王と行動を共にしていた時の事は知らないけど、つい先ほど国王を壁際に追い詰めて壁にドンと手を当てていたのは見たよ。後、国王を指差していたね」
突然の問いかけに対して、ぽかーんとした表情を浮かべた女性騎士が表情を歪めたかと思うと苦笑する。
考える素振りを見せた後に、実際に目の当たりにした光景を口にすると瞬く間にサヤの顔から血の気が引いた。
急に顔面蒼白となったサヤに対して疑問を抱いた国王が調査員に視線を向ける。
サヤと女性騎士の会話は話し声が小さいため、少し離れた位置にいる国王には聞こえていなかった。
種族が妖精と魔族のハーフである調査員には聞こえていただろうと考えて視線を向けたのだけれども、国王が口を開くよりも先に室内に侵入者が現れた。
サヤを国王や騎士達のいる城の中に一人、取り残してしまった事に気づいたヒビキが飛行術を発動して戻って来た。
窓枠に足をかけ室内に侵入しようとしたヒビキが、銀騎士に連れられて今にも部屋を抜け出そうとしているサヤを視界に入れる。
「サヤを何処に連れて行く気ですか?」
震える指先をサヤに向けて国王に問いかける。
サヤを部屋に案内するだけで悪いようにはしない事を素直に伝えればいいものを、ヒビキの問いかけに返事をすること無く国王が出現させた武器をヒビキに向けたものだから事態は悪化する。
「サヤを返してもらいます」
国王に武器を向けられて戸惑いを隠せずにいるヒビキが真っ赤な炎を纏った剣を出現させた。
「やめっ」
サヤが国王の服を掴もうと手を伸ばしたけれど、柔らかい生地はサヤの指と指の間をすり抜ける。
右足を軸にして体を一回転させた国王が二つの剣を横一線に振るうと、ヒビキに向かって氷の刃が放たれた。
窓枠を蹴り後退したヒビキが炎をまとった剣を振るうことにより氷で出来た刃は蒸発する。
ヒビキを追うようにして窓枠に足をかけた国王が建物の中から飛び出した。
「わぁ、国王を城内から引きずり出したねぇ」
窓枠に足をかけて体を浮かしていたヒビキが大きく後退したと思った途端、国王が城内を飛び出す姿を確認したユキヒラの表情が瞬く間に明るくなる。
ヒビキが真っ赤な剣を国王に向けて突き出すようにして手を伸ばす。何やら小声で呪文を唱えると剣は音を立てる事なく真っ赤な粒子へと変化する。
指先を伸ばして真っ直ぐ前に伸ばしていた腕を左から右へスライドさせると、ヒビキの体を包み込むようにして巨大な炎の渦が出現した。
赤とオレンジ色の二色から成り立つ炎は無音。
大人しくヒビキの様子を眺めていたユキヒラが目を輝かせる。
手にしていた剣を炎に変えたヒビキが再び頭の中で武器の出現を唱えると、今度は青色の炎に包まれた刀が出現をした。
刀を囲むようにして、ぐるぐると青色の炎が渦巻いている。
刃先から柄へ向かって、ぐるぐると回る炎は青白い光を放ち時折、直視する事が出来ないほどの目映い光を放つ。
ヒビキの足元に現れた青色の魔法陣は体を身軽にする敏捷性を高める効果があった。
刀の出現と共に現れた白を基調とした衣はヒビキの体を包みこむ。
足首まであるしなやかな白色のドレスには高級感を思わせる細かな金色に光る刺繍が施されている。
膝下まである長い黒色の上着を羽織るヒビキは空中に体を浮かしていた。
ヒビキは父であるユタカの血を濃く継いでいた。
そのため、ゆくゆくは自分とよく似た戦い方をするようになるだろうと予想はしていたものの、こんなに早く覚醒をしてしまうとは思ってもいなかった。
放出系の魔法を使えるようになったと言っていたけれども、まさかこれほどとは。
ヒビキの体を包み込むようにして出現した巨大な炎の渦は、妖精王の入れ知恵か。
