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わくわくドキドキ?
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「瞳子さん、見て見て!このお洋服、背中に羽があるの。めちゃくちゃキュート!」
「わー、ほんとだ!可愛い!」
3日後。
瞳子と亜由美は互いの休みに合わせて、出産祝いを買いに出かけた。
そのまま午後の面会時間を待って、泉の入院している病院にお見舞いに行く予定だった。
「ベビー服ってこんなに小さいんですね。あーん、どれもこれも可愛くて選べないー」
「ほんと、ほんと」
二人ではしゃぎながら買い物を終えると、カフェでランチにする。
「それでね、あの日の夜、透さんがいつになく真剣に聞いてきたんです」
美味しいガパオライスを食べながら、亜由美が身を乗り出して小声で話し出した。
「あの日って、泉さん達の赤ちゃんが産まれた日?」
「そう。マンションに帰って来てからも、私がしきりに『赤ちゃん可愛いー』って写真を眺めてたら、透さん、急に真顔で『亜由美、赤ちゃん作ってもいい?』って」
ゴホッ!と瞳子はのどを詰まらせる。
「大変!大丈夫?瞳子さん。ほら、お水お水」
「あ、ありがと」
瞳子はなんとか水を飲んで気持ちを落ち着かせた。
「あー、びっくりした」
ふう、とひと息つくと同時に、瞳子は顔を赤くする。
(亜由美ちゃんたら、なんてセリフを…)
だが亜由美は淡々と話を続けた。
「透さん、私がまだ若いから、赤ちゃんはもっと先でいいって考えてると思ってたんですって。でも俺は早く亜由美との赤ちゃんが欲しいんだって。言うつもりはなかったけど、亜由美があんまり、赤ちゃん可愛い!ってニコニコしてるから、どうしても言いたくなったって」
「そ、そうなのね」
としか答えようがない。
「だから思わず私も言っちゃったんですよねー。透さんとの赤ちゃん、早く欲しい!って」
「え、そうなの?」
「はい。で、そのあと早速…」
「あああ亜由美ちゃん、そそそのあとの話は大丈夫だから」
「そうですか?あー、赤ちゃん出来たかなー?わくわくドキドキですよ」
「そ、そうね。私も今、別の意味でドキドキよ」
「え?じゃあ瞳子さん達も、早速赤ちゃん作っ…」
「ああああ亜由美ちゃん!ほら、早く食べちゃいましょ!面会時間始まっちゃうわよ」
「あ、たーいへん!じゃあ、パクパク食べまーす」
「そうそう、パクパクね、パクパク」
瞳子は真っ赤な顔でバクバクしながら、ガパオライスをひたすら口に運んだ。
◇
「失礼しまーす…」
病院に着くと二人はそっと、泉の名前が書かれた個室を覗き込む。
「あ、瞳子ちゃんに亜由美ちゃん!来てくれたのね。嬉しい!」
「泉さん!わー、おめでとうございます!お身体、大丈夫ですか?」
「ええ。まだちょっと筋肉痛が残ってる感じだけど、元気よ」
「良かった!」
そして二人は、泉のベッドの横に置かれた小さなベビーコットに気づいた。
「あ!もしかして、赤ちゃん?」
「そう。よく寝てるけどね。良かったら二人とも、抱っこしてくれる?」
「いいんですか?!」
瞳子と亜由美は手を取り合って喜ぶと、その前に手洗いしなきゃ!と洗面所に向かう。
戻って来ると、泉が腕に赤ちゃんを抱いていた。
「ひゃー!泉さん、神々しい!聖母マリア様のよう」
「やだ!そんな大げさな…」
「でも本当にオーラがキラキラしてますよ」
「もう、そんなにおだてなくていいから。ほら、瞳子お姉さんと亜由美お姉さんですよー」
そう言って泉は、赤ちゃんを二人に近づける。
「きゃー、可愛い!初めまして、えーっと、お名前は決まったんですか?」
「うん。洋平と泉、どちらも水を連想するから、海斗って名づけたの」
「海斗くん!かっこいい!初めまして、海斗くん」
呼びかけると、ぼんやりと目を開けた。
「わっ!私の顔見てくれた!」
