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2期

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俺…北野一哉…いや、BSSとBASのメンバーは、

海外公演最終日を迎えていた。

そう…俺達はギリシャにやってきている。

一哉『やべぇ…言葉が通じねぇ…』
七瀬『当たり前だよ…ここギリシャだよ?』
一哉『あぁ…もう…』

改めて紹介しておくと…。

櫻井七瀬…BSS所属、現副リーダー。一哉とはBSSに入ったことで知り合ったが、幼なじみの二人以上に一哉と仲がいい。一哉の復帰を手助けした主要メンバー。
グループのNo.2人気メンバーでもある。


七瀬『でも、海外の人にも受け入れてもらえてよかったよね』
玲香『いやいや…全てでは受け入れられなかったよ…』

工藤玲香…BSS所属。一哉の幼なじみ。現在のBSSのリーダーであり、重要な主力メンバー。BSSの歌姫だ。一哉をBSSから追い出したこともあるが、復帰をさせたのも玲香の力あってのものだ。




玲香『アメリカとかフランスのノリはよかったけどさ…
  中国とスイス…』
一哉『まあ…ひどかったな…』
七瀬『単独ライブじゃなかったのが大きいよね…』
一哉『だな。海外ツアーと言ってもソロなのは3ヵ国だけ。
   中国とスイスはイベントに出演しただけだしな…』
瑠菜『フランスとアメリカのウェルカム!っていう感じがあっただ   けでもすごくない?』
一哉『まあ…そうなんだけどな笑』

一堂瑠菜…BAS所属。一哉と玲香の幼なじみで、一哉が芸能界に入るきっかけを作ったもう一人の人物。アンダーメンバー堀静香との入れ換えで現在はBASのリーダーを任されている。
メンバーの香菜とは、ルナカナというユニットを結成している。



紗奈『とりあえず…ギリシャを成功させて…今年は無理かもしれな   いけど、来年の紅白に出場しよ!!』
一哉『出れるのは…』
岸本『BSSだけだ』
一哉『ですよね…』


齋藤紗奈…BSS所属。元女優として別事務所で活躍していた一時期、一哉との熱愛報道が報じられたが…アンダーオーディションを軽々突破し、難なくメンバー入りを果たした。リーダーではないが、一哉脱退後の後任としてBSSに加入して、
現在ではエースと呼ばれている。


岸本祐…北野一哉と齋藤紗奈の面倒を見るマネージャー。基本的に
厳しく、褒めることは滅多にしない。唯一褒めたのは、一哉の
復帰ライブの時のみ。

一哉『7thシングル発売はいつですか?』
相楽『制作は、すでに始まってる。…7thを歌いたいなら、あと1ヶ月以内に復帰することだな』
一哉『1ヶ月!?』
相楽『まあ、がんばれ』

相楽憲助…BSS及びBASの総監督兼プロデューサー。他人に相談をせず、すべてを勝手に決めていく。しかし、その的確な判断力からメンバーやマネージャーチームには信頼されている。

一哉『あれ?香菜と明日香は?』
玲香『今トイレ行ってるよ』
一哉『まあ…俺達は、ほとんど歌わないから打ち合わせもなにもないんだけどさ…一応…』
瑠菜『バックダンサーという仕事があるでしょ!』
一哉『バックダンサーね…笑』
明日香『あ!皆さん!お待たせしました!』
一哉『噂をすれば…笑』
明日香『噂?なんですか?』


高橋明日香…BSS追加メンバー。6ヶ月にしてソロ曲をもつ。
一哉や瑠菜、玲香の3人を物凄く慕っている。自分の目立つ場面でも、他のメンバーへの思いを語るほどのメンバー思いなメンバー。
パフォーマンス能力はメンバーで1.2を争う実力。


