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第3章
第43話
しおりを挟む屋敷に戻り、母さんにお菓子を食べようと言われたが流石に少し疲れていたので断って自室に戻った。
部屋着に着替えてベットにダイブする。
(あぁ、落ち着く…。前世でもあったけど
、旅行から我が家に帰ってくると溢れるこの安心感はなんなんだろう…。)
そのまま俺は深い眠りについた。
(ん…やばい結構寝ちゃったな…)
起きて外を見ると、少し暗くなっていた。
だが、よく見るとそこは自分の部屋とは異なり昔の日本の寝殿造のような部屋にいた。部屋はあまり正式な造りに忠実に作ったわけではないようだが、明らかにそれに似ていた。
大きい部屋の入り口には簾がかけられ、そこから見える中庭には人口の池や川の流れが作られ、紅葉の葉が咲き誇っていた。
「…ん?!どこだここ?!」
慌てて上半身を起こし、周りを確認する。やはり知らない場所だった。
「疲れてるな…ゆ、夢かな…?」
そこである事に気付いた。寝ているベットの真ん中がやけに膨らんでいたのだ。
というか足に何やら柔らかい感触が…。
「ま、まさか…これはアニメでよくあるやつじゃ…」
そう思い一気に掛け布団をめくると、俺の足元に抱きつきながら丸まっている紅葉がいた。しかも白い無地の浴衣は肩がはだけ、豊満な胸が見えていた。
「ちょっ!紅葉起きて!ていうかここどこ?!」
「……ぅん…?はっ、レイに夜這いせねば!」
「しなくていい!まだ子供だから性欲もない!!」
「なら抱きつくくらいさせるのじゃ~。」
そう言ってにじり寄り、また頰をすり寄せてきた。
いつもは落ち着く匂いがするのだが、今回は少しお酒臭かった。
「うっ…!お前お酒飲んだな…?」
「ぇえ?飲んでおらんぞぉ?」
(ダメだ、完全に酔っ払ってる。)
もう諦めて好きにさせる事にした。
「…ここどこなの?」
「そうじゃなぁ…。レイがくれたあなざーわーるどとやらじゃ!」
(いや、あげた覚えはないんだけど…)
「ってまじで?!ここが?何にもなかったのに何でこんなでかい家が?!」
「わらわがさっきから作っておっただろう~。レイとの【あ・い・の・す】じゃ!」
「あ、愛の巣って…だから丸太切ってたのね。」
「さぁ、いつ子を作るんじゃ~?」
「まだ早いです!ダメだからな!それが許されるのは少女漫画のエンディングとアニメ内ですでに成立しているカップル限定だ!」
「なんの事じゃ~?」
「とにかく戻らないと!早く扉あけさせて!エ○サに会って雪だるま作らないと!」
「わらわの扉はいつでも準備万端じゃぞ~?」
「ひ、卑猥っ!」
すると部屋の入り口に異空間の扉が現れ、ロゼッタが入ってきた。手にはごっつい武器が握られている。確か、ドラ○エとかで見た棒の先に鎖があり、鎖の先端に棘のついた鉄球があるモーニング・スターとかいうやつだ。
「やっと見つけました…。どうりで屋敷にいないわけです。エレナ様からお酒をもらいたらふく飲んで消えたと思ったらこんな所に…。」
「ちょっ!俺はなんもしてない!ほんと部屋で寝てたらここに!」
「ではその服はなんですか…?」
「服…?はっ!」
俺の部屋着は紅葉によってボタンが外されており、少しはだけていた。
「違うこれは…!」
そう言うとロゼッタはニコリと笑った。目は全く笑っていなかったが。
「そうですか…。なら、お仕置きですね。」
「ちょっ、まっ!ぎぃやぁぁぁぁあああ…」
寝殿にゲームで雑魚キャラが死んだ時のような断末魔が響いた。
部屋に戻って聞いた話によると、寝ている俺に向かって紅葉が「レイ、げーとじゃげーと」と言い続けたらしい。その結果、俺が寝言でゲートと言い紅葉の狙い通り異空間に行けたとか。
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