命が宿るのはその肉体ではないだろうか

シラクサとパンタリカの岩壁墓地遺跡

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2話 死ではない死について

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 人間の脳は常に変化し続ける、意識も細胞も不変のものではないのだ。この考えは常に私の頭の中をぐるぐると回っていた。いくら私が手術を拒否し続けても、私は常に死に続け生まれ変わり続けているのだ。意識と細胞の変化に加えてナノコンピュータの移り変わりが増加した程度で私という存在は私にとって同じものなのではないか?
 
 ナノコンピュータの脳に置換する前と後では人間は少なからず老いているので、もちろん意識、思考も変化している。しかし他者からその人を見たときナノコンピュータに置換したことで変化を感じたという人間はほとんどいないのだ。もちろん私のように置換に多大なストレスを感じていることで性格に変化が生じている人間はいるだろう。しかしほとんどの人間はなにげなしに手術を受けるため優しい人間は優しいまま、怒りやすい人間は怒りやすいままと他者からは変化を感じないのだ。しかし私は恐れている、もし私という人間がナノコンピュータに変わることで死んでしまうとどうなるのだろうか?私は死に、私のコピーが世界に存在し続け誰からも悲しまれることなく世界は動く。誰もわたしを惜しむことがないのだ。

 死というだけで十分恐れる対象なのに普通ではない死という異常性を私は感じてしまい、どうしても動じてしまうというのも一つの躊躇する要素であった。

追記:続きます
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