前世の彼女が狼だった件

うさみん

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呼ばせて下さい

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 トイレから戻ると、既に料理が届いていた。

 提供が早いのがここのレストランの売りだ。

 トイレ長いとおもわれたかな?

 気持ちを落ち着かせるのに、時間を掛けてしまった。

 だって!

 玲奈だよ!

 彼女がすく傍に居るのに、抱き付きたいのを、今でも死ぬほど我慢して居るんだから!

 いけない。

 また、興奮して来た!

 何でもない振りは苦手だ。

 前みたいに手を繋いだり、頭を撫で撫でして貰いたい~!!

「お待たせしてごめんなさい。お料理、冷めないうちに頂きましょう。」

 興奮で上がった体温を少しでも冷めようと、お冷やを飲む。

 つい、又、唇を嘗めてしまった。

 玲那が急に口元を押さえて俯いてしまった。

 どうしたのかな?

 料理が熱かった?

 こういう時は歓談しながら食事出来たら楽しいけど、行儀が悪いかな?

「玲那····さん、とお呼びしてもよろしいですか?」

 危うく呼び捨てにしそうになって、寸前で誤魔化す。

「はい、ですが気楽に玲那で良いですよ。あまり男らしい名前ではないのですが、自分の名前気に入って居るんです。俺も晶と呼ばせて頂きたいです。そのほうが、シックリとくるので!」

 やっぱり天使だ~!

 玲奈可愛い~!

 イケナイ。

 思考が脱線する。

「それでは遠慮なく、呼ばせて頂きますね。色々、玲那の事が知りたいので、教えて下さい。」

 思わずストレートに尋ねてしまった。
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