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3 竜との対峙
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「痛ったぁ····!!」
竜の姿を見たと同時に感じた生存本能にしたがって咄嗟に〈風盾〉を展開したこと。そのおかげかギリギリ即死は免れ、やけどと全身を強く打撲しただけで済んだ。
でも、痛いものは痛い。やけどはジクジク痛むし全身の骨が軋んでる。
「さっきのは····ブレス····?」
なんにしても規格外過ぎる。森を吹き飛ばすとかなんだ。
「デカすぎじゃない·····?アレどう見ても10メートルはない?」
普通に考えて勝てる相手ではない。
でも、逃げるにしても空を飛べる相手には悪手だろうし、下手すれば城まで森の二の舞だし。
「うーん····」
かといって戦うのも難しい。相手が足場のない空にいるというのはそれだけで不利に働く。そもそも人は飛べないので〈身体強化〉を使っていても落ちただけで死にかねない。
「いや·······いける、かな?」
私の適正魔法は、無、風、地、雷。
火と水は初級程度。
火と水は論外だし、無に移動系は無いし、地は空中では効率が悪すぎるし。
必然的に候補は風か雷になる。
「風で飛ぶ?それとも雷の磁力を使ってーーーー」
ーーーヒュッ、ザンッ!!
飛んできた風刃をすんでのところで避ける。
「ッと、あぶなかっ······た····?」
竜の方を見るとヤツの周りにたくさんの煌めきがーーーーーー
「····あ、やば」
いつの間にか上空には4色の大量の槍型の魔法が展開されていて、私はおもいっきり顔をひきつらせた。
その魔法群は一斉に私を狙って、飛んできた!?
「ちょ、くっ四属性って何!?」
視界の一部で打たれた端から再展開されていくのが見えた。
「って多いよ!?ズルくない!?」
空の大部分を覆い尽くすとかめちゃくちゃだ。
慌てて〈風盾〉を展開するがものの数瞬で破壊され、しかし、その稼いだわずかな時間で〈身体強化〉を使い離脱する。
「〈嵐刃〉!!〈クリスタルランス〉!!
〈地盾〉!!」
狙い撃ちにされないように弾幕が薄いところを回避、相殺、防御しながら駆け回る。
数だけでもヤバイのに、その上全てが必殺の威力。
「炎はまずい。範囲が大きすぎる!」
小さなクレーターできてる、と思わず悲鳴をあげる。
追尾してこないだけマシだろうか?
私はーーなんかこんな目に遭うようなことしたっけ!?、と嘆いた。
受けにまわっていたら負ける。
かといって風属性の威力では足りず、地属性では届かない。
ならば
「少々賭けになるけど使うしかないよね!
〈白雷砲〉!!」
使うと同時に意図しない魔力の動きを押さえ込む。
それでも押さえきれず、思っていた威力の倍ぐらいの威力で白の雷が放たれた。
進行上にある竜の魔法を消し去りながら、わずかに威力を落としつつ竜に直撃した。
「ガ、ガアアアアア!?」
不意打ち気味の魔法だったためか、それなりに効いたらしい。
········普通の生物なら蒸発しているのが正しいんだけどなぁ。
ちょっと焼けたり焦げたりするだけとか理不尽にも程がある!!
持久戦は不利。
ならば、短期決戦しかない!
「〈纏雷鎧〉!〈雷速〉!」
自爆ダメージ覚悟で雷の防御魔法と速さを爆発的に上げる〈雷速〉を使い、竜の元ま
・・・
で空中を駆けた。
······別に大したことはしてないよ?ただ足元に〈風盾〉をつくってそれを足場にしているだけ。
〈身体強化〉だけなら足場があっても速さが足りず、次の足場をつくるまでの間に地面に落とされていたはず。
逆に〈雷速〉だけなら速さに目が追い付かず自爆しかねない。
だから〈身体強化〉は目を重点に置き、他は最小限にした。
目の動体視力を〈身体強化〉で強化し、そして〈雷速〉で速さを限界まで高める、というふうにそれぞれの目的をずらしてこの空中機動を実現したわけだ。
「〈風弾〉!〈雷槍〉!ーーハッ!!」
魔法で牽制、相殺しつつ一気に竜に近付いていく。
魔法の速度より私の速度の方が速くなったので、いくら数が多いとはいえ問題無くなった。
無理な強化で体が軋むがそんなものは今は取るに足らない。
狙うのは他に比べて斬りやすいだろう首。
もはや魔法の弾幕は壁になり得ない。
首が目の前に迫る。
刀に纏った雷が魔法の弾幕を張らしていく
「ーーーーここ!!」
刀の雷の出力が一気に引き上げられ刀を白く染め上げた。
速度の運動量も攻撃力に変え、真っ直ぐにその雷の刃は振り落とされたーーー
竜の姿を見たと同時に感じた生存本能にしたがって咄嗟に〈風盾〉を展開したこと。そのおかげかギリギリ即死は免れ、やけどと全身を強く打撲しただけで済んだ。
でも、痛いものは痛い。やけどはジクジク痛むし全身の骨が軋んでる。
「さっきのは····ブレス····?」
なんにしても規格外過ぎる。森を吹き飛ばすとかなんだ。
「デカすぎじゃない·····?アレどう見ても10メートルはない?」
普通に考えて勝てる相手ではない。
でも、逃げるにしても空を飛べる相手には悪手だろうし、下手すれば城まで森の二の舞だし。
「うーん····」
かといって戦うのも難しい。相手が足場のない空にいるというのはそれだけで不利に働く。そもそも人は飛べないので〈身体強化〉を使っていても落ちただけで死にかねない。
「いや·······いける、かな?」
私の適正魔法は、無、風、地、雷。
火と水は初級程度。
火と水は論外だし、無に移動系は無いし、地は空中では効率が悪すぎるし。
必然的に候補は風か雷になる。
「風で飛ぶ?それとも雷の磁力を使ってーーーー」
ーーーヒュッ、ザンッ!!
