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孤独
しおりを挟む___ネグレクト___
六月頃。
割れた瓶や縄などが散乱する部屋にて。
私はいつも通り暴行を受けていて。
暴行をしているのは私の実の父親である。
「お前がいるせいでっ…!出来損ないがァ!!お前なんて生まれて来なければ良かったんだ!!」
そう言って私の背中を瓶の破片で切りつける父。
「…なさいっ…ごめんなさいっっお願いですからやめ…ヴッ…… ぃ"だぃ"っ…」
お父さんは私の背中に30箇所くらいの傷を付け終えると。
「ふんっ。俺が帰ってくるまでに片付けとけよ。出来損ないのクズが!!」
そう言いながら仕事に行くために靴を履いた父。
「おい!行ってらっしゃいもねぇのか?!ああ?見えない様なところに傷つけてたけど、顔とかに傷つけてやろうかぁ!?ふっwはははっw」
「い…行ってらっしゃい。父上。」
「あーあァ、本当に愛想がねぇなぁ!?オラァ!!」
父は私に蹴りを入れて、そのまま出ていった。
出ていったことに安心して私は床になだれ込んだ。
しっかり言われたことしたのに…腹部に強烈な蹴りを…それも靴履いたまま…
苦しい。辛いよ。
あぁ、片付けないと怒られちゃう…
ねぇお母さん…
どこ行っちゃったの?
*
零は片付けをして制服に着替えてそそくさと家を出る。
まだ中学に通えるだけいいほうなのかな。
「零!おはよーっ!」
「おはよーっ!蘭!」
クラスメイトの蘭。零の友達の中の一人だ。
学校では零は人気者で友達もたくさんいる。
外目だけ見ると零の父はこの街では知らない人がいないほど親切であり、零の家は有数のお金持ちなのだ。
だから、学校では虐待のことは言っていない。
零は言えないのだ。
なぜならそうなったら、零は自分のお母さんみたいになってしまうからだ。
家に帰りたくないなぁ。でも逃げたらどうなるのか…予想するだけで吐き気がしてくる。
「零今日もぼーっとしてるよ!?最近大丈夫なのー?」
「え?あー、うん!全然!!夜遅くまで本読んでて寝不足なんだよねっ」
「もーだめだよっ ちゃんと寝ないと!受験生だし中間テストすぐだよっ」
「あぁ、そーだね テストやだなぁーっ」
高校はお金があるから金の力でどこでも受かる。だけど、高校生になっても、いつになっても私は父からの暴行を受け続けるんだと思う。そう思うと何を頑張っても、どんなに楽しいことがあっても。
私は孤独なの。
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