これが私のBL生活!

三月 深

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26、カラオケ

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全然杞憂だった。

今日はカラオケに来ている。

…五人とも歌上手すぎだろ!?

試しに採点モードにしたら、全員が90点台だった。

それなのに自己主張もしっかりとあり、個人の魅力が出ている。

神は二物を与えないなんてウソでした…。

だけど、これなら本当に上位も狙えるかもしれない。

まぁそんなに優しい世界では無いだろうが。

さて、今回の動画についてなのだが、どうやって撮影しようか?

歌だけにする?

本人の画像や動画を入れる?

いっそ踊っちゃう?

…いや、ないな。

そんなことしたら、佐藤さんたちから鉄槌が下ってしまう。

ん~、スタンダードに歌だけをまずは投稿して、それ次第で会話も入れてくか。

一時期、中二病拗らせて上手くもない歌を投稿していたため、投稿の方法と手順は知っている。

問題は歌だ。

五人とも歌声は最高で、今にも天に昇りそうなのだが、歌っているジャンルがバラバラなのだ。

これが統一出来ないのなら、個人で撮るしかないけど、BL目当てにはどうでもよくなる。

ただでさえここのところBL要素が少ないんだから!

「おーい、門野~、動画どうすんの~?」

賢斗が何故か、仮面ライダーの歌を歌いながらこっちに聞いてくる。


しかも、そりゃまた随分古い歌を…。


一度仮面ライダーヲタクに聴かされたことがあるのだ。

おっと、今は仮面ライダー談義はいい。

「ねぇ、なんか五人全員が歌える曲、無い?」

はて、あるかな…?

案の定、シーンと静まり返るカラオケ。

まぁ、そりゃそうだわな。

「クラスの合唱曲とか?」
「え?校歌じゃね?」

いやぁ、校歌とか古めの合唱曲歌っても…ね?

コアなファンしかつかねぇよ。

「今から一曲覚える?」

私が頭を抱えてる中、そう提案してくれたのは広樹。

「え?いいの?めんどくさいよ?」

そう言うと五人はそれぞれ、

「全然よゆー」(彦根)
「一曲位ならすぐ覚えれるよ、たぶん」(弘貴)
「楽しそ~!」(賢斗)
「金の為なら何処へでも」(優)
「別に、勉強よりゃマシ」(広樹)

と、承諾してくれた。

よっしゃあ!行くぞ~!

五人に歌ってもらうのは、かの有名な某ボカロ曲。

テンポは速いけど、五人で交代しながらならたぶんいける。

ポピュラーなのが一番分かりやすいというのがポイントだ。

「で、この曲を歌ってもらおうかと」
「あ、これ前女子が話してたやつだ!」

自慢気に言う賢斗、かわいい。

「でもこれたしか、女子の友情歌った歌だよね?」

弘貴の言葉で一気に五人に微妙な雰囲気がでる。

「大丈夫、この歌は男子が歌うのもアリだと思う。音程も五人なら大丈夫だよ」

少々の不安を残しつつも、カラオケでの練習を始めた。
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