前世の彼女が狼だった件

うさみん

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幸せな時間

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 トレーにカップを乗せセルフコーナーに向かう。

 優菜はレモンティー、僕はカフェオレ、玲那は珈琲。

 お菓子も要るよね!

 チョコチップクッキーにマドレーヌにフィナンシェにラスクにパウンドケーキにガトーショコラに生チョコにビターショコラにマカロンにトリュフチョコ···あれ?トレーに乗らなくなっちゃった!

 玲那の好みもわからないから適当にお菓子を選ぶ。

 玲奈は甘いものは余り食べなかったけど、どうかな?

 玲那の事を知る楽しみが出来て嬉しい。

 本当に世界が玲那で廻っているのが幸せだ。

 今度はいずれ結婚とか子供とか望めるかも知れない。

 人並みの幸せ·······。

 僕は今の幸せを本気で噛み締めていた。


 個室に戻ると二人が出迎えてくれる。

 懐かしい日常が戻ってきた様に一瞬錯覚する。

 優菜とのやり取りに、玲那が目を細めて微笑んでいる。

 嗚呼、あの頃の僕達の日々だ······。

 幸せに幸せが重なり胸が熱くなる。

 もう二度と失いたくない······。

 神様が居るのなら···祈らずにはいられなかった。
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