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第十一章
作戦開始-03
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良司、紗彩子、のどかの三人は、オースィニと会話をしながら携帯端末でメッセージを送り合っていた。
現在は携帯での通信も、半径数百メートル内であれば可能である事を知る事も理由の一つだったが――明久がプロスパーへ状況報告を終わらせ、援軍が来るまでの時間稼ぎとして会話を続けようと連絡し合ったのだ。
『おっと。携帯での通信内容も傍受出来ているよ。ちなみに応援は期待しないようにね』
『何とも、通信妨害に傍受。学生にはもう少し優しくして頂きたいのですがね』
『私は十分優しいさ。二分の時間をあげよう。機体から降りて、この場から離れなさい。そうすれば命までは取らないし、取りたくもない』
良司は思考する。機体を放棄すれば、オースィニという女性は容赦なく三人の機体を破壊する事だろう。
これがAD総合学園や日本においてであれば、まずは生還を目的に、時間を有する事なく機体を放棄したであろう。
だが、現在このプロスパーにおいて、秋風の予備はもう存在しない。無論良司のフルフレーム等は以ての外だ。
破壊されてしまえば――それ即ち、現状の戦力低下に繋がってしまうのだ。
『残り一分だ』
だが、命あっての物種だ。良司はまず自らが率先して機体のコックピットハッチを開き、手を挙げながらハッチへ身体を出した。
「条件を一つ。カウントダウンを止め、三人が安全な場所へ避難するまで、手を出さない様にお願いしたい」
『条件を呑もう。さぁ、ハッチから降りて安全な所へ』
コクリと頷き、ラダーに捕まり、ハッチから降下する。そして機体から離れた事を確認しようとした一号機が、機体カメラを下方へ向けた所で。
のどか機が、動いた。
動いてしまった。
オースィニの一号機のコックピットハッチを狙ったダガーナイフの一突き。
その動きは早く、一号機の脇腹を裂く。良司の鼻に、金属の焼ける臭いが届くも――しかし、コックピットまでは届いていない。
『残念だよ、島根のどか君』
のどか機がダガーナイフを構え直し、再び一号機に切りかかろうとする。
しかし、その前に――何かが、のどか機の右腕を、焼いたのだ。
『島根さんっ!』
紗彩子と良司はその様子を全て見ていた。
そしてのどか機も状況が不利である事を確認した上で、足場を蹴って一号機と距離を取り、何が起こったかを理解しようとしたが――
再び何かが、今度は左肩を焼き、左腕丸ごとが地に落ちた。
続けて右脚部、左脚部と焼き切られていく光景を目にしていた良司は――その焼いていく何かの放たれた先を、見据えた。
数キロ先の木々に、僅かにだが、ADの姿が確認できた。
それは、狙撃銃のような長い砲身を三機へと向けており、それが引き金を引くと、弾頭ではなく――熱そのものが射出され、それがのどか機を、焼く。
良司も思わず目を開けていられなくなり、まぶたを閉じた。
撃たれたのは、コックピットにも近い腹部だ。次は恐らく――コックピットだろう。
『リェータ君。一旦止めて』
オースィニが言葉を発したと同時に、遠くの機体が動きを止める。
「今のは、レーザー兵器か……!?」
『ああ。君たちの秋風が装備しているレーザーサーベルの発展型らしいよ』
眩い程の光は確かに良司の目を焼き、耳鳴りと共に頭痛が襲う。
秋風のコックピット内であれば、カメラがパイロットの安全上不適切だとした映像は即時CG映像で加工されるのだが、肉眼ではそうはいかない。
右肩にある電磁誘導装置を用いて、浮遊を行うのどか機だったが、しかし出力を行うディアスエンジンが破損したか、磁場が弱まり、背中から地に落ちる。
のどかが渋々といった様子でコックピットから出て、手を挙げた光景を確認したオースィニの『良い子だ』という声が、スピーカーから聞こえてくる。
「何であんな無茶を!」
「やられっぱなしは、好きじゃないし」
咎める良司、怒られながらも悔しさからか視線から表情を逸らすのどかの両名が、その場から僅かに離れ、木々の中へと向かっていくことを確認したオースィニが、目の前に残る一機の秋風へ、声をかけた。
『では神崎紗彩子君も、機体から降りなさい。――可愛い顔を、レーザーで焼かれたくはないだろう?』
それは、警告と脅し。
従わなければ遠くの機体が先ほどのようにレーザーを放ち、それが紗彩子の機体コックピットを貫く事だろう。
指向性レーザーは、出力された直後には着弾する。弾頭の発射から着弾まで僅かにタイムラグが存在する実弾とは違うのだ。
だからこそ、この警告と脅しは、確かな説得力を持ち、紗彩子を恐怖に陥れる。
