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忘れ得ぬ誕生日
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ソファでケーキを食べた後、一生は意を決して瑠璃に向き合った。
「瑠璃、教えてくれる?誕生日に何が欲しいのか」
瑠璃は少しうつむいてから、ゆっくりと手にしていた紅茶をローテーブルに置く。
「一生さん」
「はい」
一生は、背筋を伸ばして瑠璃の次の言葉を待つ。
心臓が口から飛び出しそうなほどドキドキしていた。
「私、欲しいものはありません。ただひとつだけ、一生さんにお願いがあります」
一生はゴクッと唾を飲み込む。
「お願い…?」
かすれ声で聞く一生に、瑠璃は頷く。
「一生さん、お願いです。私に本当の気持ちを教えてください」
一生は思わず瞬きをする。
10秒、いや20秒?
とにかく長い間、一生は固まっていた。
「る、瑠璃?どういうこと?俺の気持ちって…」
瑠璃はうつむくと、震える声で話し始めた。
「どうしてなのか、教えて欲しいんです。いつも優しかった一生さんが、どうして私に触れてくれなくなったのか。いつもただいまって言って、大人っぽくおでこにキスして笑ってくれてたのに、どうして悲しそうにキスするようになったのか。私と目が合うと、時々慌てて目を逸らすことがあるのはどうしてなのか。前は、私を優しく抱き上げてベッドまで運んでくれたのに、もうそれも、してもらったらいけないのよね?私が寝ていると、髪をなでてくれてたでしょう?私、なんとなく感じてて幸せだった。でもそれも、もう…」
瑠璃の目から、ぽたぽたと涙がこぼれ落ちる。
「どうして?私のこと、もう好きではなくなったの?誰か他に好きな人が…」
「ち、違う!違うよ、瑠璃。そんなことある訳がない」
「じゃあ、どうして?」
一生は、込み上げてくる感情を必死で抑えようと、胸元を掴みながら話し始める。
「瑠璃、俺の気持ちを全て話す。何も偽らず、本当のことだけを言うよ」
瑠璃は、涙を溜めた瞳でじっと一生を見つめる。
「俺は瑠璃が好きだ。優しくて可愛くて、心が美しくて清らかで…瑠璃が俺と結婚してくれて、こんなに幸せでいいんだろうかって思ってた。毎日帰ってくると、お帰りなさいって笑顔で出迎えてくれて、おでこにキスすると照れて真っ赤になって。俺がシャワーを浴びている間にソファで眠ってしまって、起こすと無邪気に甘えて首に抱きついてきてくれて。抱き上げてベッドに寝かせると、子どもみたいにすやすや眠って、その寝顔が可愛くてずっと頭をなでて…それだけで俺、充分幸せだったんだ。瑠璃を、ずっと守っていこうって思って、だけど」
張り裂けそうになる胸を押さえながら、一生は声を振り絞る。
「だけど、あの時、瑠璃が…瑠璃の大胆なドレス姿を見た時、俺、どうしようもなく強い感情が込み上げてきたんだ。瑠璃を…瑠璃をこの手で、抱きたいって」
苦しくなって、肩で息を逃がしながら必死で言葉を続ける。
「そんなこと、だめなのに。瑠璃は、そっと抱きしめて、壊れないように、傷つけないように、守っていかないといけないのに。なのに俺、瑠璃のこと、力ずくで抱きしめたくなったんだ。そんなことしたら、瑠璃を汚してしまうのに…」
己を戒めるように、グッと唇を噛みしめる。
「だから、瑠璃に触れられなくなった。触れてしまったら、またどうしようもない欲望が込み上げてきてしまう。瑠璃の笑顔を見たら、無邪気な寝顔を見たら、髪をなでたら、おでこにキスしたら…そう思うと、怖くて。本当は見たいんだ、瑠璃の笑顔を。触れたいし、また前みたいに抱き上げたい。でも、昔の俺にはもう戻れないんだ」
