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第十四章
ズーメイ-05
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それは、全体を白で染めた雷神と異なり、黒色で全身を包んだ機体だ。
赤色に光るツインアイがブルリと明久を恐怖させたが、しかしガントレットより見せられた映像とは異なり、それは超起動による戦術ではなく、その手に持つ機銃を構えた。
恐怖から、明久機が先に発砲。しかし銃弾は強固なT・チタニウム装甲によって跳弾し、まるで物ともしていないと言わんばかりに、反撃の射撃を撃つ。
聖奈機が明久機に体当たりした事によって、銃弾を回避。
そして急遽起き上がり、レーザーサーベルを投擲する事で、風神の動きを制限する事に成功。
投擲されたレーザーサーベルを、同じレーザーサーベルで弾き落とした時には、聖奈機と明久機は後退を開始。
その二機を追いかける、オースィニのアルトアリス一号機。
リントヴルムが風神を確認する為に視線を少しだけ逸らした瞬間、まるでそれを見計らっているかのように、フルフレームが四川を振るう。
『島根、頼んだ!』
振るわれた四川をダガーナイフで受け止めたリントヴルム機。そしてその際に接触回線から、日本語で叫ばれた良司の言葉も聞こえるが、しかし日本語故にリントヴルムは分からず、だが気にする事も無くフルフレームとの戦闘を続行する。
そして、のどか機が動く。
リントヴルム機から離れるように、かつ風神へと接近するように地を蹴り、レーザーサーベルを構えたのどか機は、トリプルD稼働によって宙に浮き、地面を這う様に風神へと肉薄する。
振るわれるレーザーサーベル。それを同じレーザーサーベルで受けた雷神が、反対の左手に機銃を構えた事を確認した。
のどかは、感覚だけで風神が使用する電磁誘導装置の磁場を認識し、同磁場の出力を上げて放つ事で、二機の距離を僅かに空ける。
すると、放たれた銃弾は逸れ、のどか機の機体腹部をかすめるだけで済んだ。
しかし、何故コックピットを狙わないのだろう、とのどかは僅かに思考する。
だが敵は日本語が通じるかは分からない。
深く考える事は無駄だと、一瞬だけ頭を振るうと、そのまま二本目のレーザーサーベルを展開。
接近を仕掛けたのどか機。振るわれるサーベル。
明らかに機銃を狙ったサーベルの光刃を避け、そのまま同じくサーベルを縦に振るう。
機体を逸らしながら左手に持つサーベルで受けたのどかは、機体の電磁誘導装置を稼働させて機体を宙返り、そのまま風神の頭部を蹴りつけた。
それが当たった事に、のどか自身も驚いていた。
敵は、ガントレットに見せられた前回のパイロットじゃない可能性が浮上。
敵は被弾など思考しない、どう考えても頭のイカれた奴だと思っていたのに、しかし今のパイロットは、正反対に思えた。
ならば――のどかは背後で押されている、フルフレームに思考を向けた。
フルフレーム……良司が戦っているパイロットは、恐らくリントヴルムだろう。無茶苦茶な駆動に良司は苦戦を強いられている。
『久世、交代!!』
そう叫ぶと、良司の『何を』と言った言葉だけが聞こえたが、しかしすぐにリントヴルム機がコックピットに向け、ダガーナイフを一突きしようとしている光景が見えたので、のどか機は眼前で振るわれたレーザーサーベルの一閃を避けつつ、脚部スラスターを逆噴射。
急速に加速した機体を、そのままリントヴルム機へと突進させ、背後からエルボーをリントヴルム機の頭部に叩き込む。
『いいから! 多分相性的に、アンタと今の風神なら戦えるッ!』
『だぁ、お前日本語じゃなくてせめて英語で喋れって……っ!』
日本語で良司へと叫んだのどかの言葉が、接触回線でリントヴルムにも聞こえたようで、ロシア語の言葉がのどかにも聞こえたが、しかしそれは無視。
良司は、彼女の言葉に従い、そのままリントヴルム機から距離を取る。
115㎜滑腔砲を構え、風神へと一射したが、しかし砲身から射線を見切っていた風神が射出と共に横っ飛びで、弾頭を避ける。
駆けてくる風神。そのスピードは確かに秋風やアルトアリスの比ではないが、しかし雷神よりは圧倒的に遅い。
