青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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4章 柔道恋物語

柔道恋物語4-22

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美波side


優奈が…倒れた…
私にとってそれはかなり衝撃的なことだった。
私は一哉先輩の怪我も…治ったんなんて
嘘なんじゃないか…そう思ってしまった。

一哉『美波すごいじゃん!初心者なのに有段者の蓮に勝つなんて!俺は誇らしいよ…』
私『ありがとうございます…先輩……少しいいですか…?』
一哉『ん?』
私『あの…』
私が話し出そうとした瞬間
次の試合の選手が呼ばれた。
佐々木『第1コート…赤 伊東美奈!
白 西野一哉!!』
沢木『第2コート…赤 吉田勇紀!
白 桐生蓮!』
一哉『あ、俺…美奈と…
じゃ、またあとでな!応援よろしく!』
一哉先輩は行ってしまった。
私は唇をキュッと噛んでいた…。
美月『美波、一哉に今優奈のことを
言っちゃダメだよ。一哉は今…優奈のために頑張ってる』
私『!…はい…』
私は一哉先輩の試合を見守った。

佐々木『…では…はじめ!!!』
一哉先輩は美奈を開始20秒で
払い腰を決めていた。
佐々木『技あり!…抑え込み!……………解けた!』
七瀬『18秒です!』
佐々木『技あり!!…合わせて1本!』
美波『すごい…』
沢木『技あり!!…抑え込み!』
2コートの方をみるとすでに
蓮先輩が抑えこまれている…。
ブザーの音が会場全体に鳴り響いた。
沢木『それまで!…勝者…赤 吉田勇紀!』
その後も…次々と試合が進められていった。

残る試合は…8試合。
第1コート
西野一哉 vs 北野美波
山下瑠夏 vs 伊東美奈
西野一哉 vs 水野美月
斉藤海翔 vs 高乃愛実

第2コート
吉田勇紀 vs 今野勇人
西野一哉 vs 中居将太
水野美月 vs 山下瑠夏
北野美波 vs 伊東美奈


私は次の試合で西野先輩と対決する。


一哉side

俺は優奈が…苦しんでるのに
柔道をやっている…。
正直…俺の左足は…動けるレベルの
限界になりかけていた。
『(頼む…もう少し…あと3試合…20踏んでいいから…)』
七瀬『一哉…?』
俺はそこでハッと我にかえった。
俺『どうした?』
七瀬『いや…呼ばれてるから…
次の美波と試合だよ』
俺『あぁ…わかった』
俺は立ち上がって開始線へと向かった。
七瀬『一哉!…限界なら…無理はしないで……』
俺『大丈夫。限界なんてないから』

佐々木『では、開始線へ』
佐々木『礼!……はじめ!』

俺は美波が出す技をすべて受け止めていた。俺は1つだけ気掛かりなことがあった。それは…まだ美波が俺が教えてた
とっておきを使っていないのだ。
もちろん…俺も美奈も使っていない。

美波は俺が教えた技を次々に出してくる…俺が教えたのだから俺が食らうはずがない…なのにこんなに連発してくるなんて…
『(美波らしくない…どうしたんだよ…いつも冷静…さっきまでの試合の冷静さは…)』
俺は得意の左1本背負いに入るふりをした。『(やっぱり裏投げきたな…なら…!)』
俺は足を上げてうちまたに技を切り替えた。…しかし…これが罠だったのだ
俺は数秒後肩から落ちた。
佐々木『技あり!!…待て!』
佐々木『西野君?もっと攻めなさい。
これは試合よ…指導!はじめ!』
俺『美波…ごめん』
俺はそう呟いて…俺のとっておきを
使った。
美波『!!!』
その瞬間会場がざわついた。
佐々木『1本!そ、それまで!
勝者赤 西野一哉!』
俺は相手の腰を持ち上げた状態で
小外刈を食らわせたのだ。
これに逃げるすべはない。
第2コートでは勇紀が勝ったようだった。
俺は美波のもとへ終わり次第すぐに
駆けつけようとしたが…左足が…



【動かなくなった】


俺は倒れてしまった。
それと同時に…膝にかなりの激痛が走った。
俺『ぐわぁぁぁ!!!』
佐々木『西野君!?』
美月『一哉!!』
里奈『せ、先輩!?』
皆が俺のところに駆け寄る。
七瀬『一哉…!!…だから無理しないでって…バカ!』
俺は正直それどころじゃなかった…。
俺『膝が…動かない…うぁぁぁぁ…!』
七瀬『病院へ…いきましょう…!
私が母に頼んで病院へ連れてってもらいます!試合は続行してください!
一哉は…棄権として構いません!!』
佐々木『え、えぇ…』

俺は…そのまま七瀬と七瀬のお母さんに
病院に連れていかれた。

医者『…もうやっちゃいけないと言ったよね?』
俺『…』
医者『せっかく…治ったものも
悪化してしまうことがあるんだよ?
今回は…簡単なロッキングで済んだけど…次無茶したら歩けるかは保証できないよ』
俺『…無理です』
医者『え?』
俺『俺には…先輩や妹…選抜に選ばれて
優勝しないといけない義務があるんです…俺のために部活の皆は無茶な約束を校長としました…俺は…休む暇なんてないんです…』
医者『…わかった…次倒れたときは
もう次はないと思って。
やることは…許可してあげよう』
俺『ありがとうございます…』
俺はロッキングと呼ばれる現象の対処を教わり、七瀬と七瀬のお母さんと共に
道場に戻ろうとした。
七瀬『お母さん、私達あとで行くからさ先試合戻っててよ。一哉と話したいことがあって…』
七瀬母『あら…そう?…佐々木先生には私が伝えておくわ…早くしなね
あと5.6試合だと思うから…』
七瀬『うん…ありがと』
七瀬のお母さんは先に道場に帰ってしまった。
七瀬『一哉。屋上に行くよ』
俺は七瀬に連れられ屋上に来た。
七瀬に告白された場所…。
七瀬『…』
俺『ねぇ…帰ろうよ…』
七瀬にそう言った途端…

バチン!

と頬を叩かれた。
俺『え…』
七瀬『…あれだけ…無理しないでって…言ったのに…歩けなくなったらどうするの…』
七瀬は涙を流しながらそう言った。
俺『…ごめん…でも…俺はやめれないんだ…カッコつけと言われてもいいから…
北野先輩、優奈ができなくなった
柔道を代わりに出来てるんだから…
俺が勝たなきゃ…』
七瀬『…』
俺『予選も勝って…七瀬との約束果たすから…』
七瀬『もう負けないと誓ったからって…一哉が大変な目にあったら意味ないよ…私は…一哉が好きなんだよ…?』
俺は…今返事をしてしまおう…
そう決めた。


23話に続く
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