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アルコール転落記
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部屋の前に荷物を置きポケットに手を入れる。
汗ばんだ指で鍵を取り出しながら脇の下を嗅いで見る。
最近、職場の若い女子から臭いって言われてるような気がする。被害妄想だろうか?
臭いと言えば臭いが汗をかいてりゃこれくらい普通じゃないのか?
自分の体臭は分からないというが…
身体中に汗がまとわりつき不快だ。
今年は空梅雨らしい。曇天でジメジメした空気が澱んでいる。
もう、今年も半分過ぎたのか…
年をとると時間の流れが早いというのは本当だ。
もう50歳か…
ぞっとする。
気持ちは高校生の時と変わらないのに。
しかし、膝の痛みが加齢という現実を突きつける。
エレベーター無しの4階は正直辛いが、引っ越しするのは面倒だし、そんな金もない。
部屋の電気を付け、エコバッグを冷蔵庫の前に置く。
ポケットからレシートを取り出し、チェックする。
ざっと見た限りだが計算間違いはないようだ。今日のレジはベトナム人だか中国人だか知らないがなんとなく外国人は信用できない。
レシートを見ているとため息が出る。一週間分の買い物で1000円札が3枚消えた。
いつも思う。激安スーパーで知られているが、実際はそれ程安い訳でもないって。
今日は値引き惣菜をゲットできてラッキーだった。勝率は5割くらいか。
腹が鳴った。
まず食事にしよう。
ジットリ濡れたTシャツを脱ぎながらクーラーをつけるべきか悩む。毎月の電気代も悩みの種。あれこそ計算間違ってるんじゃないかと思う。
買ってきたばかりの紙パック入り赤ワインを冷蔵庫に移している時、また年齢の事が頭をよぎり不愉快になる。
明日は休みだから少々飲み過ぎても大丈夫だと思うと気分が良くなった。
目が覚めると昼前だった。
自己嫌悪。
せっかくの休日を半分無駄にしてしまうとは…
ベッドから降りた途端足元がふらついて床に手をついてしまった。頭痛と胃のあたりに不快感。
こんな状態になるのは久しぶり。
テーブルにたどり着き紙パックを持ち上げる。1・8リッターの半分ほど空になっているが飲み始めた後の記憶が全くない。
こんな事本当に久しぶりだ。
椅子に座りこみ目を閉じる。
ワインは悪酔いすると言うが…
突然、猛烈な便意に襲われる。
トイレに駆け込む。
便座に座った瞬間、大量の軟便が噴出する。
悪臭に包まれ頭を抱え込む。
しばらく酒やめよう。
蝉の鳴き声がうるさい。
窓を閉めてクーラーをつければ良いと分かってはいるが電気代が…
日光が眩しすぎて目を閉じる。
ベッドから降りて窓に近づきカーテンを引く。
カーテンがわずかに風でそよぐ。暑さが耐え難い程だと今気づいた。身体中汗で濡れていて気持ち悪い。
酷い頭痛と吐き気のせいでそんな事すら分からなかった。
最近飲み過ぎだ。いくら休みの前だけとは言えこれはマズイ。
酒やめよう。本気でそう思うの何度目だろう。
ストレスを酒で忘れようとするのは良くない。これも何度目だろうか?
昨日の記憶が甦る。
昼休み,職場の若い女子どもが集まって何やら盛り上がっている。
聞きたくなくても声が大きいので耳に入ってくる。
ああ、また韓国人歌手の話か
気持ち悪い。男の癖にあんな化粧しやがって。
急に彼女達が黙り込み気まずそうな顔で目を伏せる。
こちらの視線に気づいたらしい。
職場での私は腫れ物だ。
それは自覚している。キャリアも長いし仕事もできるから皆表向きはこちらを立ててくれる。
しかし、それは敬して遠ざけるって奴。
私が悪いのだろうか?