飛んできた風刃をすんでのところで避ける。
「ッと、あぶなかっ······た····?」
竜の方を見るとヤツの周りにたくさんの煌めきがーーーーーー
「····あ、やば」
いつの間にか上空には4色の大量の槍型の魔法が展開されていて、私はおもいっきり顔をひきつらせた。
その魔法群は一斉に私を狙って、飛んできた!?
「ちょ、くっ四属性って何!?」
視界の一部で打たれた端から再展開されていくのが見えた。
「って多いよ!?ズルくない!?」
空の大部分を覆い尽くすとかめちゃくちゃだ。
慌てて〈風盾〉を展開するがものの数瞬で破壊され、しかし、その稼いだわずかな時間で〈身体強化〉を使い離脱する。
「〈嵐刃〉!!〈クリスタルランス〉!!
〈地盾〉!!」
狙い撃ちにされないように弾幕が薄いところを回避、相殺、防御しながら駆け回る。
数だけでもヤバイのに、その上全てが必殺の威力。
「炎はまずい。範囲が大きすぎる!」
小さなクレーターできてる、と思わず悲鳴をあげる。
追尾してこないだけマシだろうか?
私はーーなんかこんな目に遭うようなことしたっけ!?、と嘆いた。
受けにまわっていたら負ける。
かといって風属性の威力では足りず、地属性では届かない。
ならば
「少々賭けになるけど使うしかないよね!
〈白雷砲〉!!」
使うと同時に意図しない魔力の動きを押さえ込む。
それでも押さえきれず、思っていた威力の倍ぐらいの威力で白の雷が放たれた。
進行上にある竜の魔法を消し去りながら、わずかに威力を落としつつ竜に直撃した。
「ガ、ガアアアアア!?」
不意打ち気味の魔法だったためか、それなりに効いたらしい。
········普通の生物なら蒸発しているのが正しいんだけどなぁ。
ちょっと焼けたり焦げたりするだけとか理不尽にも程がある!!
持久戦は不利。
ならば、短期決戦しかない!
「〈纏雷鎧〉!〈雷速〉!」
自爆ダメージ覚悟で雷の防御魔法と速さを爆発的に上げる〈雷速〉を使い、竜の元ま
・・・
で空中を駆けた。
······別に大したことはしてないよ?ただ足元に〈風盾〉をつくってそれを足場にしているだけ。
〈身体強化〉だけなら足場があっても速さが足りず、次の足場をつくるまでの間に地面に落とされていたはず。
逆に〈雷速〉だけなら速さに目が追い付かず自爆しかねない。
だから〈身体強化〉は目を重点に置き、他は最小限にした。
目の動体視力を〈身体強化〉で強化し、そして〈雷速〉で速さを限界まで高める、というふうにそれぞれの目的をずらしてこの空中機動を実現したわけだ。
「〈風弾〉!〈雷槍〉!ーーハッ!!」
魔法で牽制、相殺しつつ一気に竜に近付いていく。
魔法の速度より私の速度の方が速くなったので、いくら数が多いとはいえ問題無くなった。
無理な強化で体が軋むがそんなものは今は取るに足らない。
狙うのは他に比べて斬りやすいだろう首。
もはや魔法の弾幕は壁になり得ない。
首が目の前に迫る。
刀に纏った雷が魔法の弾幕を張らしていく
「ーーーーここ!!」
刀の雷の出力が一気に引き上げられ刀を白く染め上げた。
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