そこは獣人たちの世界

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第一章

強避妊薬

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「それで、今飲んだのはどういう薬なの?一応避妊薬ではあるんだろうけど。」

ちゃんと飲んでからでも聞いてはおきたい。単純に気になるからってのが一番だけど、何よりこの世界の知識にもつながるし。

「あぁ、わかってる。今飲んだのは強避妊薬。名前の通り避妊薬の強いものだな。」

「名前の通りだね。どう強いの?」

「ん?えっと、なんだったか。ちょっとまってろ。」

カサカサと小さく神の音がして、ガロが下の方を向く。カンニングペーパーだよねそれ?まぁいいけど、ちょっと不安なところがあっただけかもだし。

「強避妊薬は体内の魔素が持つ属性の流れを完全に断つんだ。そして子供がができるのはお互いの魔素の属性同士が混ざり合うことで孕むみたいだ。だからお互いがこの薬を飲めばほぼ確実に子供ができることはないんだ。」

「へー、それなら初めからこっち使ってたほうがよかったのかな?」

「そうとも言えねぇ。これは昼に飲んで避妊の効力が一番出るのは夕飯の後になるが、飲んですぐから魔力の属性の流れが切れ始める。ろくに魔法は使えなくなるし、属性が強すぎるやつは慣れてねぇと嘔吐したりする。」

わお、吐き気って症状自体はあるんだね。そしてこの薬でそれが起きうると。ちょっと怖い薬かもしれないね。気軽には使えないってことだろうし。

「ちなみに僕は平気なのかな?今のところ気持ち悪くなってないけど。」

「加護受けたのは昨日だし、属性検証の訓練もうけてない。まだキオの中の属性は小さなもののはずだ。よほど強い加護を受けてない限りはな。だがその場合はあの加護を貰う時にもっとキオに光が集まっていたはずだからな。」

「そ、そんなことになってたんだ。目をつぶってたからわからなかったよ。」

すごく魔法チックな光景なのに見逃してしまったのは残念だけど、目をつぶってないと加護はもらえなかったんだろうから仕方ない。魔道具は石でいろいろできてすごいなとは思うけど、使ってる分にはあんまり魔法っぽさを感じないんだよね。

「一応大丈夫だとは思ってたが、吐かなくてよかった。そんな感じの悪影響もあるから特に冒険者にはあまり好まれてないんだ。」

「あー、特に魔法が使えなくなるってのはきついかもね。ガロは大丈夫なの?」

「俺はこの薬は昔は使ってたからな。久しぶりだが属性の流れが消えることでの吐き気はそれほど感じねぇよ。」

「そうなんだ。でもこれ飲んだらあしたは魔法使えないんじゃないの?」

「昼に飲むのは次の日は普通に魔法を使えるようにするためでもあるんだ。朝のころにはすっかり効力は抜けてるさ。」

なるほど、いろいろ考えて作られた薬ってことか。そこまでのものにするのに時間はかかったんだろうなぁ。元の世界でも薬の開発には途方もない時間がかかってたはずだ。いや、もしかしたら魔法で作られてて案外あっさり開発されてたりして?

「とりあえず薬のことはわかったよ。で、なんでこれを飲んだの?」

「あぁ、そっ値も聞くんだな。夜に話してもいいかと思ってたんだが、聞くか?」

「せっかくだから聞いておこうかな?」

「はぁ、わかった。そのだな。俺のコブまでキオの中に入れたくなったんだ。」

「・・・え?」

コブまで入れたくなったって、ガロの拳くらいあるんじゃないかと思うくらい大きいあのガロの根元のコブだよね?それを僕に入れるってこと?