君を傷つけたくない、君に嫌われたくない、そう言って一生は、両手の拳をギュッと握りしめた。
「…一生さん」
しばらく続いた沈黙の後、瑠璃がそっと一生の手を握る。
一生は、ビクッと体をこわばらせた。
「苦しまないで、一生さん。そんなに自分を責めないで。触れたいときは私に触れて。前みたいに、優しく笑って?キスして頭をなでて、眠った私を抱き上げて?」
「でも、そうしたら、君を…俺はもう自分を止められない。君を傷つけてしまう。君を汚してしまう」
「どうして?好きな人に抱かれて、なぜ傷つくの?好きな人に愛されるのに、なぜ汚れるの?」
「…瑠璃」
やがて瑠璃は、一生の首に両腕をまわす。
「前みたいに、私を抱き上げて。ベッドまで運んで?」
耳元でささやかれ、一生はゾクッと体を震わせる。
「瑠璃、そしたら俺、もう…」
瑠璃は一生を見上げると、小さく頷いて微笑んだ。
その瞬間、一生の理性が一気に吹き飛んだ。
瑠璃を抱き上げると寝室に運び、ベッドに横たえる。
すぐさま覆いかぶさると、感情をぶつけるように何度もキスをくり返す。
ん…と小さく瑠璃が吐息を漏らし、一生はますます強く瑠璃を抱きしめる。
やがて、瑠璃の背中をなでた右手がドレスのファスナーに触れると、一生は一気に下まで引き下げた。
角度を変えながら何度もキスをし、瑠璃の滑らかな肌の感触を感じながら背中に手を滑らせる。
瑠璃は、時々一生のキスから逃れ、はあと息をつくが、その艶かしさにまた一生は瑠璃の唇を奪う。
んっ…という瑠璃の吐息は、どんどん艶っぽさを増す。
そして一生は、瑠璃の背中をまさぐっていた手でブラジャーのホックを外した。
瑠璃の身体が小さく反応する。
一生はチュッと音を立てて瑠璃の唇から離れると、そのまま首筋にキスを這わせた。
瑠璃は、細い喉を反らせながら一生のキスを受け止める。
一生の唇は、瑠璃の鎖骨を通り、さらに下へと向かっていった。
やがてドレスが顔に触れたが、一生はそのまま顔を潜らせる。
そしてついに、瑠璃の胸の柔らかくて深い谷間にたどり着いた。
一生は、身体を起こして瑠璃を見つめる。
「瑠璃…俺に君のすべてをくれる?」
肩で息を繰り返していた瑠璃は、潤んだ瞳で一生を見つめ、確かに頷いた。
一生は、たまらないというようにグッと何かを堪える表情をした後、ゆっくりと瑠璃のドレスを胸元から下げていく。
思わず瑠璃は、両腕で胸を覆った。
だがすぐに一生に両手を掴まれ、左右に開いて顔の横に押し付けられる。
瑠璃の腕の下から、ふるっと大きな胸がまろび出た。
「綺麗だ」
一生は、瑠璃の美しさに見とれた。
一点の曇りもない透き通るように白い肌と、大きな2つの胸の膨らみ。
まるで絵画のビーナスのようだと一生は思った。
「いや、恥ずかしい…」
瑠璃は一生の視線から逃れようと身をよじるが、一生の力に敵うはずもない。
恥じらう瑠璃の様子は、逆に一生を煽ってしまい、またたくさんのキスを浴びせられる。
「ん、ふっ…」
瑠璃はもう、吐息を抑えきれなかった。
両手の指を絡められ、自由を奪われたまま一生のキスを受け、知らず知らずのうちに身悶えてしまう。
そんな瑠璃の様子を見て、ついに一生は、瑠璃の左の胸に手を載せた。
「あっ!」
瑠璃の身体がピクンと跳ねる。
構わず一生は、そのまま揉みしだき始めた。
「んんっあ…」
だんだんと瑠璃の吐息に甘さが混じる。
ゆっくりと深呼吸するように、瑠璃は全身の力を抜いて一生に身体を預けていった。
やがて瑠璃の左胸の真ん中がツンと硬さを持ち始め、一生は手のひらでそれを感じ取ると、指でキュッと摘み上げた。
「ああっ!」
全身を駆け抜ける痺れに、思わず瑠璃が胸をのけ反らせた時だった。
パッと瑠璃の身体から、色香のようなものが立ち昇った。
(えっ…なんだ?)
