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27 女子会同盟結成
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「婚約者になるですって········!?」
驚愕するエルメダにわたしはうなずいた。
「そう。あなたなら問題ないと判断したの。ヴィルフリートを愛してるなら資格は十分」
「私も賛成よあなたなら王妃だってこなせるでしょう?」
まあ、エフィーに頭が切れると言わせるほどみたいだし、結構頭がいいんだろう。
「と、言うわけでわたしたち友達になりましょう?友達同士なら会っていても怪しまれないだろうしね?」
考え方が悪魔ね、とエフィーがジト目で見てくるのを失礼な、と言い返す。
これもヴィルフリートの幸せな結婚生活のためなのだ。
「え、エフィーリア殿下もで?」
「もちろん私もです。このままだと、お兄様は一生結婚出来ませんので」
一番辛辣なのはエフィーじゃないかな?
わたしよりよっぽど棘を感じるよ。ヴィルフリートが聞いたら泣くんじゃない?
まあ、これは断らないでしょう。どう考えてもわたしたちと組む方が得策なのは一目瞭然だし。
「······わかりました。その企みに乗りますわ」
企みとは人聞きの悪い。これはヴィルフリートを助けるための計画というのに。
それにやっぱり乗ったね。まぁ、乗ってこなくても問題はないんだけど·····。乗ってくれるなら話は早い。
「ふふっ、女子会同盟結成ね」
「三人しかいないけれどね」
「もうエフィーったら。何人でもいいでしょう?くっつけられればわたしたちの勝ちですよ」
「手段は選んでね?」
「もちろん」
手段はちゃんと選ぶよ?それ以外は損得しないけどね~。
勝てば官軍負ければ賊軍なのだ!!つまり負けなければ何をやっても問題なし!素晴らしい格言だね!
にっこりと笑うわたしに、これでもかというほどの疑いの目で見つめてきていたけれど暫くして諦めたようにため息を吐いた。
「というわけでよろしくねエルメダ嬢」
「よ、よろしくおねがいしますわ殿下!」
「堅苦しいからエフィーでいいわよ。友達になるんだからね」
「わたしもシオリでいいですよ。様も不要です」
「私もいらないわよ」
「わかりましたわ。エフィー、シオリ。私もエルメダで構いませんわ」
「わかったよ、エルメダ」
口調も崩した。
ふふふ。二人目の異世界女友達ゲットね!
あ、でもこれってリリアとかアルマとか入れていいのかな?いいなら四人目になるけど。
まあ、細かいことはいいか。
「それじゃあ作戦会議を始めましょう」
「そうね」
「おねがいしますわ!」
「それじゃあヴィルフリートの好みとかからーーーー」
「それなら私もわかるわ。確かーーーー」
本人の知らぬところで、ヴィルフリートに対する婚約包囲網が着々と進み始めた。
「絶対にくっつけて見せる·········!!」
もう一人の当事者のいない会議が始まった。本人ガン無視で·········。
こんなかわいい子がお嫁さんになるんだから文句は言わせない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃、食堂では。
「···········」
置いてけぼりをくらった王太子の放つドンよりした空気に、ひどくいたたまれない空気が流れていた。
「なぜ······私だけなのだ······?」
迂闊に触れると崩れてしまいそうな感じの儚い気配を漂わせるので、誰も話しかけられない。ハインメル伯爵もこの状況を作り出した原因の一端を担ったという意識があるためか、どことなく居心地が悪そうな感じだ。
控えているメイドたちの心境は推して知るべし、である。
「ああ、エフィー。昔はあんなにお兄様、お兄様と可愛かったのに······今では『ついてこないで』なんて······」
ついに過去に浸り始めた。
というか、そんなにキツイことは言われてなかったはずなのに······。
完全なる被害妄想が入りかかっていた。
最早、完全に重症である。手の施しようがない。
「ううう。エフィー·······」
沈みまくった王太子の姿は三人が戻ってくるまで続いた。
驚愕するエルメダにわたしはうなずいた。
「そう。あなたなら問題ないと判断したの。ヴィルフリートを愛してるなら資格は十分」
「私も賛成よあなたなら王妃だってこなせるでしょう?」
まあ、エフィーに頭が切れると言わせるほどみたいだし、結構頭がいいんだろう。
「と、言うわけでわたしたち友達になりましょう?友達同士なら会っていても怪しまれないだろうしね?」
考え方が悪魔ね、とエフィーがジト目で見てくるのを失礼な、と言い返す。
これもヴィルフリートの幸せな結婚生活のためなのだ。
「え、エフィーリア殿下もで?」
「もちろん私もです。このままだと、お兄様は一生結婚出来ませんので」
一番辛辣なのはエフィーじゃないかな?
