これが私のBL生活!

三月 深

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30、頑張ろう

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「私も志望校、西崎だ…」

たぶん、一瞬なのであろう静寂。

すごく長く感じる。

「「「「「 …おぉぉぉぉ~!」」」」」

五人同じ志望校なだけでなく、私も一緒。

これは…五人が受かって私が受からない可能性が大じゃね?

これって誰かひとりが落ちたら雰囲気ヤバくなるヤツだぜ?

しかも家が同じ、もしくは隣って尚更気まずいぜ?

五人も同じことを考えているのか、すごく難しい顔をしている。

「ねぇ、もしかして五人も誰かが落ちた可能性考えてる?」
「門野も?」

どうやらそうらしい。

「うん、私も考えてた」

また六人の間に静寂がうまれる。

「なぁ」

口を開いたのは彦根だった。

「なぁ、それって全員受かれば良くね?」

確かにそうだった。

「受験する前から悩んでどうするよ。落ちりゃ滑り止め行くか来年来れば良いし、今から悩むことじゃねぇよ」

ごもっとも。

「…確かにそうだな!」
「なんかちょっと真面目に悩んだのがバカ見てぇだわ」

みんながすっきりした顔立ちで笑った。

と思ったら、優はただひとり悩み顔のままだった。

五人がその事に気づいたころ、優がゆっくりと顔をあげた。

「ちょお、今日の晩御飯のオカズ、ハンバーグと塩鮭のどっちが良い?」
「「「「「え?」」」」」

え?晩御飯?

もしこの場に百人の人が居たら、全員がそう思うだろう。

「だから、ハンバーグと塩鮭。どっちが良い?」
「…もしかしてさっきからずっとそれ考えてた?」
「うん」

優が何気に天然説、立証の瞬間だった。



立証から4日経ち、私も含めて全員のテスト結果が帰ってきた。

広樹と弘貴は西崎はもちろんA判定。

その他の優、賢斗、彦根、私はB判定だった。

まぁまぁだ。

頑張りゃ入れなくも無いってとこだな。

全員が受かるように頑張るぞ!と、六人全員が意気込んでいる。

さて、受かるだろうか?

不安と共に、月日は過ぎていった。
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