一応正社員とは言え給料は安い。しょっちゅう転職を考えて実際に探しているが、この年ではまず見つからないだろう。
テーブルの上にビッグサイズのインスタントラーメンがあるのに気づく。昨日安売りしてたので買ったのは覚えているが作って食べた記憶は全くない。
中味が半分程残っているのが無性に腹立たしい。
にしても電気ケトルだから火事の危険はないがヤケドはヤバい。
記憶なくなるまで飲むのはやめなきゃ。
いやそうじゃない。しばらく酒自体を…
とりあえずシャワー浴びよう。二日酔いで本当は動くのも億劫だが汗まみれの気持ち悪さの方が耐え難い。
服を脱ぎながら洗面所の鏡から目をそらす。そこに映る典型的中年太りを見たくない。
我ながらみっともないとは思うが、ダイエットや運動をする気にもなれない。
浴室でシャワーのバルブを開き頭から冷水を浴びる。
カミソリがない事に気づく。切れ味が悪くなって捨てたんだっけ?新しいの取りに行くの面倒。
ま、別にいいか…
少し肌寒い。
もう10月か。早い。早すぎる。
また完全に二日酔い。自己嫌悪。
こんな事続けてたらマズイって分かってはいるのだが…
床に転がるストロング系酎ハイの空缶を見ながらそう思う。
アレの飲み過ぎは特にヤバいって事は分かってる。
だから飲まないようにしていたのだがついに手を出してしまった。確かに安いし口当たりが良い。500ミリ3本買って来て今全部空になって床に転がっているが一本目を開けた所までしか覚えていない。
これが続くと本当にマズイ。
床には他にポテチの袋が。
中味が少し周りに散らばっているが一袋ほぼ全部食べたらしい。
これも全く覚えていない。
人間の脳細胞は普通の状態でも毎日数十万単位で消えていくらしいが記憶失くすまで飲むと消失量が何倍にも増えるという話をどこかで聞いた事がある。
そういえば最近人や物の名前を思い出せない事がよくある。
この年では当たり前?それとも…
「分かりました。ホント心配したんですよ。お大事に」
ホッとしている課長の顔が頭に浮かぶ。
昼近くになっての欠勤報告。アラフィフ独り者だ。急な体調不良で死亡みたいな事想像してたのだろうか?
腹痛のせいでとか嘘をついたが実際は単に飲み過ぎて起きれなかっただけ。スマホのアラーム全く役に立たないくらい爆睡してたって事。
目が覚めたら11時を回っていて血の気が引いた。
休みの前日以外にあんなに飲むべきではなかった。
こんな事続けてりゃ本当に最期は孤独死だ。
酒やめなきゃ…
パソコンを立ち上げると動画サイトを開きなんとか言う韓国のグループのMVを再生。このグループ名なんて読むのか分からない。アルファベットと数字の羅列。読めない名前付けんな。
曲が流れ始め、すぐに音量をゼロにする。メロディアスでサビのある曲が好きな者からすりゃ単なる雑音。
昼間の出来事を思いだし猛烈に腹が経ってきた。
職場の女子共の陰口を聞いてしまった。アイツら私があそこに居るなんて全く気づいてなかった。
あれが誰の事を指していたかは明らか。
キモい。暗い。
そして臭い。
そんなの分かってたよ。好きでキモくて暗くて臭い訳じゃない。
コメント欄に「こんな整形グループのどこがいいの?」と書いて送信ボタンを押したが反映されなかった。
整形がNGワード設定されているのか?
「男の癖に化粧濃すぎ」と入力して送信。
よし。
動画再生途中だがサイトを閉じテーブルの上からストロング系酎ハイの缶を取り1口。
うまい。
韓国ディスサイトを幾つか見てさっきのMVの動画を再び開く。
書き込んでから30分程経ってるが返信通知はないのが不満。
さっきのコメントは削除されていた。
クソ!