一生は驚いて目を見張る。
瑠璃の醸し出す雰囲気は、もう自分の知っている瑠璃ではない。
可憐で清らかな乙女が、妖艶な大人の女性へと生まれ変わったかのようだった。
一生は、もはやその妖しい色気に溺れるしかなかった。
瑠璃の身体のあちこちに口づけ、胸をまさぐり、谷間に顔を埋めて色香をむさぼる。
気づいた時にはドレスの下から手を入れ、腰や太ももをなで上げていた。
瑠璃が大きく息を乱している間に、下着ごと一気にドレスを抜き去る。
一糸まとわぬ瑠璃の姿は、さらに一生の欲情を高ぶらせた。
だが、瑠璃の両足の奥に指が触れ、瑠璃が一気に緊張したのが分かると、一生は手を止めて顔を上げた。
「瑠璃?」
優しく呼ぶと、瑠璃は荒い息を繰り返しながら、うっすらと目を開ける。
「大丈夫?」
「…うん」
頷く瑠璃は、また少女のような可愛らしさに戻っていた。
「ゆっくり、力を抜いて」
一生の言葉に、瑠璃は素直に従って息を吐く。
しばらく指でほぐし、瑠璃のそこがしっとり濡れたのを確かめた一生は、やがて指の代わりに自分の中心をあてがった。
少しずつ、少しずつ、壊さないようにゆっくりと…
だが、半分までくると、瑠璃はキュッと唇を噛み締め、身体を硬くする。
一生は、動きを止めて瑠璃に優しくキスをした。
何度も何度も優しく…
だんだん瑠璃の身体から力が抜けていくのを感じながら、また少しずつ深めていく。
そうやって時間をかけ、ついに一生と瑠璃は最後まで繋がった。
「瑠璃、大丈夫?」
耳元でささやくと、瑠璃は涙で潤んだ瞳で一生を見つめて頷く。
その時、瑠璃の目からスッとひと筋の涙がこぼれた。
「痛むの?」
「ううん、幸せなの」
一生は優しく微笑むと、また愛おしそうに瑠璃にキスをする。
そこからの二人は、ただ欲情に押し流されるだけだった。
瑠璃の胸をまさぐりながら、もう片方を口に含み、一生がチュッと吸い上げると、瑠璃は全身をのけ反らせて喘ぐ。
一生は、いつの間にか充分に潤んだ瑠璃の中を何度も突き上げた。
◇
まるで嵐が去った後のようだった。
二人はようやく息を整えると、顔を見合わせて微笑む。
一生は瑠璃を優しく抱きしめ、おでこにチュッとキスをする。
「お誕生日おめでとう、瑠璃」
え?と驚いてから、瑠璃はふふっと笑う。
「ありがとう。また今回もお願い事が叶った…」
「お願いって、ケーキのろうそくを消す前の?今回は何を願ったの?」
「すてきな誕生日になりますようにって…」
そして、あ!と声を上げて急いで壁の時計を見る。
時刻は24時を過ぎていた。
「お誕生日、おめでとうございます。一生さん」
にっこり微笑む瑠璃に、ありがとうと言って、一生はまたキスをした。
「瑠璃、教えてくれる?誕生日に何が欲しいのか」
瑠璃は少しうつむいてから、ゆっくりと手にしていた紅茶をローテーブルに置く。
「一生さん」
「はい」
一生は、背筋を伸ばして瑠璃の次の言葉を待つ。
心臓が口から飛び出しそうなほどドキドキしていた。
「私、欲しいものはありません。ただひとつだけ、一生さんにお願いがあります」
一生はゴクッと唾を飲み込む。
「お願い…?」
かすれ声で聞く一生に、瑠璃は頷く。
「一生さん、お願いです。私に本当の気持ちを教えてください」
一生は思わず瞬きをする。
10秒、いや20秒?
とにかく長い間、一生は固まっていた。
「る、瑠璃?どういうこと?俺の気持ちって…」
瑠璃はうつむくと、震える声で話し始めた。
「どうしてなのか、教えて欲しいんです。いつも優しかった一生さんが、どうして私に触れてくれなくなったのか。いつもただいまって言って、大人っぽくおでこにキスして笑ってくれてたのに、どうして悲しそうにキスするようになったのか。私と目が合うと、時々慌てて目を逸らすことがあるのはどうしてなのか。前は、私を優しく抱き上げてベッドまで運んでくれたのに、もうそれも、してもらったらいけないのよね?私が寝ていると、髪をなでてくれてたでしょう?私、なんとなく感じてて幸せだった。でもそれも、もう…」
瑠璃の目から、ぽたぽたと涙がこぼれ落ちる。
「どうして?私のこと、もう好きではなくなったの?誰か他に好きな人が…」