一哉『いや…明日香いなかったからさ笑』
明日香『あ、すいません…笑』
玲香『よし!明日香!ソロ曲の合わせやるよ!』
明日香『はい!!』
一哉『がんばれよ!』
瑠菜『私たちは…月と太陽のバックダンサーとして合わせようか。元々は私たちの曲だし笑』
一哉『悔しいよなー…』
香菜『まあ…仕方ないでしょ』
一哉『げっ…』
香菜『げってなに!?酷くない!?』


水野香菜…BSS所属。家族問題が起きたとき、一哉に救われた関係で一哉を信頼している。チームのムードメーカーと言っても過言ではない。たまに、毒をはく。ルナカナというユニットもある。

一哉『難しいフリなのに簡単に覚えやがって…』
香菜『まあ…一哉が休んでるときにもずっと踊ってたからね笑』
一哉『悔しいです!』
瑠菜『自業自得』
一哉『うっ…』

紫藤『ほら!一通り曲とダンス合わせるよ!ステージに上がって!』
全『はい!!』

紫藤飛鳥…BSSの工藤玲香とBASの清水友香のマネージャー。
紫藤は本名ではないらしいが…。優しいマネージャーである。
玲香と友香を信頼して、どんなときでも支えてくれる。


玲香『いくよ!一心不乱!!』
全員『一心不乱』




ギリシャ公演終了後…。

七瀬『おわったー!!』
玲香『これにて…海外ツアー終了!!』
瑠菜『やっと日本に帰れる…』
紫藤『あ、現地と日本の取材スタッフのインタビューあるから
まだ終わってないわよ』
一哉『まだあるんだ…』
野村『北野君へのインタビューは殺到してるよ?』
一哉『なぜ…』
岸本『復帰したからだろ』
一哉『はぁ…』

野村優希…瑠菜と静香担当のマネージャー。マネージャーのなかでは一番優しい。そして一応若い。復帰した○○を支えてるのは
岸本よりも野村のほうだろう。

岸本『北野!一堂!…相楽さんに呼ばれてるぞ』
一哉『え?なんでですか…?』
岸本『さあな』
瑠菜『まあ…行こう』
一哉『おう』


呼ばれた部屋に入ると、すでに相楽さんはいた。

一哉『それで…どうされたんですか?』
相楽『まずは…ライブお疲れ様』
瑠菜『ありがとうございます』
相楽『元正規とだけあって、お前らの人気はすごいぞ』
一哉『紗奈には勝てませんけど…笑』
相楽『まあ、仕方ないことだ。…で、話というのは…』
瑠菜『はい』
相楽『…アンダーのお前らにメジャーデビューの話が来てるんだ』
一哉『え!?』
瑠菜『えぇ!?』
相楽『アンダーとBSSは全く別というグループではなく、姉妹グループとしてやっていかないか、という話がレコード会社から
言われてるんだ』
一哉『つまり…俺と瑠菜はBASとして、活動していけ…と?』
相楽『まあな』
瑠菜『入れ替わりは…』
相楽『期限の来年3月までは行う』
一哉『つまり…姉妹グループとして活動していくから、昔のように仕事が来やすくなる…けど、入れ替わりしづらくなる…』
相楽『そうだな』
瑠菜『…』
一哉『…』
相楽『3月までに入れ替われなかった時のことを考えたら、仕事をするのが好きなお前らはそうした方がいいんじゃないか、と思ってな』
一哉『…珍しいですね。相楽さんが俺たちに意見を求めるなんて』
相楽『これは、お前の問題だからな』
一哉『…』
瑠菜『…私は前向きな検討をします』
相楽『北野はどうする?』
一哉『…俺はBSSに戻りたいです』
相楽『主力の2人で話し合え。姉妹グループとしてデビューするかどうかは…お前ら次第だ』
一哉『はい…』
相楽『このアンダーという形でいる、となった場合…戻れなかったら今までと同じ仕事は期待するな』
一哉『はい…』
瑠菜『…』
相楽『まあ早めに決断をしろ』
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