酎ハイを一気に流し込む。
アルコール臭いゲップが出た。
又別のトコに書き込んでやる。
今日はクリスマス・イヴらしい。
午後11時を回っている。
今頃カップル連中はお楽しみの最中か。
私は一人の部屋で缶酎ハイを飲んでいる。
もう4本目。500×4で2リッターか。凄い量だ。水じゃとても飲めない。
かなり酔いが回っている。顔が熱い。トレーナーの袖をまくる。明日も仕事だ。この辺でやめないと…
スマホを見る。充電は大丈夫だったっけ?
動画コメント欄の返信通知が来ていた。
反射的にタップしてしまった。
「そんな事わざわざ書き込むなんて人間として終わってますねwww」
K-POPファンおちょくりコメントへの珍しい返信。ほぼスルーされるのだが。
着信は4時間前。酒を飲み始めた頃か。今日は残業がなくて早帰りして…
アイコンは若い女だった。本人だろうか?
いかにもリア充という感じ。
今頃彼氏と過ごしているのだろうか?
「人間として終わってますね」
若く可愛らしい女の声で再生された。
そういえば職場の女子共もそそくさと帰って行ったが…
部屋を見回す。ガランとした空間。寒ざむしいのは暖房をつけてないせいだけではない。
さみしい。
突然そんな思いが強烈に胸に込み上げてきた。
アルコールをやめられなかった理由が今分かった。
何かに突き動かされるまま立ち上がり窓に近づいてサッシを一気に開く。
冷たい風が火照った頬に心地よい。少し酔いが覚めたような気がする。
裸足でベランダに出る。手すりにもたれ掛かる。右手に缶酎ハイを持ったままだった事に気づく。
目の前に見えるのは南海電車の高架。折しも車両が轟音と共に通過する。引っ越してきてすぐにこの音にも慣れてしまった。
孤独にも慣れたと思っていたが…
人間として終わってますね…か。
高架の照明に自分の二の腕が白々しく光っている。剛毛が密生している。
年齢=彼氏いない歴の50女。
ふと、そんな事が頭をよぎる。
右手の缶酎ハイが滑り落ち4階下で金属音を立てる。
酔いと頭の重みで体が前に傾いていくのが分かるが、それをとめようという気にもならない。
汗ばんだ指で鍵を取り出しながら脇の下を嗅いで見る。
最近、職場の若い女子から臭いって言われてるような気がする。被害妄想だろうか?
臭いと言えば臭いが汗をかいてりゃこれくらい普通じゃないのか?
自分の体臭は分からないというが…
身体中に汗がまとわりつき不快だ。
今年は空梅雨らしい。曇天でジメジメした空気が澱んでいる。
もう、今年も半分過ぎたのか…
年をとると時間の流れが早いというのは本当だ。
もう50歳か…
ぞっとする。
気持ちは高校生の時と変わらないのに。
しかし、膝の痛みが加齢という現実を突きつける。
エレベーター無しの4階は正直辛いが、引っ越しするのは面倒だし、そんな金もない。
部屋の電気を付け、エコバッグを冷蔵庫の前に置く。
ポケットからレシートを取り出し、チェックする。
ざっと見た限りだが計算間違いはないようだ。今日のレジはベトナム人だか中国人だか知らないがなんとなく外国人は信用できない。
レシートを見ているとため息が出る。一週間分の買い物で1000円札が3枚消えた。
いつも思う。激安スーパーで知られているが、実際はそれ程安い訳でもないって。
今日は値引き惣菜をゲットできてラッキーだった。勝率は5割くらいか。
腹が鳴った。
まず食事にしよう。
ジットリ濡れたTシャツを脱ぎながらクーラーをつけるべきか悩む。毎月の電気代も悩みの種。あれこそ計算間違ってるんじゃないかと思う。
買ってきたばかりの紙パック入り赤ワインを冷蔵庫に移している時、また年齢の事が頭をよぎり不愉快になる。
明日は休みだから少々飲み過ぎても大丈夫だと思うと気分が良くなった。
目が覚めると昼前だった。
自己嫌悪。
せっかくの休日を半分無駄にしてしまうとは…