どうやって出現させているのだろうかと、炎の渦を指さして問いかけるわけにもいかずに国王はヒビキが武器を構える前に呪文を唱えると右下から左上へ、左手で握りしめている剣を振り上げた。
すると剣を纏っていた氷の粒がヒビキに向かって放たれる。
突然の攻撃に驚き、慌てて武器を構えたヒビキが右下から左上へ刀を横一線に振り払い体を回転させる。右上から垂直に刀を下ろすと手首を使って刀を回転させる。
瞬きをしている間もなく次から次へと迫り来る氷の粒を高速で刀を動かす事により四方八方に弾き返したヒビキの行動により、周囲で交戦していた妖精や騎士団が巻き添えを受ける事になる。
迫り来る氷の粒の軌道を剣を使って逸らしていくユキヒラもまた、呑気に国王とヒビキの戦いを見物している場合では無くなった。
くるんと体を回転させた国王が左手で握りしめている剣を横一閃に振り払うと、今度は左手でしっかりと握りしめていた剣の周囲を高速移動していた氷の粒が放たれる。
粒は無数の刃に変化。
国王の視線の先でヒビキが白を基調とした狐面を素早く取り付ける。
悠長なものだなと狐面を取り付けているだけの余裕を見せるヒビキの行動に対して呆れていた国王は、狐面を取り付けたヒビキの行動の変化に驚くと共に考えを改める事になる。
氷の刃がヒビキに向かっているはずなのに、一体何を考えているのやらヒビキは国王と接近戦を挑むために飛行を開始した。
ヒビキが迫り来る氷の刃を避けるために体を右へ回転させる所までは見えた。
狐面はヒビキの移動速度を大幅に上げるアイテムであり、飛行術を手に入れたヒビキの移動速度が著しく上がると目で追えなくなってしまう。
国王の放った刀は一つもヒビキの体を捕らえる事無く、気づいた時にはヒビキに背後を取られていた。
振り向きはしたものの、防御が間に合わずにヒビキの振り下ろした刀を受ける形となった国王の体は重力に従って地面に打ち付けられる。
一つの建物を破壊すると共に、地面に叩きつけられる直前に防御壁を張る事に成功していた国王は恐怖心から身震いをする。
国王の手にしている剣に自分の刀を打ち付けたヒビキの機転により体が真っ二つになることは無かったけれども、少しでも軌道がそれていれば命は無かった。
地べたに力無く腰を下ろしている国王と入れ替わるようにして、クリーム色の髪に薄い水色の瞳をもつ青年が空へと飛び立った。
一体いつの間に人間界へ足を踏み入れていたのか、混乱に乗じて城を抜け出していた鬼灯が唱えた幻術魔法が発動する。
地べたに腰を下ろして、力無くため息を吐き出していた国王が、ゆっくりと腰を上げる。国王の視線の先には古びた小屋が佇んでいる。
武器や防具を保管している建物は、室内に足を踏み入れると一歩足を踏み出すごとにギシッギシッと不気味な音を立てた。
普段は部屋の中央に設置されているテーブルや組立式の椅子は全て壁側に移されており、部屋の中央に佇む青年の足元には真っ赤に光る巨大な魔法陣が出現しては消えるを繰り返す。
床に杖を打ち付けると、魔法陣は赤から水色に変化する。
右手を伸ばして指先を蜘蛛の巣が張り巡らされている窓に向かって伸ばした青年の合図と共に、上空でヒビキと共に戦っていた国王の幻術魔法が変化する。
てっきり姿形ばかりを真似るだけの幻術だと思っていれば、先ほど国王が使って見せた氷属性の魔法。氷の粒がヒビキに向かって放たれた。
武器を構えたヒビキが右下から左上へ、刀を横一線に振り払い、体を回転させる。右上から垂直に刀を下ろすと手首を使って刀を回転させる。
瞬きをしている間もなく次から次へと迫り来る氷の粒を高速で刀を動かす事により四方八方に弾き返したヒビキの行動により、周囲で交戦していた妖精や魔族や騎士団が先ほどと同様に巻き添えを受ける事になる。