『なるほど』
四川をマウントし、秋風の標準装備であるレーザーサーベルを二本に構え直したフルフレーム。
そして、まさに素早い二撃を振るった風神のレーザーサーベルを、しかしフルフレームは受けきり、そればかりか右脚部を振り込む事によって横っ腹を蹴りつけ、風神をUIGの壁に叩きつける事に成功。
『確かに。ただ早いだけなら、僕でも対処できる――!』
そして、のどか機はリントヴルム機とカメラを合わせ、ジリジリと距離を取る。
互いに格闘戦がお好みのパイロットだ。故に、どちらかが先に動けば、どちらかが対処するし、その後の攻撃パターンも、二者の間には様々考えられる筈。
だが、二人ともそんな事は「思考しない」のだ。
ただ、獣同士の威嚇行為。
互いに互いの牙だけを見せ、動けばそれだけで殺し合いになる。
『サイコーだよお前。素質だけだったらオリヒメ以上だな』
『何言ってんのかわかんねぇんだけどさぁ……きっと妙な事言ってんでしょ?』
『オレとお前は同類だ。残念ながらオリヒメ以上にはなれねぇけど、お前との殺し合いは、ホントに楽しいだろうよ』
『妙な事言ってんのも良いけどさ――アタシ、負けないよ?』
『楽しませてくれよ、シマネ・ノドカッ!!』
『勝たせてもらうよ、リントヴルムッ!!』
リントヴルム機も、のどか機も、獲物を決して持たずに、そのまま突っ込んだ。
のどか機の右腕拳がリントヴルム機の顔面に叩き込まれるも、しかしリントヴルム機もエルボーとして右腕を胸部へと叩き込む。
グワンと揺れる二機。
だが、そんな衝撃を物ともしないと言わんばかりに、二機は電磁誘導装置から同一の磁場を最大出力で放出。
互いに反発し合う様に距離が取られるも、しかしリントヴルム機は右足を踏み込んで、左足を壁に付け、そのまま二撃の蹴りをのどか機へと打ち込む。
だが、のどかは冷静――というわけではないが、その動きを見切ったかのように両腕で弾くと、そのまま機体同士をぶつけ合わせる。
『ぎ――ギギィッ!』
『グ――グガァッ!』
転がりながら、二者は殴り合う。
敵のパイロットに与える影響などは一切考えない。
ただ、相手の顔があるから殴る。蹴られる場所に腹があるから蹴る。頭と頭が近いから頭突く。
そう、ただそれだけの事。
赤色に光るツインアイがブルリと明久を恐怖させたが、しかしガントレットより見せられた映像とは異なり、それは超起動による戦術ではなく、その手に持つ機銃を構えた。
恐怖から、明久機が先に発砲。しかし銃弾は強固なT・チタニウム装甲によって跳弾し、まるで物ともしていないと言わんばかりに、反撃の射撃を撃つ。
聖奈機が明久機に体当たりした事によって、銃弾を回避。
そして急遽起き上がり、レーザーサーベルを投擲する事で、風神の動きを制限する事に成功。
投擲されたレーザーサーベルを、同じレーザーサーベルで弾き落とした時には、聖奈機と明久機は後退を開始。
その二機を追いかける、オースィニのアルトアリス一号機。
リントヴルムが風神を確認する為に視線を少しだけ逸らした瞬間、まるでそれを見計らっているかのように、フルフレームが四川を振るう。
『島根、頼んだ!』
振るわれた四川をダガーナイフで受け止めたリントヴルム機。そしてその際に接触回線から、日本語で叫ばれた良司の言葉も聞こえるが、しかし日本語故にリントヴルムは分からず、だが気にする事も無くフルフレームとの戦闘を続行する。
そして、のどか機が動く。
リントヴルム機から離れるように、かつ風神へと接近するように地を蹴り、レーザーサーベルを構えたのどか機は、トリプルD稼働によって宙に浮き、地面を這う様に風神へと肉薄する。
振るわれるレーザーサーベル。それを同じレーザーサーベルで受けた雷神が、反対の左手に機銃を構えた事を確認した。
のどかは、感覚だけで風神が使用する電磁誘導装置の磁場を認識し、同磁場の出力を上げて放つ事で、二機の距離を僅かに空ける。
すると、放たれた銃弾は逸れ、のどか機の機体腹部をかすめるだけで済んだ。
しかし、何故コックピットを狙わないのだろう、とのどかは僅かに思考する。
だが敵は日本語が通じるかは分からない。