ベッドから降りた途端足元がふらついて床に手をついてしまった。頭痛と胃のあたりに不快感。
こんな状態になるのは久しぶり。
テーブルにたどり着き紙パックを持ち上げる。1・8リッターの半分ほど空になっているが飲み始めた後の記憶が全くない。
こんな事本当に久しぶりだ。
椅子に座りこみ目を閉じる。
ワインは悪酔いすると言うが…
突然、猛烈な便意に襲われる。
トイレに駆け込む。
便座に座った瞬間、大量の軟便が噴出する。
悪臭に包まれ頭を抱え込む。
しばらく酒やめよう。
蝉の鳴き声がうるさい。
窓を閉めてクーラーをつければ良いと分かってはいるが電気代が…
日光が眩しすぎて目を閉じる。
ベッドから降りて窓に近づきカーテンを引く。
カーテンがわずかに風でそよぐ。暑さが耐え難い程だと今気づいた。身体中汗で濡れていて気持ち悪い。
酷い頭痛と吐き気のせいでそんな事すら分からなかった。
最近飲み過ぎだ。いくら休みの前だけとは言えこれはマズイ。
酒やめよう。本気でそう思うの何度目だろう。
ストレスを酒で忘れようとするのは良くない。これも何度目だろうか?
昨日の記憶が甦る。
昼休み,職場の若い女子どもが集まって何やら盛り上がっている。
聞きたくなくても声が大きいので耳に入ってくる。
ああ、また韓国人歌手の話か
気持ち悪い。男の癖にあんな化粧しやがって。
急に彼女達が黙り込み気まずそうな顔で目を伏せる。
こちらの視線に気づいたらしい。
職場での私は腫れ物だ。
それは自覚している。キャリアも長いし仕事もできるから皆表向きはこちらを立ててくれる。
しかし、それは敬して遠ざけるって奴。
私が悪いのだろうか?
一応正社員とは言え給料は安い。しょっちゅう転職を考えて実際に探しているが、この年ではまず見つからないだろう。
テーブルの上にビッグサイズのインスタントラーメンがあるのに気づく。昨日安売りしてたので買ったのは覚えているが作って食べた記憶は全くない。
中味が半分程残っているのが無性に腹立たしい。
にしても電気ケトルだから火事の危険はないがヤケドはヤバい。
記憶なくなるまで飲むのはやめなきゃ。
いやそうじゃない。しばらく酒自体を…
とりあえずシャワー浴びよう。二日酔いで本当は動くのも億劫だが汗まみれの気持ち悪さの方が耐え難い。
服を脱ぎながら洗面所の鏡から目をそらす。そこに映る典型的中年太りを見たくない。
我ながらみっともないとは思うが、ダイエットや運動をする気にもなれない。
浴室でシャワーのバルブを開き頭から冷水を浴びる。
カミソリがない事に気づく。切れ味が悪くなって捨てたんだっけ?新しいの取りに行くの面倒。
ま、別にいいか…
少し肌寒い。
もう10月か。早い。早すぎる。
また完全に二日酔い。自己嫌悪。
こんな事続けてたらマズイって分かってはいるのだが…
床に転がるストロング系酎ハイの空缶を見ながらそう思う。
アレの飲み過ぎは特にヤバいって事は分かってる。
だから飲まないようにしていたのだがついに手を出してしまった。確かに安いし口当たりが良い。500ミリ3本買って来て今全部空になって床に転がっているが一本目を開けた所までしか覚えていない。
これが続くと本当にマズイ。
床には他にポテチの袋が。
中味が少し周りに散らばっているが一袋ほぼ全部食べたらしい。
これも全く覚えていない。
人間の脳細胞は普通の状態でも毎日数十万単位で消えていくらしいが記憶失くすまで飲むと消失量が何倍にも増えるという話をどこかで聞いた事がある。
そういえば最近人や物の名前を思い出せない事がよくある。
この年では当たり前?それとも…
「分かりました。ホント心配したんですよ。お大事に」
ホッとしている課長の顔が頭に浮かぶ。
昼近くになっての欠勤報告。アラフィフ独り者だ。急な体調不良で死亡みたいな事想像してたのだろうか?
