中二な僕がささやかな祝福で生き延びる方法

46,変化

　町では突然起こった現象にみんな騒然としていた。

　光に触れた者は、誰もが何等かの不調を解消していた。

　冒険者や怪我人や急病人でない限り、ヒールの恩恵を受けることはまず無い。

　殆どの人達は初めての体験だ。

　その上例え下級魔法のヒールであっても、複数ピンポイントで発動すれば、その効果は重ね掛け以上に目を見張るものとなっていた。

　水蒸気と伴に体内に取り込まれれば、病まで治ってしまう。

　細胞に作用し自己回復力を高め免疫力を上げる結果となったのだ。

　知らぬは当の本人ばかりで、本当の意味での奇跡となった。

　ナインはダンの動向を見守るとカインズの家に戻った。

　そして、魔力の回復の為に眠りに落ちたのだった。