「ち、違う!違うよ、瑠璃。そんなことある訳がない」
「じゃあ、どうして?」
一生は、込み上げてくる感情を必死で抑えようと、胸元を掴みながら話し始める。
「瑠璃、俺の気持ちを全て話す。何も偽らず、本当のことだけを言うよ」
瑠璃は、涙を溜めた瞳でじっと一生を見つめる。
「俺は瑠璃が好きだ。優しくて可愛くて、心が美しくて清らかで…瑠璃が俺と結婚してくれて、こんなに幸せでいいんだろうかって思ってた。毎日帰ってくると、お帰りなさいって笑顔で出迎えてくれて、おでこにキスすると照れて真っ赤になって。俺がシャワーを浴びている間にソファで眠ってしまって、起こすと無邪気に甘えて首に抱きついてきてくれて。抱き上げてベッドに寝かせると、子どもみたいにすやすや眠って、その寝顔が可愛くてずっと頭をなでて…それだけで俺、充分幸せだったんだ。瑠璃を、ずっと守っていこうって思って、だけど」
張り裂けそうになる胸を押さえながら、一生は声を振り絞る。
「だけど、あの時、瑠璃が…瑠璃の大胆なドレス姿を見た時、俺、どうしようもなく強い感情が込み上げてきたんだ。瑠璃を…瑠璃をこの手で、抱きたいって」
苦しくなって、肩で息を逃がしながら必死で言葉を続ける。
「そんなこと、だめなのに。瑠璃は、そっと抱きしめて、壊れないように、傷つけないように、守っていかないといけないのに。なのに俺、瑠璃のこと、力ずくで抱きしめたくなったんだ。そんなことしたら、瑠璃を汚してしまうのに…」
己を戒めるように、グッと唇を噛みしめる。
「だから、瑠璃に触れられなくなった。触れてしまったら、またどうしようもない欲望が込み上げてきてしまう。瑠璃の笑顔を見たら、無邪気な寝顔を見たら、髪をなでたら、おでこにキスしたら…そう思うと、怖くて。本当は見たいんだ、瑠璃の笑顔を。触れたいし、また前みたいに抱き上げたい。でも、昔の俺にはもう戻れないんだ」
君を傷つけたくない、君に嫌われたくない、そう言って一生は、両手の拳をギュッと握りしめた。
「…一生さん」
しばらく続いた沈黙の後、瑠璃がそっと一生の手を握る。
一生は、ビクッと体をこわばらせた。
「苦しまないで、一生さん。そんなに自分を責めないで。触れたいときは私に触れて。前みたいに、優しく笑って?キスして頭をなでて、眠った私を抱き上げて?」
「でも、そうしたら、君を…俺はもう自分を止められない。君を傷つけてしまう。君を汚してしまう」
「どうして?好きな人に抱かれて、なぜ傷つくの?好きな人に愛されるのに、なぜ汚れるの?」
「…瑠璃」
やがて瑠璃は、一生の首に両腕をまわす。
「前みたいに、私を抱き上げて。ベッドまで運んで?」
耳元でささやかれ、一生はゾクッと体を震わせる。
「瑠璃、そしたら俺、もう…」
瑠璃は一生を見上げると、小さく頷いて微笑んだ。
その瞬間、一生の理性が一気に吹き飛んだ。
瑠璃を抱き上げると寝室に運び、ベッドに横たえる。
すぐさま覆いかぶさると、感情をぶつけるように何度もキスをくり返す。
ん…と小さく瑠璃が吐息を漏らし、一生はますます強く瑠璃を抱きしめる。
やがて、瑠璃の背中をなでた右手がドレスのファスナーに触れると、一生は一気に下まで引き下げた。
角度を変えながら何度もキスをし、瑠璃の滑らかな肌の感触を感じながら背中に手を滑らせる。
瑠璃は、時々一生のキスから逃れ、はあと息をつくが、その艶かしさにまた一生は瑠璃の唇を奪う。
んっ…という瑠璃の吐息は、どんどん艶っぽさを増す。
そして一生は、瑠璃の背中をまさぐっていた手でブラジャーのホックを外した。
瑠璃の身体が小さく反応する。
一生はチュッと音を立てて瑠璃の唇から離れると、そのまま首筋にキスを這わせた。
瑠璃は、細い喉を反らせながら一生のキスを受け止める。
一生の唇は、瑠璃の鎖骨を通り、さらに下へと向かっていった。
やがてドレスが顔に触れたが、一生はそのまま顔を潜らせる。
そしてついに、瑠璃の胸の柔らかくて深い谷間にたどり着いた。
一生は、身体を起こして瑠璃を見つめる。
「瑠璃…俺に君のすべてをくれる?」
肩で息を繰り返していた瑠璃は、潤んだ瞳で一生を見つめ、確かに頷いた。
