しーちゃん

ごむらば

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#2 着ぐるみしーちゃん

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大抵、店の入口にいる【しーちゃん】は僕が店に入ると、僕の足元にやってきておススメ商品やお得な商品の所を案内してくれる。

俺が【しーちゃん】に勧められた商品を買うかどうかしばらく悩んでいると、再び足元へやって来て買ってと言わんばかりに可愛くアピールする。
僕はいつも【しーちゃん】のその可愛さに負けて商品を購入してしまう。

そして僕が購入を決めると僕の前をヨチヨチ歩いてレジへ誘導してくれる。

あの小さな着ぐるみが気になり、店長に【しーちゃん】の中に誰が入っているのか聞いてみた。
店長はうちの娘が中に入っていて、お店を手伝ってくれている事は教えてくれたが、それ以上の事は教えてくれなかった。

ただ、今の【しーちゃん】は2代目で、初代の【しーちゃん】は水色だった事、そしてごく稀に水色の【しーちゃん】が現れる事も教えてくれた。

僕の中では店長の小学生くらいの娘さんが【しーちゃん】の中に入っているのかなぁと推測し、それ以上の詮索はやめた。

2代目【しーちゃん】はセール商品がある時はその小さな体に特製のウエットスーツを着て、ゴーグル、シュノーケル、BCジャケットを装着しセール商品をアピールしている。

特に買う物が無くても、その可愛い【しーちゃん】に出会うためにお店を訪れるようになっていた。


大学の授業のない空き時間を利用して、お店に行く事が多く、その時間はお客さんもほとんどいない。
そのため、【しーちゃん】は僕の事を覚えてくれたようで、お店に行くといつも僕の足元にまとわりつくようになっていた。
そして、帰る時は店の出口まで見送ってくれる。

可愛い物好きの真奈美も【しーちゃん】を見たらきっと喜んでくれる。
そう思い真奈美とのデートのたびに誘ってみたが、素っ気なく断れていた。
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