「違いますよ、瞳子さん。海斗くん、私と目が合ってますもん」
「ええー、私のこと見てくれてるわよ?」
「私ですって」
不毛な言い合いに、泉が苦笑いする。
「ほら、じゃあまずは瞳子ちゃんからね」
そう言って泉は、そっと瞳子の腕に海斗を抱かせた。
「ひゃっ、軽い!けど重い」
「瞳子さん?何言ってるんですか?」
「だって、生命の重みが…。あー、肩に力が入っちゃう。でも可愛い!ふわふわしてて、柔らかい!海斗くん、初めまして。よろしくね」
瞳子は、ふふっと海斗に笑いかける。
「瞳子ちゃん、抱っこ上手ね」
「え、ほんとですか?」
「うん。いつでもママになれるわね」
すると亜由美が負けじと手を上げる。
「泉さん、私も私も!」
「はいはい。ほーら、海斗。次は亜由美お姉ちゃんよー」
「やーん、可愛い!まさにエンジェル!海斗くん、ママでしゅよー」
「ちょっと!亜由美ちゃん?!」
真顔で突っ込む泉に、亜由美も瞳子も、あはは!と笑う。
海斗を泉の腕に返すと、たくさん写真を撮り、二人はようやくお祝いを手渡した。
「何かしら。わあ!可愛いお洋服!」
「でしょ?泉さん、背中も見て」
「どれ?あっ、これって天使の羽?」
「そうなんです!サイズは今は少し大きいけど、いつか海斗くんに着せて写真送ってくださいね」
「うん、分かった。ありがとう!亜由美ちゃん、瞳子ちゃん」
泉は嬉しそうに微笑んで、「良かったわねー、海斗」と話しかける。
「それと、これは泉さんに」
瞳子がもう一つ紙袋を差し出すと、泉は、え?と首をかしげる。
「私に?」
「ええ。アロマオイルとバスソルト、あとはラベンダーの香りのアイマスクも入ってます。育児で忙しい合間に、リラックスタイムを楽しんでくださいね」
「わあ、嬉しい!自分のことなんて何も考えてなかったわ。そうね、出産お疲れって、自分を労るわね」
「はい、ぜひ!」
嬉しそうな泉の様子に、瞳子と亜由美も笑顔になる。
3人は海斗を囲んで、おしゃべりを楽しんでいた。
◇
「ただいま」
玄関から聞こえてきた大河の声に、瞳子はパッと顔を明るくさせて出迎える。
「大河さん、お帰りなさい!」
「ただいま、瞳子」
大河は優しく瞳子に微笑んでから、チュッと額にキスを落とす。
「あのね、泉さんのお見舞いに行ってきたの。亜由美ちゃんと一緒に」
ダイニングテーブルに夕食を並べると、瞳子は興奮気味に話し出す。
「ああ、そう言ってたな。どうだった?泉さん、元気だった?」
「うん!マリア様みたいにママのオーラがすごかったの。赤ちゃんも可愛くてね。お名前は海斗くんだって」
「そうそう。俺達にも洋平からお知らせ来たよ。いい名前だよな」
「でしょ?泉さんと洋平さんの名前、どちらも水にちなんでるから、海斗くんにしたんだって」
「へえ、なるほど。いいな」
「写真もたくさん撮ったの。ほら!」
瞳子は、海斗を抱かせてもらった時の写真を大河に見せる。
「可愛いでしょう?」
「ああ、可愛いな。海斗くんも可愛いけど、瞳子もめちゃくちゃ可愛い。優しく海斗くんを見つめて微笑んでて…。なんか瞳子、すっかりママの顔だな」
大河はデレッと締まりのない顔で写真を見つめていた。
◇
食後のコーヒーをソファに並んで飲んでいると、大河が瞳子に切り出す。
「瞳子。フランス旅行の日程を決めよう」
「え?それって、新婚旅行の?」
「ああ。今日みんなで相談したんだ。洋平はこれからしばらくは、テレワーク中心になる。主に自宅で作業して、出社は週1程度だ。4月を目処に通常勤務に戻せたらと言っていた。今うちが抱えてる大きな仕事は、吾郎が担当してる内海不動産の件で、納期は3月の初め。モデルルームがオープンする3月中旬から2週間は、現地で万一に備えて待機するけど、3月末で一段落する。だから4月の中旬から1週間、フランスに行こう」
具体的な話にいよいよ期待が高まり、瞳子は、わあ…と目を輝かせた。
「嬉しい!じゃあ私も千秋さんに伝えて、スケジュール調整してもらいます」