腹痛のせいでとか嘘をついたが実際は単に飲み過ぎて起きれなかっただけ。スマホのアラーム全く役に立たないくらい爆睡してたって事。
目が覚めたら11時を回っていて血の気が引いた。
休みの前日以外にあんなに飲むべきではなかった。
こんな事続けてりゃ本当に最期は孤独死だ。
酒やめなきゃ…
パソコンを立ち上げると動画サイトを開きなんとか言う韓国のグループのMVを再生。このグループ名なんて読むのか分からない。アルファベットと数字の羅列。読めない名前付けんな。
曲が流れ始め、すぐに音量をゼロにする。メロディアスでサビのある曲が好きな者からすりゃ単なる雑音。
昼間の出来事を思いだし猛烈に腹が経ってきた。
職場の女子共の陰口を聞いてしまった。アイツら私があそこに居るなんて全く気づいてなかった。
あれが誰の事を指していたかは明らか。
キモい。暗い。
そして臭い。
そんなの分かってたよ。好きでキモくて暗くて臭い訳じゃない。
コメント欄に「こんな整形グループのどこがいいの?」と書いて送信ボタンを押したが反映されなかった。
整形がNGワード設定されているのか?
「男の癖に化粧濃すぎ」と入力して送信。
よし。
動画再生途中だがサイトを閉じテーブルの上からストロング系酎ハイの缶を取り1口。
うまい。
韓国ディスサイトを幾つか見てさっきのMVの動画を再び開く。
書き込んでから30分程経ってるが返信通知はないのが不満。
さっきのコメントは削除されていた。
クソ!
酎ハイを一気に流し込む。
アルコール臭いゲップが出た。
又別のトコに書き込んでやる。
今日はクリスマス・イヴらしい。
午後11時を回っている。
今頃カップル連中はお楽しみの最中か。
私は一人の部屋で缶酎ハイを飲んでいる。
もう4本目。500×4で2リッターか。凄い量だ。水じゃとても飲めない。
かなり酔いが回っている。顔が熱い。トレーナーの袖をまくる。明日も仕事だ。この辺でやめないと…
スマホを見る。充電は大丈夫だったっけ?
動画コメント欄の返信通知が来ていた。
反射的にタップしてしまった。
「そんな事わざわざ書き込むなんて人間として終わってますねwww」
K-POPファンおちょくりコメントへの珍しい返信。ほぼスルーされるのだが。
着信は4時間前。酒を飲み始めた頃か。今日は残業がなくて早帰りして…
アイコンは若い女だった。本人だろうか?
いかにもリア充という感じ。
今頃彼氏と過ごしているのだろうか?
「人間として終わってますね」
若く可愛らしい女の声で再生された。
そういえば職場の女子共もそそくさと帰って行ったが…
部屋を見回す。ガランとした空間。寒ざむしいのは暖房をつけてないせいだけではない。
さみしい。
突然そんな思いが強烈に胸に込み上げてきた。
アルコールをやめられなかった理由が今分かった。
何かに突き動かされるまま立ち上がり窓に近づいてサッシを一気に開く。
冷たい風が火照った頬に心地よい。少し酔いが覚めたような気がする。
裸足でベランダに出る。手すりにもたれ掛かる。右手に缶酎ハイを持ったままだった事に気づく。
目の前に見えるのは南海電車の高架。折しも車両が轟音と共に通過する。引っ越してきてすぐにこの音にも慣れてしまった。
孤独にも慣れたと思っていたが…
人間として終わってますね…か。
高架の照明に自分の二の腕が白々しく光っている。剛毛が密生している。
年齢=彼氏いない歴の50女。
ふと、そんな事が頭をよぎる。
右手の缶酎ハイが滑り落ち4階下で金属音を立てる。
酔いと頭の重みで体が前に傾いていくのが分かるが、それをとめようという気にもならない。
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