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13,確信

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 傷口が、まるでソフビ人形やフィギュアに、傷を付けた時のように白いのだ。

 もちろん、血も滲んでいない。


 痛みが有るのにこの状態だと言うことは········。

 嫌な予感で、冷や汗が出る。

 さわれるが、本物の実体ではないし、痛みがあるからバーチャルなアバターなんかでもない。


「精神体か、思念体か、生き霊か、まんま魂か······。どれだとしても痛みがあるから、確実にダメージ受けると命を削るパターンじゃん!!自衛出来ないと今の状態は無防備だ、ダメージ次第で、死か消滅の可能性もあるって事か?!」

 自分の考えに頭の中がヒートアップしていく。

「肉体が無いなら、肉体強化も無理?このボディじゃ筋肉付きそうに無いし·······。」
 
 絶望感に打ちのめされる。

「神の野郎め!やっぱり無理ゲーじゃん!!」
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