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チャトラ虎の中央区中隊長side 小話
しおりを挟む……久しぶりに話が出来た。
本当なら俺らが隣に立てる様な奴じゃない。
くだらねぇ妬みで足踏みさせられてたアイツが、漸くここまで登って来た。そして…たぶん早々に追い越して行く。
ボリスは俺が分隊長になったあたりから口調が変わって…シレッと壁を作られたみたいで腑に落ちなかった。
大人達はアイツの話をするとピタリと口を閉ざした。
コレは何がある。そう思った俺はドワーフを問い詰めた。…アイツらは獣人より長生きだからな。
ドワーフ曰く。獣人には珍しく爵位に固執したヤツがいたんだ…と。
アイツの親父は…守護家白の盾の元当主だった。
桁外れに強い殲滅者だったが、びびって後ろに下がった新人庇って隻腕になってその座から降りたと。
その後、外で羊飼をっていたが季節外れの魔獣暴走でアイツ以外は食い殺されたと。
それでも本当だったらきちんと叔父に保護されるはずだったが何故だか孤児扱いになって要らぬ苦労をしたと。
どうにかお零れに肖りたいヤツの嫌がらせは陰湿だった。だがこの前の秋の魔獣暴走で白の盾に大きな被害が出た。…もう待った無しだ。
…感謝しかねぇよ。きっかけをくれた狼のやらかしに。実力も無いのにイキリ散らかして鼻につく奴だった。ソイツを残す為に空いた席。
玉突き人事で当然ボリスの名前が上がった。
…侯爵家もそろそろ代替わりする。俺の父親も含め老耄どもが一線を退き俺ら世代がメインになっていく。
この砦は揺るがない。冬は厳しいがいい街だ。
年寄りが茶を啜って、子供が笑って、番が笑って…そしたら俺らは幸せで。
中隊長はボリスで決定って言う一報を耳にしたら…嬉しくて。こんなに嬉しい事なんて番と子供の事以外では久しぶりで、じっとしていられなくて…騒がしいのは嫌だからがっつり認識阻害掛けてカフェにお茶しに行ったんだ。
そしたらアイツが大事そうにスリング着けて入ってきた。…なんだよ!番かよ!幸せは重なるな!って覗き見ていた。
ボリスの番は白くて、小さくて…エルフ?人族?
体格差やばくない?え?マジで?…下世話な事まで想像して興味津々で声掛けた。好奇心を我慢出来ないんだよ!虎は猫科なんだよ!
…失敗した。
番ちゃんから……希死の匂いがした。希死?何それ?慌てて席を離れたけど遅かった。落ち着くまでに大分かかってた。店中が静かに見守って…視線が痛い。俺出禁くらいそうだった。
反省しつつその日のうちに同期の仲間達に番の情報は回した。ある意味最優先事項だ。
…俺が番った時にバスオイルとバームクリームと花虫の蜜のセットをもらった。
コロンとした型の揃いのガラスのキャニスターに入ってて破れない様に保護の術式が添付してあった。
番が「可愛い!」って凄く嬉しそうにしてて…俺は番がこう言う、ちょっと繊細な物が好きなのをその時初めて気がついた。…いつも「すぐ壊すからシンプルなのがいい。」って言ってたんだ。…壊れないならシンプルじゃない方が好きだったんだ。
扱う商会を聞いて、それからずっと使わせてもらってる。どれもこれも番からの評価が高くて…ちょっと機嫌を損ねた時はそこの商会に…走ってる。
あのびっくり箱みたいな封筒も子供達が凄く喜んだ。
本当感謝しかない。
人族なら寒いのが苦手なはず。俺の番が豹だから寒がり加減が似てるかもって、仲間と番達で手配した祝いの品、遠慮なく受け取ってくれ。
…俺ら本当に嬉しいの。
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――男同士で番だなんてあってたまるかよ!!!
※R描写がメインのお話となります。
この作品は、ムーンライト、ピクシブにて別HNにて投稿しています。
毎日21時に更新されます。8話で完結します。
2019年12月18日追記
カテゴリを「恋愛」から「BL」に変更いたしました。
カテゴリを間違えてすみませんでした。
ご指摘ありがとうございました。
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