異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし

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第6章

第100話

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第9階層の魔物を紅葉が殲滅し、次で最後になろうとしていた。

「最後はみんなで倒そうか。」

「そうですね、まぁ強敵が来るとは思えませんが。」

「しかし遅いな、前にいた奴らは何をしておる。」

紅葉の言う通り、第10階層の扉は未だに開いていない。ダンジョンの扉は、先に入った人たちが中の魔物を倒すまで開かない仕様になっている。

扉の前に来て、10分ほど経過した時だった。突然、扉の向こうから巨大な魔力を感じた。

「なんだっ?!」

「これは…!今までとは比べ物にならないですね。」

「だとしても、さっきまでのやつとは違い過ぎるな…。」

「とりあえず入ってみようー!」

「あ、エレナ待っ…!」

俺の制止も聞かず、エレナは壁を蹴り飛ばした。そして目の前に広がって光景に、驚いた。

「どうなってる…。」


パーティーは壊滅状態だった。ドミニクとエリーは倒れ、クレアはジャンに首を絞め持ち上げられていた。


ひとまずジャンの背後に転移し、脇腹に回し蹴りを入れてクレアを解放させた。そして3人を離れたところに集めた。

「3人の回復を頼む。」

ロゼッタ達にパーティーメンバーを任せ、壁に突っ込んだジャンの近くに転移した。


ジャンはゆっくり立ち上がった。蹴りが効いてないのか、痛みを感じていないのかはわからなかった。

「おい、お前何してんだ。」

「……さぃ。」

「は?」

「うるさいっ!お前がいけないんだ!この俺が…この俺がお前なんかに負けていいはずがないんだっ!」

瞬間、ジャンの魔力が膨れ上がった。

「このチカラさえあれば…俺は誰よりも強くなれる!!」

「どうだろうな?」

「黙れぇ!」

ジャンが吠えながら突っ込んできたので、ダンジョン全体に魔法障壁をはった。

ひとまず振り下ろされた拳をかわし、上に飛んだ。ジャンの拳は勢い余って地面に叩きつけられ、地面に小さなクレーターができた。

「障壁はったんだけど…なかなかやるな。」

呟きながら両手を銃の形にして、人差し指から光弾を連射した。ジャンが腕をクロスさせガードしているが、そんなの御構い無しで地面に乱射し続けた。

少し離れたところに着地し、煙が晴れるのを待った。
だが煙の中からジャンは飛び出して、かかと落としをしてきた。右腕でガードし、左手で足を掴んでそのまま壁にぶん投げた。


「マスター!敵から魔物と同じ反応がします!」

「まじかよっ!あ、やbー」

驚いてロゼッタの方を見て、視線を戻した瞬間、目の前に拳があった。
俺は殴り飛ばされ、壁に激突した。

「ふぅ…よそ見するんじゃなかっ…!」

起き上がろうとしたら、ジャンが目の前に立っており倒れている俺に拳を振り下ろしてきた。慌てて腕をクロスさせてガードする。

「『鍛治神の鎧ブリギッド・アーマー』!」

俺の全身が鋼鉄のように硬くなったが、ジャンはそれも無視して何発も拳を振り下ろしてきた。



影の中で、1人の男と少女がその様子を見守っていた。

「…なんであの男と少年、戦わせる…?あの少年、もうすごく強い。お前より強い。」

「さすがプリンセス、レイ君の実力をよくお分かりで♫」

男の言葉に、プリンセスと呼ばれた少女は首を傾げた。

「…何か別の目的、ある?」

「はい♬計画通りに行くはずですよぉ。賢い姫に、後で美味しいスイーツでも買いましょうかぁ?」

「……ほんと?…お前、好き。」

少女の表情は微塵も変わらなかったが、嬉しくなったのか男の足に抱きついた。

「現金な方ですねぇ。ですが、そこがまたいいんですよぉ♬」

男は姫の頭を撫でながら、レイの姿を見守った。
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