「ああ。飛行機とホテルも予約しよう」
「うん!楽しみ!」
「俺もだ」
二人は笑顔で頷き合った。
「わー、ほんとだ!可愛い!」
3日後。
瞳子と亜由美は互いの休みに合わせて、出産祝いを買いに出かけた。
そのまま午後の面会時間を待って、泉の入院している病院にお見舞いに行く予定だった。
「ベビー服ってこんなに小さいんですね。あーん、どれもこれも可愛くて選べないー」
「ほんと、ほんと」
二人ではしゃぎながら買い物を終えると、カフェでランチにする。
「それでね、あの日の夜、透さんがいつになく真剣に聞いてきたんです」
美味しいガパオライスを食べながら、亜由美が身を乗り出して小声で話し出した。
「あの日って、泉さん達の赤ちゃんが産まれた日?」
「そう。マンションに帰って来てからも、私がしきりに『赤ちゃん可愛いー』って写真を眺めてたら、透さん、急に真顔で『亜由美、赤ちゃん作ってもいい?』って」
ゴホッ!と瞳子はのどを詰まらせる。
「大変!大丈夫?瞳子さん。ほら、お水お水」
「あ、ありがと」
瞳子はなんとか水を飲んで気持ちを落ち着かせた。
「あー、びっくりした」
ふう、とひと息つくと同時に、瞳子は顔を赤くする。
(亜由美ちゃんたら、なんてセリフを…)
だが亜由美は淡々と話を続けた。
「透さん、私がまだ若いから、赤ちゃんはもっと先でいいって考えてると思ってたんですって。でも俺は早く亜由美との赤ちゃんが欲しいんだって。言うつもりはなかったけど、亜由美があんまり、赤ちゃん可愛い!ってニコニコしてるから、どうしても言いたくなったって」
「そ、そうなのね」
としか答えようがない。
「だから思わず私も言っちゃったんですよねー。透さんとの赤ちゃん、早く欲しい!って」
「え、そうなの?」
「はい。で、そのあと早速…」
「あああ亜由美ちゃん、そそそのあとの話は大丈夫だから」
「そうですか?あー、赤ちゃん出来たかなー?わくわくドキドキですよ」
「そ、そうね。私も今、別の意味でドキドキよ」
「え?じゃあ瞳子さん達も、早速赤ちゃん作っ…」
「ああああ亜由美ちゃん!ほら、早く食べちゃいましょ!面会時間始まっちゃうわよ」
「あ、たーいへん!じゃあ、パクパク食べまーす」
「そうそう、パクパクね、パクパク」
瞳子は真っ赤な顔でバクバクしながら、ガパオライスをひたすら口に運んだ。
◇
「失礼しまーす…」
病院に着くと二人はそっと、泉の名前が書かれた個室を覗き込む。
「あ、瞳子ちゃんに亜由美ちゃん!来てくれたのね。嬉しい!」
「泉さん!わー、おめでとうございます!お身体、大丈夫ですか?」
「ええ。まだちょっと筋肉痛が残ってる感じだけど、元気よ」
「良かった!」
そして二人は、泉のベッドの横に置かれた小さなベビーコットに気づいた。
「あ!もしかして、赤ちゃん?」
「そう。よく寝てるけどね。良かったら二人とも、抱っこしてくれる?」
「いいんですか?!」
瞳子と亜由美は手を取り合って喜ぶと、その前に手洗いしなきゃ!と洗面所に向かう。
戻って来ると、泉が腕に赤ちゃんを抱いていた。
「ひゃー!泉さん、神々しい!聖母マリア様のよう」
「やだ!そんな大げさな…」
「でも本当にオーラがキラキラしてますよ」
「もう、そんなにおだてなくていいから。ほら、瞳子お姉さんと亜由美お姉さんですよー」
そう言って泉は、赤ちゃんを二人に近づける。
「きゃー、可愛い!初めまして、えーっと、お名前は決まったんですか?」
「うん。洋平と泉、どちらも水を連想するから、海斗って名づけたの」
「海斗くん!かっこいい!初めまして、海斗くん」
呼びかけると、ぼんやりと目を開けた。
「わっ!私の顔見てくれた!」
「違いますよ、瞳子さん。海斗くん、私と目が合ってますもん」
「ええー、私のこと見てくれてるわよ?」
「私ですって」
不毛な言い合いに、泉が苦笑いする。
「ほら、じゃあまずは瞳子ちゃんからね」
そう言って泉は、そっと瞳子の腕に海斗を抱かせた。
