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63,新たなる旅立ち

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 双子とライルに別れを告げて、次の町に向かう辻馬車に便乗させてもらった。

 別れても不思議と双子の存在がぼんやりと感じられて、今までの孤独感が薄れる。

 辻馬車の中での話題はもっぱら神様と奇跡の事で、確実に手応えがあり幸先の良さを感じてしまう。

 今回は次の町まではかなり遠く、合間で何ヵ所か小さな村を経由するらしい。

 経由地の滞在時間はそう長く無いらしいので、時限式の奇跡を事前に準備しておこうと考えた。

 結界の魔法を覚えてから、活用の幅が拡がりとても便利だ。

 これに次元収納が出来るような魔法が在ればもっと便利なのだが、そこまで望むのは無謀だろうか?

 マジックバッグは存在しているが、とても高価らしく中々手に入らないらしい。

 無い物ねだりをしても仕方がないので、旅人用バッグの中に魔法を無理矢理詰めた極小結界を、他の人達に気付かれない様にこっそり作り貯めていく。

 地道な作業が多いので地味に疲れる。

 合間で休憩を挟みながら、馬車が止まる迄作り続けた。
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