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91,アンバランス
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上手く師事を受け入れる話まで漕ぎ着けて、内心喜んだ。
内包している魔力からしても稀に見る逸材だ。
早速、魔法の実力を見せるように促した。
ソウタは手を広げると『ファイア』と唱えた。
しかし手のひらには火種程度の小さな炎が現れただけだった。
結界を張っているので遠慮しなくてもいいと告げると、それが最大出力だと、告げてくる。
そんな筈はない。
魔力の量から推定しても2mサイズの火球を出現させることが出来ても良い筈だ。
幾度と無く試して貰ったが、結果は同じだった。
何故だ?
何かに魔力の出力を阻害されているとしか思えない。
とにかく出来るだけ永く足留めして、彼の真の実力を引き出せるように導いて行かねば、魔道士の名が廃る。
新に使命感に燃える私は、早速彼に屋敷に滞在するように告げる事にした。
「ソウタ。師事を受けてもらう間は、弟子としてこの屋敷に滞在して貰うので悪しからず。よろしく頼むよ。」
彼は複雑そうな表情で、私を見詰める。
「大した魔法の実力も無いのに、すみません。心苦しくはありますが、暫くお世話になります。」
あの魔法の出力ならそう感じて仕舞うのも仕方がないが、真の実力は決してあんなものではない。
早く本人に知らしめて、本格的に魔法使いを目指して貰おう。
どうすれば本来の力が発揮出来るのか、出力を阻害している原因を探って、アンバランスな今の状態を早急に解消するための策を講じよう。
「取り合えず、食事に呼ばれるまでの間に、この水晶に魔力を込める練習をしてみたまえ。」
魔力の親和性を高める加工をしてある水晶をソウタに渡して、私は研究室の文献を調べることにした。
内包している魔力からしても稀に見る逸材だ。
早速、魔法の実力を見せるように促した。
ソウタは手を広げると『ファイア』と唱えた。
しかし手のひらには火種程度の小さな炎が現れただけだった。
結界を張っているので遠慮しなくてもいいと告げると、それが最大出力だと、告げてくる。
そんな筈はない。
魔力の量から推定しても2mサイズの火球を出現させることが出来ても良い筈だ。
幾度と無く試して貰ったが、結果は同じだった。
何故だ?
何かに魔力の出力を阻害されているとしか思えない。
とにかく出来るだけ永く足留めして、彼の真の実力を引き出せるように導いて行かねば、魔道士の名が廃る。
新に使命感に燃える私は、早速彼に屋敷に滞在するように告げる事にした。
「ソウタ。師事を受けてもらう間は、弟子としてこの屋敷に滞在して貰うので悪しからず。よろしく頼むよ。」
彼は複雑そうな表情で、私を見詰める。
「大した魔法の実力も無いのに、すみません。心苦しくはありますが、暫くお世話になります。」
あの魔法の出力ならそう感じて仕舞うのも仕方がないが、真の実力は決してあんなものではない。
早く本人に知らしめて、本格的に魔法使いを目指して貰おう。
どうすれば本来の力が発揮出来るのか、出力を阻害している原因を探って、アンバランスな今の状態を早急に解消するための策を講じよう。
「取り合えず、食事に呼ばれるまでの間に、この水晶に魔力を込める練習をしてみたまえ。」
魔力の親和性を高める加工をしてある水晶をソウタに渡して、私は研究室の文献を調べることにした。
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