わたしよりよっぽど棘を感じるよ。ヴィルフリートが聞いたら泣くんじゃない?
まあ、これは断らないでしょう。どう考えてもわたしたちと組む方が得策なのは一目瞭然だし。
「······わかりました。その企みに乗りますわ」
企みとは人聞きの悪い。これはヴィルフリートを助けるための計画というのに。
それにやっぱり乗ったね。まぁ、乗ってこなくても問題はないんだけど·····。乗ってくれるなら話は早い。
「ふふっ、女子会同盟結成ね」
「三人しかいないけれどね」
「もうエフィーったら。何人でもいいでしょう?くっつけられればわたしたちの勝ちですよ」
「手段は選んでね?」
「もちろん」
手段はちゃんと選ぶよ?それ以外は損得しないけどね~。
勝てば官軍負ければ賊軍なのだ!!つまり負けなければ何をやっても問題なし!素晴らしい格言だね!
にっこりと笑うわたしに、これでもかというほどの疑いの目で見つめてきていたけれど暫くして諦めたようにため息を吐いた。
「というわけでよろしくねエルメダ嬢」
「よ、よろしくおねがいしますわ殿下!」
「堅苦しいからエフィーでいいわよ。友達になるんだからね」
「わたしもシオリでいいですよ。様も不要です」
「私もいらないわよ」
「わかりましたわ。エフィー、シオリ。私もエルメダで構いませんわ」
「わかったよ、エルメダ」
口調も崩した。
ふふふ。二人目の異世界女友達ゲットね!
あ、でもこれってリリアとかアルマとか入れていいのかな?いいなら四人目になるけど。
まあ、細かいことはいいか。
「それじゃあ作戦会議を始めましょう」
「そうね」
「おねがいしますわ!」
「それじゃあヴィルフリートの好みとかからーーーー」
「それなら私もわかるわ。確かーーーー」
本人の知らぬところで、ヴィルフリートに対する婚約包囲網が着々と進み始めた。
「絶対にくっつけて見せる·········!!」
もう一人の当事者のいない会議が始まった。本人ガン無視で·········。
こんなかわいい子がお嫁さんになるんだから文句は言わせない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃、食堂では。
「···········」
置いてけぼりをくらった王太子の放つドンよりした空気に、ひどくいたたまれない空気が流れていた。
「なぜ······私だけなのだ······?」
迂闊に触れると崩れてしまいそうな感じの儚い気配を漂わせるので、誰も話しかけられない。ハインメル伯爵もこの状況を作り出した原因の一端を担ったという意識があるためか、どことなく居心地が悪そうな感じだ。
控えているメイドたちの心境は推して知るべし、である。
「ああ、エフィー。昔はあんなにお兄様、お兄様と可愛かったのに······今では『ついてこないで』なんて······」
ついに過去に浸り始めた。
というか、そんなにキツイことは言われてなかったはずなのに······。
完全なる被害妄想が入りかかっていた。
最早、完全に重症である。手の施しようがない。
「ううう。エフィー·······」
沈みまくった王太子の姿は三人が戻ってくるまで続いた。
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