甘い恋をカラメリゼ~純粋な大学生はパティシエと甘すぎる恋に堕ちる~

うめこ

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Mille feuille〜たくさんのものが、重なり合って〜

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 エッチが終わっていちゃいちゃを堪能した頃には、空が夕闇に染まっていた。智駿さんはそのまま俺の部屋に泊まっていくということになった。

 シャワーを浴びると言って智駿さんが入っていった浴室の扉を眺めながら、俺はふと思う。何気に……これは初めて「俺の部屋に」「智駿さんが泊まる」のでは?と。そう、今まで幸せな恋人生活を送ってきて、円満に過ごしていたけれど……智駿さんが俺の部屋に泊まるというのは、初めてなのだ。



「うわー……どきどきするなあー……うわー……うわー……」



 特に何かがいつもと違うというわけではないと思う。けれど、俺はすごくどきどきしていた。この部屋はまだ入居したてで俺の部屋という実感はまだないけれど、智駿さんが俺の部屋で一晩を過ごす。その事実に、すごくどきどきする。



(エッチするかな……いやでもさっきしたばっかりだし……でももう一回……)



 ちらりと上を見上げる。

 俺の部屋にはロフトがついていて、そこに布団を敷いて寝ることにしている。次にエッチするならロフトでかなあと思いつつ、天井の低いあそこではいつもよりも自由がきかない。でも、狭いところで不自由さがあるエッチをするのもいいよなあなんて考えて、さっきエッチをしたばかりなのにまたしたくなってきてしまった俺は、頭を冷やすようにごろんと寝転がる。



「……」



 視界に、智駿さんのカバンが目に入る。そして、その上に乗っている智駿さんのスマートフォン。

 あそこに……さっきの録音データがはいっているんだよな……。そう考えると、恥ずかしくなってくる。そして――無性に、あのデータが欲しくなる。

 だって、あの智駿さんの声。もう一度、いや何度でも聴きたくてたまらない。一人の夜には、あの声を聴きたい……。



「――ごめんっ、智駿さん!」



 激しい罪悪感に駆られながら、俺は智駿さんのスマートフォンを手に取った。そして、データを送るためのメッセンジャーを起動する。



「……ん?」



 人のケータイを勝手に覗く彼女的なことをしてしまっていることに強い罪の意識が芽生えて、だから余計なことは一切せずにさっさとデータを転送しようと思った。けれど、うっかり視界にはいったものが俺の目を捉えて離さない。

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