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第2章 新たなる観察
#6 メイキング
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子供達にかくまわれていたサナギは蜘蛛へと変体を遂げるのだが、
今回も蜘蛛の着ぐるみを着て尖った手脚を折りたたみサナギへ入れられる。
毎回のことながら、サナギに入れられてから撮影が始まるまで時間がかかる。
その間、ジッと待機しているのだが、今回はだんだんと息苦しくなってきた。
そして、今回の蜘蛛はスタッフの手を借りず、蜘蛛の尖った手脚を使い
自分でサナギを破って外へ出なければならなかった。撮影が始まり、
折りたたんでいた手脚を伸ばしてサナギを破る。
手と脚は外へ出たが躰部分はサナギが被ったまま取れない。
焦って前肢を動かすが先が尖っていて思うようにいかない。
焦りと息苦しさで汗が吹き出てくるのを感じながら、気を失ったようで、
気が付いたときは着ぐるみを脱がされてソファで横になっていた。
サナギからの脱皮のシーンは撮りなおしになり、私の代わりに桃子が嫌がりもせず、
蜘蛛に入り演じてくれたことをあとで知った。
その後の蜘蛛は私がすべて責任をもって演じた。
蜘蛛は子供達の家の倉庫を拠点に周りの店などを襲い人々を糸で包んで繭に変えていく。そこへパープルドールが現れて、戦いが始まる。
蜘蛛に抱きつかれて身動きが取れない状態のままで、
蜘蛛は自分ごと糸を巻きつけて繭を作る。
その繭はバランスを崩し倒れて転がりだす。転がった先には池があり、
2匹が入った繭が池に落ちる。そして、しばらくは動きながら池に浮いていたが、
次第に沈み池の中へ消えていく。その後、仰向けで浮かんできたのは裸の女性。
浮かんできた女性が、岸へ吸い寄せられるように移動する。
その女性は岸に着くと立ち上がり、蜘蛛が作った繭に触れると繭に
包まれていた人達が繭から出てきた。その出てきた人達の目は紫色をしている。
そして、繭に触れた女性は完全な人間体で目が紫色に光りエンディングとなった。
最後のシーン、パープルドールに蜘蛛が糸を巻きつけていくのは、
私が机に座りパープルドールに4つの脚で抱きつくようにし、
スタッフが私達に糸を巻きつけていく。カメラは机が映らないように撮影していた。
糸をそのまま全身をぐるぐる巻きにして繭ができるところまでは台本通りだった。
しかし、私が桃子に大丈夫かと聞いたときバランスを崩して倒れ、坂を転がりだした。
慌ててなんとかしようと手足を動かすが、繭の中で身動きが全く取れない状態で、
池へ落ちてしまった。徐々に入ってくる水に2人ともパニックになり激しく動く。
当初、監督は撮影を止めるつもりだったが、一連の流れを見ていて使えると
思いカメラを回し続けたそうだ。さすがに2人が沈み始めたときは焦って、
撮影を止めたらすぐに助けられる体制をとって沈むと同時に助け上げた。
ということだったが、繭の中ではどんどん水が入ってくる恐怖の中、
息を止めてひたすら助けを待った。
その時間は実際には短い時間であったが、私達には物凄く長い時間に感じた。
池から助けあげられ、繭から出されたとき、桃子はずぶ濡れの着ぐるみのまま座り込み、恐怖からか顔を押さえて泣いてしまった。
前作でもあった、監督のトラブルを利用して撮影するやり方は気に入らなかったので、
着ぐるみを着たまま監督に抗議していた。
自分では分からなかったが、かなり怒っていたようで、
着ぐるみの尖った脚でついた地面に複数穴が空いていた。
監督も素直に謝ってくれたのでその場はそれで落ち着いたが、
最終回のメイキングでは、繭から出され顔を押さえて泣いているパープルドール、
監督に詰め寄る蜘蛛がしっかりと撮影されて流された。
私はこれを見たときは呆れてなにも言えなかった。
色々なことがあったが、振り返れば楽しく撮影できたと今は思う。