先ほどと全く同じ動きをする銀騎士や妖精は降り注ぐ氷の粒の軌道にそって武器を動かしていく。
ユキヒラの前にはアイリスが割り込んで、短刀を片手に先ほどユキヒラが氷を弾いた剣の動きを真似ていく。
氷が剣に当たるとカンと音を立てはするものの、それは鬼灯が音も再現しているわけで安全な場所から、その光景を眺めていた国王が感心する。
「音まで再現をするのか。我が息子の側に欲しい逸材だな」
「息子の側にとは時期、国王候補である第二王子の側にと言う意味ですか?」
もしも国王が言う息子が第二王子であるならば、申し出は有難い事ではあるけれども、周囲からの評判が良くない人物に仕えるのは正直嫌だ。
国民から人気があるのは第一王子である白髪に、うっすらと赤色がかった瞳が印象的なタツウミ様。選ぶ権利はないだろうれど、自ら守りたいと思える人物に仕えたいって気持ちはある。
「そうだが嫌か?」
ヒビキが第二王子であることを知らない鬼灯の反応は余り良いものでは無かった。
口ごもってしまった鬼灯に国王がさらに問いかける。
「仕えるのなら、タツウミにとでも思っているのか?」
国民の希望は第一王子であるタツウミが国王になることである。
素直に仕えるのであれば第一王子がいいと答えることは出来ない鬼灯が動揺から目蓋を震わせる。
「鬼灯君を余り虐めないでくれないか?」
国王と鬼灯の背後で大人しく会話を耳にしていたアリアスが口を挟んだ。
暗黒騎士団No.2という立場にいながら、人間界と魔界の友好関係を築くために銀騎士団に潜入していたアリアスは小刻みに肩を震わせる。
鬼灯はヒビキが第二王子であることを知らないのだからとは言えずに、苦笑するアリアスの助け船を受けて鬼灯は安堵する。
防御壁を張りながら空中に浮かんだ国王の幻影が、放たれた炎の塊を1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つと二つの剣で真っ二つに切り裂いていく。
くるんと体を横に一回転させて7つ、8つ、9つと炎の塊を切り裂くと隙を見て右手の剣を粒子に変える。左から右へ右手をスライドさせると、瞬く間に国王の幻影の目の前に沢山の氷の刃が出現する。
握りしめていた手を開き、人差し指を勢いよくヒビキに向ける合図と共に氷の刃が放たれた。
ヒビキは攻撃を刀を振るって薙ぎ払うと、勢いのままに跳ね返す。
右へ左へ、体を移動させることにより跳ね返された攻撃魔法を避けていた国王の背後に、こっそりと息を潜めて移動していた人物がいた。
薄い緑色の髪の毛に緑色の瞳が印象的な、あどけない顔立ちの少女アイリスである。
国王の体を背後から拘束するようにして両腕を絡めたアイリスが腕に力を込め始める。
妖精の力は魔族よりも強く種族が人間であるユタカの体重であれば片手で持ち上げられるほどの力を持つ。
それは、まだ幼いアイリスにも言えることで、アイリスが腕に力を込めれば国王の骨はギシギシと不気味な音を立てる。
骨が強引に動かされて痛みに耐えながらも、抵抗を示す国王の姿をヒビキは表情を変えること無く呆然と眺めていた。
しかし、内心は穏やかではないヒビキが冷や汗を流す。
アイリスの腕は、どれだけ力を込めても離れない。
ギシギシと音を立てていた骨が限界をむかえてボキッと鈍い音を立てる。ヒビキが動揺を表情に表した。
冷や汗までも幻術魔法で再現をした鬼灯が杖を持ち上げて、その先端を国王の幻術魔法に向けると杖の先から真っ赤な光の粒子が放出される。
何やら呪文を唱えた鬼灯の視線の先で、必死にアイリスの腕を取り払おうと抵抗を示していた国王が弱っていく。
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