一生は、たまらないというようにグッと何かを堪える表情をした後、ゆっくりと瑠璃のドレスを胸元から下げていく。
思わず瑠璃は、両腕で胸を覆った。
だがすぐに一生に両手を掴まれ、左右に開いて顔の横に押し付けられる。
瑠璃の腕の下から、ふるっと大きな胸がまろび出た。
「綺麗だ」
一生は、瑠璃の美しさに見とれた。
一点の曇りもない透き通るように白い肌と、大きな2つの胸の膨らみ。
まるで絵画のビーナスのようだと一生は思った。
「いや、恥ずかしい…」
瑠璃は一生の視線から逃れようと身をよじるが、一生の力に敵うはずもない。
恥じらう瑠璃の様子は、逆に一生を煽ってしまい、またたくさんのキスを浴びせられる。
「ん、ふっ…」
瑠璃はもう、吐息を抑えきれなかった。
両手の指を絡められ、自由を奪われたまま一生のキスを受け、知らず知らずのうちに身悶えてしまう。
そんな瑠璃の様子を見て、ついに一生は、瑠璃の左の胸に手を載せた。
「あっ!」
瑠璃の身体がピクンと跳ねる。
構わず一生は、そのまま揉みしだき始めた。
「んんっあ…」
だんだんと瑠璃の吐息に甘さが混じる。
ゆっくりと深呼吸するように、瑠璃は全身の力を抜いて一生に身体を預けていった。
やがて瑠璃の左胸の真ん中がツンと硬さを持ち始め、一生は手のひらでそれを感じ取ると、指でキュッと摘み上げた。
「ああっ!」
全身を駆け抜ける痺れに、思わず瑠璃が胸をのけ反らせた時だった。
パッと瑠璃の身体から、色香のようなものが立ち昇った。
(えっ…なんだ?)
一生は驚いて目を見張る。
瑠璃の醸し出す雰囲気は、もう自分の知っている瑠璃ではない。
可憐で清らかな乙女が、妖艶な大人の女性へと生まれ変わったかのようだった。
一生は、もはやその妖しい色気に溺れるしかなかった。
瑠璃の身体のあちこちに口づけ、胸をまさぐり、谷間に顔を埋めて色香をむさぼる。
気づいた時にはドレスの下から手を入れ、腰や太ももをなで上げていた。
瑠璃が大きく息を乱している間に、下着ごと一気にドレスを抜き去る。
一糸まとわぬ瑠璃の姿は、さらに一生の欲情を高ぶらせた。
だが、瑠璃の両足の奥に指が触れ、瑠璃が一気に緊張したのが分かると、一生は手を止めて顔を上げた。
「瑠璃?」
優しく呼ぶと、瑠璃は荒い息を繰り返しながら、うっすらと目を開ける。
「大丈夫?」
「…うん」
頷く瑠璃は、また少女のような可愛らしさに戻っていた。
「ゆっくり、力を抜いて」
一生の言葉に、瑠璃は素直に従って息を吐く。
しばらく指でほぐし、瑠璃のそこがしっとり濡れたのを確かめた一生は、やがて指の代わりに自分の中心をあてがった。
少しずつ、少しずつ、壊さないようにゆっくりと…
だが、半分までくると、瑠璃はキュッと唇を噛み締め、身体を硬くする。
一生は、動きを止めて瑠璃に優しくキスをした。
何度も何度も優しく…
だんだん瑠璃の身体から力が抜けていくのを感じながら、また少しずつ深めていく。
そうやって時間をかけ、ついに一生と瑠璃は最後まで繋がった。
「瑠璃、大丈夫?」
耳元でささやくと、瑠璃は涙で潤んだ瞳で一生を見つめて頷く。
その時、瑠璃の目からスッとひと筋の涙がこぼれた。
「痛むの?」
「ううん、幸せなの」
一生は優しく微笑むと、また愛おしそうに瑠璃にキスをする。
そこからの二人は、ただ欲情に押し流されるだけだった。
瑠璃の胸をまさぐりながら、もう片方を口に含み、一生がチュッと吸い上げると、瑠璃は全身をのけ反らせて喘ぐ。
一生は、いつの間にか充分に潤んだ瑠璃の中を何度も突き上げた。
◇
まるで嵐が去った後のようだった。
二人はようやく息を整えると、顔を見合わせて微笑む。
一生は瑠璃を優しく抱きしめ、おでこにチュッとキスをする。
「お誕生日おめでとう、瑠璃」
え?と驚いてから、瑠璃はふふっと笑う。
「ありがとう。また今回もお願い事が叶った…」
「お願いって、ケーキのろうそくを消す前の?今回は何を願ったの?」
「すてきな誕生日になりますようにって…」
そして、あ!と声を上げて急いで壁の時計を見る。
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