「ひゃっ、軽い!けど重い」
「瞳子さん?何言ってるんですか?」
「だって、生命の重みが…。あー、肩に力が入っちゃう。でも可愛い!ふわふわしてて、柔らかい!海斗くん、初めまして。よろしくね」
瞳子は、ふふっと海斗に笑いかける。
「瞳子ちゃん、抱っこ上手ね」
「え、ほんとですか?」
「うん。いつでもママになれるわね」
すると亜由美が負けじと手を上げる。
「泉さん、私も私も!」
「はいはい。ほーら、海斗。次は亜由美お姉ちゃんよー」
「やーん、可愛い!まさにエンジェル!海斗くん、ママでしゅよー」
「ちょっと!亜由美ちゃん?!」
真顔で突っ込む泉に、亜由美も瞳子も、あはは!と笑う。
海斗を泉の腕に返すと、たくさん写真を撮り、二人はようやくお祝いを手渡した。
「何かしら。わあ!可愛いお洋服!」
「でしょ?泉さん、背中も見て」
「どれ?あっ、これって天使の羽?」
「そうなんです!サイズは今は少し大きいけど、いつか海斗くんに着せて写真送ってくださいね」
「うん、分かった。ありがとう!亜由美ちゃん、瞳子ちゃん」
泉は嬉しそうに微笑んで、「良かったわねー、海斗」と話しかける。
「それと、これは泉さんに」
瞳子がもう一つ紙袋を差し出すと、泉は、え?と首をかしげる。
「私に?」
「ええ。アロマオイルとバスソルト、あとはラベンダーの香りのアイマスクも入ってます。育児で忙しい合間に、リラックスタイムを楽しんでくださいね」
「わあ、嬉しい!自分のことなんて何も考えてなかったわ。そうね、出産お疲れって、自分を労るわね」
「はい、ぜひ!」
嬉しそうな泉の様子に、瞳子と亜由美も笑顔になる。
3人は海斗を囲んで、おしゃべりを楽しんでいた。
◇
「ただいま」
玄関から聞こえてきた大河の声に、瞳子はパッと顔を明るくさせて出迎える。
「大河さん、お帰りなさい!」
「ただいま、瞳子」
大河は優しく瞳子に微笑んでから、チュッと額にキスを落とす。
「あのね、泉さんのお見舞いに行ってきたの。亜由美ちゃんと一緒に」
ダイニングテーブルに夕食を並べると、瞳子は興奮気味に話し出す。
「ああ、そう言ってたな。どうだった?泉さん、元気だった?」
「うん!マリア様みたいにママのオーラがすごかったの。赤ちゃんも可愛くてね。お名前は海斗くんだって」
「そうそう。俺達にも洋平からお知らせ来たよ。いい名前だよな」
「でしょ?泉さんと洋平さんの名前、どちらも水にちなんでるから、海斗くんにしたんだって」
「へえ、なるほど。いいな」
「写真もたくさん撮ったの。ほら!」
瞳子は、海斗を抱かせてもらった時の写真を大河に見せる。
「可愛いでしょう?」
「ああ、可愛いな。海斗くんも可愛いけど、瞳子もめちゃくちゃ可愛い。優しく海斗くんを見つめて微笑んでて…。なんか瞳子、すっかりママの顔だな」
大河はデレッと締まりのない顔で写真を見つめていた。
◇
食後のコーヒーをソファに並んで飲んでいると、大河が瞳子に切り出す。
「瞳子。フランス旅行の日程を決めよう」
「え?それって、新婚旅行の?」
「ああ。今日みんなで相談したんだ。洋平はこれからしばらくは、テレワーク中心になる。主に自宅で作業して、出社は週1程度だ。4月を目処に通常勤務に戻せたらと言っていた。今うちが抱えてる大きな仕事は、吾郎が担当してる内海不動産の件で、納期は3月の初め。モデルルームがオープンする3月中旬から2週間は、現地で万一に備えて待機するけど、3月末で一段落する。だから4月の中旬から1週間、フランスに行こう」
具体的な話にいよいよ期待が高まり、瞳子は、わあ…と目を輝かせた。
「嬉しい!じゃあ私も千秋さんに伝えて、スケジュール調整してもらいます」
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二人は笑顔で頷き合った。
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