深く考える事は無駄だと、一瞬だけ頭を振るうと、そのまま二本目のレーザーサーベルを展開。
接近を仕掛けたのどか機。振るわれるサーベル。
明らかに機銃を狙ったサーベルの光刃を避け、そのまま同じくサーベルを縦に振るう。
機体を逸らしながら左手に持つサーベルで受けたのどかは、機体の電磁誘導装置を稼働させて機体を宙返り、そのまま風神の頭部を蹴りつけた。
それが当たった事に、のどか自身も驚いていた。
敵は、ガントレットに見せられた前回のパイロットじゃない可能性が浮上。
敵は被弾など思考しない、どう考えても頭のイカれた奴だと思っていたのに、しかし今のパイロットは、正反対に思えた。
ならば――のどかは背後で押されている、フルフレームに思考を向けた。
フルフレーム……良司が戦っているパイロットは、恐らくリントヴルムだろう。無茶苦茶な駆動に良司は苦戦を強いられている。
『久世、交代!!』
そう叫ぶと、良司の『何を』と言った言葉だけが聞こえたが、しかしすぐにリントヴルム機がコックピットに向け、ダガーナイフを一突きしようとしている光景が見えたので、のどか機は眼前で振るわれたレーザーサーベルの一閃を避けつつ、脚部スラスターを逆噴射。
急速に加速した機体を、そのままリントヴルム機へと突進させ、背後からエルボーをリントヴルム機の頭部に叩き込む。
『いいから! 多分相性的に、アンタと今の風神なら戦えるッ!』
『だぁ、お前日本語じゃなくてせめて英語で喋れって……っ!』
日本語で良司へと叫んだのどかの言葉が、接触回線でリントヴルムにも聞こえたようで、ロシア語の言葉がのどかにも聞こえたが、しかしそれは無視。
良司は、彼女の言葉に従い、そのままリントヴルム機から距離を取る。
115㎜滑腔砲を構え、風神へと一射したが、しかし砲身から射線を見切っていた風神が射出と共に横っ飛びで、弾頭を避ける。
駆けてくる風神。そのスピードは確かに秋風やアルトアリスの比ではないが、しかし雷神よりは圧倒的に遅い。
『なるほど』
四川をマウントし、秋風の標準装備であるレーザーサーベルを二本に構え直したフルフレーム。
そして、まさに素早い二撃を振るった風神のレーザーサーベルを、しかしフルフレームは受けきり、そればかりか右脚部を振り込む事によって横っ腹を蹴りつけ、風神をUIGの壁に叩きつける事に成功。
『確かに。ただ早いだけなら、僕でも対処できる――!』
そして、のどか機はリントヴルム機とカメラを合わせ、ジリジリと距離を取る。
互いに格闘戦がお好みのパイロットだ。故に、どちらかが先に動けば、どちらかが対処するし、その後の攻撃パターンも、二者の間には様々考えられる筈。
だが、二人ともそんな事は「思考しない」のだ。
ただ、獣同士の威嚇行為。
互いに互いの牙だけを見せ、動けばそれだけで殺し合いになる。
『サイコーだよお前。素質だけだったらオリヒメ以上だな』
『何言ってんのかわかんねぇんだけどさぁ……きっと妙な事言ってんでしょ?』
『オレとお前は同類だ。残念ながらオリヒメ以上にはなれねぇけど、お前との殺し合いは、ホントに楽しいだろうよ』
『妙な事言ってんのも良いけどさ――アタシ、負けないよ?』
『楽しませてくれよ、シマネ・ノドカッ!!』
『勝たせてもらうよ、リントヴルムッ!!』
リントヴルム機も、のどか機も、獲物を決して持たずに、そのまま突っ込んだ。
のどか機の右腕拳がリントヴルム機の顔面に叩き込まれるも、しかしリントヴルム機もエルボーとして右腕を胸部へと叩き込む。
グワンと揺れる二機。
だが、そんな衝撃を物ともしないと言わんばかりに、二機は電磁誘導装置から同一の磁場を最大出力で放出。
互いに反発し合う様に距離が取られるも、しかしリントヴルム機は右足を踏み込んで、左足を壁に付け、そのまま二撃の蹴りをのどか機へと打ち込む。
だが、のどかは冷静――というわけではないが、その動きを見切ったかのように両腕で弾くと、そのまま機体同士をぶつけ合わせる。
『ぎ――ギギィッ!』
『グ――グガァッ!』
転がりながら、二者は殴り合う。
敵のパイロットに与える影響などは一切考えない。
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