「そ、その、は、入らないと思うんだよね。まだ二回しか僕受け入れたことないし、あの大きさはさすがに・・・」

「そこの心配はない。弛緩ジェルを買ってきたからな。それを付ければ一時的にかなり柔らくなる。それでも無理そうなら無理に入れないさ。」

「そ、そっか。試してみるってことなんだよね?それならまぁ、いいよ。」

本当にガロのを全部入れられることになるかもしれないと思うと、すさまじくドキドキする。だってそれほどに僕に突き入れたいってことなんだろうから。でも、ドキドキしててもちゃんとわかんないことは聞いておかないとね。

「それで、その、コブまで入れるのと強避妊薬とは関係性があるの?」

「あぁ、そうだな。コブまで入れた状態で出すといつも以上に濃いのを大量に中に出すことになる。まぁそういう精液を出すと当然魔素も濃くなる。ちょっとやそっとじゃない。否認してなきゃ数秒で確実に孕むだろうな。それなのに、コブまで入れた後大きく膨らむから出し切るまではまず抜けねぇ。」

ゴクリと思わず唾をのんでしまった。だって昨日と一昨日だっていっぱい出されてちょっとおなか重いかなって思うくらいだったのに、それ以上に濃くて、それ以上の量を淹れられちゃうかもしれないってこと、だよね?

「ん、ちょっと怖くなったか?」

「え?」

「そんな感じの表情してたからだ。もし怖いならやめておくぞ?」

「いや、怖いってことはないと思う。多分。その、ちょっと緊張しちゃっただけ。」

「今から緊張か?夕飯までもまだ長いぞ?」

ちょっとにやけ面でそんなこと言われても、しょうがないじゃん。だってそもそも行為自体もまだ慣れたわけじゃないんだから。あぁもう、ちょっとだけはなし変えよう!

「そ、それで!そういうのって他種族でもあるの?犬種とかだとコブを淹れたらそうなるっていうのはわかるけど。」

「あるな。猫族のは小さい棘が付いてるそうなんだが、普通に絡む分には棘は開かず、相手の中も傷つけないらしい。でも相手の首元に噛みつきながらやると棘が開いて相手の中をちょっと傷つけちまうくらいに刺激するそうだ。そうすることで相手もより相手を受け入れやすくなるとか何とか。」

「おうふ、ちょっと流血系は勘弁。そこはガロでよかった、かな?」

「なにいってんだ。他の種族もそういう感じで何かしらの追加行為で本気で孕ませるほうのが出るらしいが、一番きつそうだったのは豚種だな。なんでも根元まで入れるだけでだめらしいから半分までで基本我慢するらしいぞ。」

「そうなんだ、それは確かにちょっと生殺しかもね。」

やっぱやるなら奥まで入れたくなるんだろうなとは思う、だってガロだって僕にコブまで入れたいって思ってるみたいだし。

「まぁ要するにだ、俺が入れたいってもあるが、そっちの方のを取り込んだら、より樹央が狼種の姿でいる時間も長くなりそうだろ?」

「おー、確かにそうだね。ってあれ、なんかむずむずしてきたかも。」

体の中心から指先つま先まで来るようなムズムズ感が広がる。多分これ元の姿に戻る予兆だ。

「結構長かったがついに来たか。夜までもつかと思ったが、駄目だったな。」

「そうだね、でも昨日みたいにすぐに戻るって感じじゃないみたい?」

昨日はこのムズムズ感の後すぐに指先が光り始めてたはずだ。でも指先を見つめてるけどまだあの光は出てきてない。
いつ来るかいつ来るかとじっと見つめてるけど全然来ない。もしかしてあのむずむずが前兆だと思ったのが気のせいだったのかなと思ってたらやっと指先が光り始めた。

「うわ、やっと来た。結構予兆から長かったや。」

「そうみたいだな。これだけの時間があればこの町内なら俺が抱えて最速で走って家に戻れば間に合いそうだな。光っても指先からゆっくりのようだしな。」

そう、昨日は指先が光ってから全身が光るまでほとんど時間なかったけど、まだ指が見えなくなったくらいだ。これ結構時間かかるのかなと手が光っていく様を見ていたら、手首まで来たところで一気に目の前が真っ白に光った。
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