しかし、紗彩子はそれに従う他無いのかと、唇を噛みしめながら、惑う。
時間はもう、あまり残されていない。
現在は携帯での通信も、半径数百メートル内であれば可能である事を知る事も理由の一つだったが――明久がプロスパーへ状況報告を終わらせ、援軍が来るまでの時間稼ぎとして会話を続けようと連絡し合ったのだ。
『おっと。携帯での通信内容も傍受出来ているよ。ちなみに応援は期待しないようにね』
『何とも、通信妨害に傍受。学生にはもう少し優しくして頂きたいのですがね』
『私は十分優しいさ。二分の時間をあげよう。機体から降りて、この場から離れなさい。そうすれば命までは取らないし、取りたくもない』
良司は思考する。機体を放棄すれば、オースィニという女性は容赦なく三人の機体を破壊する事だろう。
これがAD総合学園や日本においてであれば、まずは生還を目的に、時間を有する事なく機体を放棄したであろう。
だが、現在このプロスパーにおいて、秋風の予備はもう存在しない。無論良司のフルフレーム等は以ての外だ。
破壊されてしまえば――それ即ち、現状の戦力低下に繋がってしまうのだ。
『残り一分だ』
だが、命あっての物種だ。良司はまず自らが率先して機体のコックピットハッチを開き、手を挙げながらハッチへ身体を出した。
「条件を一つ。カウントダウンを止め、三人が安全な場所へ避難するまで、手を出さない様にお願いしたい」
『条件を呑もう。さぁ、ハッチから降りて安全な所へ』
コクリと頷き、ラダーに捕まり、ハッチから降下する。そして機体から離れた事を確認しようとした一号機が、機体カメラを下方へ向けた所で。
のどか機が、動いた。
動いてしまった。
オースィニの一号機のコックピットハッチを狙ったダガーナイフの一突き。
その動きは早く、一号機の脇腹を裂く。良司の鼻に、金属の焼ける臭いが届くも――しかし、コックピットまでは届いていない。
『残念だよ、島根のどか君』
のどか機がダガーナイフを構え直し、再び一号機に切りかかろうとする。
しかし、その前に――何かが、のどか機の右腕を、焼いたのだ。
『島根さんっ!』
紗彩子と良司はその様子を全て見ていた。
そしてのどか機も状況が不利である事を確認した上で、足場を蹴って一号機と距離を取り、何が起こったかを理解しようとしたが――
再び何かが、今度は左肩を焼き、左腕丸ごとが地に落ちた。
続けて右脚部、左脚部と焼き切られていく光景を目にしていた良司は――その焼いていく何かの放たれた先を、見据えた。
数キロ先の木々に、僅かにだが、ADの姿が確認できた。
それは、狙撃銃のような長い砲身を三機へと向けており、それが引き金を引くと、弾頭ではなく――熱そのものが射出され、それがのどか機を、焼く。
良司も思わず目を開けていられなくなり、まぶたを閉じた。
撃たれたのは、コックピットにも近い腹部だ。次は恐らく――コックピットだろう。
『リェータ君。一旦止めて』
オースィニが言葉を発したと同時に、遠くの機体が動きを止める。
「今のは、レーザー兵器か……!?」
『ああ。君たちの秋風が装備しているレーザーサーベルの発展型らしいよ』
眩い程の光は確かに良司の目を焼き、耳鳴りと共に頭痛が襲う。
秋風のコックピット内であれば、カメラがパイロットの安全上不適切だとした映像は即時CG映像で加工されるのだが、肉眼ではそうはいかない。
右肩にある電磁誘導装置を用いて、浮遊を行うのどか機だったが、しかし出力を行うディアスエンジンが破損したか、磁場が弱まり、背中から地に落ちる。
のどかが渋々といった様子でコックピットから出て、手を挙げた光景を確認したオースィニの『良い子だ』という声が、スピーカーから聞こえてくる。
「何であんな無茶を!」
「やられっぱなしは、好きじゃないし」
咎める良司、怒られながらも悔しさからか視線から表情を逸らすのどかの両名が、その場から僅かに離れ、木々の中へと向かっていくことを確認したオースィニが、目の前に残る一機の秋風へ、声をかけた。
『では神崎紗彩子君も、機体から降りなさい。――可愛い顔を、レーザーで焼かれたくはないだろう?』
それは、警告と脅し。
従わなければ遠くの機体が先ほどのようにレーザーを放ち、それが紗彩子の機体コックピットを貫く事だろう。
指向性レーザーは、出力された直後には着弾する。弾頭の発射から着弾まで僅かにタイムラグが存在する実弾とは違うのだ。
だからこそ、この警告と脅しは、確かな説得力を持ち、紗彩子を恐怖に陥れる。
しかし、紗彩子はそれに従う他無いのかと、唇を噛みしめながら、惑う。
時間はもう、あまり残されていない。
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