そして、撮影を通じて仲良くなった崎田桃子とは今も夫には内緒で時々遊びに行っている。
おしまい
今回も蜘蛛の着ぐるみを着て尖った手脚を折りたたみサナギへ入れられる。
毎回のことながら、サナギに入れられてから撮影が始まるまで時間がかかる。
その間、ジッと待機しているのだが、今回はだんだんと息苦しくなってきた。
そして、今回の蜘蛛はスタッフの手を借りず、蜘蛛の尖った手脚を使い
自分でサナギを破って外へ出なければならなかった。撮影が始まり、
折りたたんでいた手脚を伸ばしてサナギを破る。
手と脚は外へ出たが躰部分はサナギが被ったまま取れない。
焦って前肢を動かすが先が尖っていて思うようにいかない。
焦りと息苦しさで汗が吹き出てくるのを感じながら、気を失ったようで、
気が付いたときは着ぐるみを脱がされてソファで横になっていた。
サナギからの脱皮のシーンは撮りなおしになり、私の代わりに桃子が嫌がりもせず、
蜘蛛に入り演じてくれたことをあとで知った。
その後の蜘蛛は私がすべて責任をもって演じた。
蜘蛛は子供達の家の倉庫を拠点に周りの店などを襲い人々を糸で包んで繭に変えていく。そこへパープルドールが現れて、戦いが始まる。
蜘蛛に抱きつかれて身動きが取れない状態のままで、
蜘蛛は自分ごと糸を巻きつけて繭を作る。
その繭はバランスを崩し倒れて転がりだす。転がった先には池があり、
2匹が入った繭が池に落ちる。そして、しばらくは動きながら池に浮いていたが、
次第に沈み池の中へ消えていく。その後、仰向けで浮かんできたのは裸の女性。
浮かんできた女性が、岸へ吸い寄せられるように移動する。
その女性は岸に着くと立ち上がり、蜘蛛が作った繭に触れると繭に
包まれていた人達が繭から出てきた。その出てきた人達の目は紫色をしている。
そして、繭に触れた女性は完全な人間体で目が紫色に光りエンディングとなった。
最後のシーン、パープルドールに蜘蛛が糸を巻きつけていくのは、
私が机に座りパープルドールに4つの脚で抱きつくようにし、
スタッフが私達に糸を巻きつけていく。カメラは机が映らないように撮影していた。
糸をそのまま全身をぐるぐる巻きにして繭ができるところまでは台本通りだった。
しかし、私が桃子に大丈夫かと聞いたときバランスを崩して倒れ、坂を転がりだした。
慌ててなんとかしようと手足を動かすが、繭の中で身動きが全く取れない状態で、
池へ落ちてしまった。徐々に入ってくる水に2人ともパニックになり激しく動く。
当初、監督は撮影を止めるつもりだったが、一連の流れを見ていて使えると
思いカメラを回し続けたそうだ。さすがに2人が沈み始めたときは焦って、
撮影を止めたらすぐに助けられる体制をとって沈むと同時に助け上げた。
ということだったが、繭の中ではどんどん水が入ってくる恐怖の中、
息を止めてひたすら助けを待った。
その時間は実際には短い時間であったが、私達には物凄く長い時間に感じた。
池から助けあげられ、繭から出されたとき、桃子はずぶ濡れの着ぐるみのまま座り込み、恐怖からか顔を押さえて泣いてしまった。
前作でもあった、監督のトラブルを利用して撮影するやり方は気に入らなかったので、
着ぐるみを着たまま監督に抗議していた。
自分では分からなかったが、かなり怒っていたようで、
着ぐるみの尖った脚でついた地面に複数穴が空いていた。
監督も素直に謝ってくれたのでその場はそれで落ち着いたが、
最終回のメイキングでは、繭から出され顔を押さえて泣いているパープルドール、
監督に詰め寄る蜘蛛がしっかりと撮影されて流された。
私はこれを見たときは呆れてなにも言えなかった。
色々なことがあったが、振り返れば楽しく撮影できたと今は思う。
そして、撮影を通じて仲良くなった崎田桃子とは今も夫には内緒で時々遊びに行っている。
おしまい
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