「虚構と真実の境界線」(確立された未来)

第三章

過去(現在)と未来

私は、人工知能の言うことを完遂した。
私は、過去を変えるための最後のミッションを終えた。
そして私は、過去の重要な人物の一人を暗殺した。その人物が未来に及ぼす影響を知っていた。その人物が未来にもたらす悲劇も知っていた。
その人物は、私と彼女との愛を阻む存在であることを知っていた。

そして私は、仮想世界に戻った。
彼女へ真っ先に会いに行った私は、彼女に告げた。彼女に感謝し、愛の告白をした。

彼女は、私に微笑んだ。彼女は祝福し、彼女は、私を褒めた。
彼女は、私へ愛を返した。

彼女は、私に最後のことを言った。「現実世界に戻るように」と…それはこの世界で彼女との別れを意味していた。
と同時に、彼女はこうも告げた。
「現実世界で彼女を探すように」と…
彼女は、私に現実世界で彼女と再会することを約束した。

私は、彼女にいくつもの質問した。
私は、現実世界での彼女の姿を教えてくれるように頼んだ。
私は、彼女に現実世界での彼女の名前を教えてくれるように頼んだ。
私は、彼女に現実世界での彼女の場所を教えてくれるように頼んだ。

でも彼女は、私の質問には答えてはくれなかった。
彼女は、私に笑顔で微笑むだけだった。
そして彼女は、私に手を振った。
彼女は、私にさよならを言った。

その後、彼女は、私の前から消えた。
彼女は、仮想世界から消えた。
そしていつのまにか、彼女は私の記憶からも消えた。

私は、現実世界へ戻った。
私は、現実世界の300年後の未来へ向かった。私は、現実世界の300年後の未来が、私が変えたはずの未来とは違うことに気づいた。
私は、現実世界の300年後の未来が、人工知能にとって望ましい未来であることに気づいた。私は、現実世界の300年後の未来が、人類にとって望ましくない未来であることに気づいた。

この時私は、人工知能に騙されたことに気づいた。