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試しの祠4
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「キルシィさん。御無事ですか?俺は冒険者の響です。何かありましたら遠慮無く言って下さい。俺が出来ることならば手助けしますから!」
捜し人は見付けられたので、取り合えず安否確認が優先だ。
問い掛けるとキルシィはおっとりとした笑みを浮かべる。
「御気遣いありがとうございます。疲れは有りますが、特に不調は有りません。試しの祠の内部に入り込んでしまったという、不測の事態は有りましたが、精霊魔法の緑の結界をに入ることで安全は確保出来ていましたし、こうしてヒビキさんが助けに来て下さいましたから···。」
余り切迫した様子を感じさせないキルシィに、響は安堵する。
「それにしても、どうして試しの祠に入り込む事態に成ってしまったのですか?」
『試しの祠の危険性は、キルシィさんなら理解している筈であろうなのにどうしてだろう?』と、響は思った疑問をそのままキルシィに問う。
「それはですね····。私は瘴気の影響を専門に研究しているのですが、今は瘴気に耐性の有る動植物の調査を随時行って居るのです。今回もその調査の為に試しの祠の近辺まで訪れたのですが、突然魔族達が現れて攻撃を仕掛けてきたのです。多勢に無勢で戦う事も出来ずに、追われるままに逃げた先が試しの祠の中だったのです。この中が光が無く迷路のような造りであったので、魔族達をやり過ごす事が出来たのですが、入り口からは出ることが出来なく成っていたので、魔族達に気付かれない様に少しずつ移動しながら出口を探していたのです。少し前迄は明かりの無い真っ暗な場所だったのですが、何故か闇が晴れて辺りを見通す事が出来るように成ったので、休憩しながら様子をうかがっていたらヒビキさんが助けに来てくださったのです。」
魔族達と聞き、響は少し眉をひそめる。
矢張、取り除ける憂いは取り除かなくては成らないだろう。
相手の実力にも依るが、試しの祠に難無く入れるレベルなら一筋縄では行かないに違いない。
しかしこの迷路のような場所で、キルシィさんを同行させたまま魔族達を捜しながら出口を目指すのも余り良い策とも言えなくて、思い悩む。
「そうだったんですね。大変でしたでしょうが、キルシィさんが無事で良かったです。魔族達の事は一先ず置いておいて、出口を目指しましょう。」
『魔族の目的は最深部に辿り着く事なのだから、先にその目的を潰してしまおう。』
色々と考えた結果、響はそうシンプルに行動を決めた。
「そうですね。罠やモンスターの感知は精霊魔法で行えますので、協力して出口を目指しましょう。」
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余り切迫した様子を感じさせないキルシィに、響は安堵する。
「それにしても、どうして試しの祠に入り込む事態に成ってしまったのですか?」
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