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第二章
氷と風
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結局昨日もえらい目にあった。昼は土と樹と改めて爆の練習でよかったけど、一昨日に続いて午後はハンマーでの受け流し練習だった。訓練後はぐったりだったし、腕も痛かったけど、一日寝れば治っちゃうんだよね。多分人間のままだったらとっくに音を上げてる。
今日はギルドじゃなくエレプスさんの爆発属性研究所に氷と風の続映を教えてもらいにきているわけだけど、そのための準備は一応できている。
エレプスさんに習った4属性のお手玉を6属性まで問題なくできるようになった。正直お手玉にすることは簡単だったけど、6属性同時に、同じほどの大きさを出すってのがちょっときつい。8属性は大丈夫だろうか?不安だ。
「おぉ!よく来たねキオ君!スクラプが中で待っている。さぁどうぞ。」
「あ、えっと、はい。」
インターフォン替わりの水晶でガロが来たぞと言ったらすぐに切れて、こんな調子で出迎えてくれたわけだ。スクラプさんって人もこんな調子なんだろうか?
この間と同じ客間らしき場所に案内されると、優雅にティーカップを口に運ぶ細身の白い熊種の人が先に座っていた。男性なのか女性なのか、一見では正直わからない。
「おや、来ましたね。一応初対面でしたね、ガロさん。」
発した声まで中性的、性別聞いたりするのは失礼だよなと思ってそっとなりいきを見守る。そのうちわかるだろう。
「お待たせしてしまいましたか?初めまして。スクラプさん。俺のことをご存じでしたか。」
「お茶を飲む程度ですからあまり待っていませんよ。あなたのことはエレプスとカレントから聞いています。冒険者としてはすでにガロさんのほうがSで上ですから、かしこまる必要はないですよ。」
「・・・それもそうだったか。ですが、今回はキオを見てもらうので。」
ガロが僕のことを紹介すると、カップを机においてじっとこちらを見てくる。なんか、分析されてるような感じだ。思わず唾をのむけど、軽くガロが僕をかばおうように手を前に出す。
「おや、見すぎでしたかね。今回は君が面白いものを見せてくれるとエレプスから聞いて来ているんだ。」
「え?えっと・・・」
「6属性の手玉のことだ。完成したのかい?」
「あ、はい。6属性はできるようになりました。」
「ほぉ、ほんとに8属性すべての加護を受けているのか。よろしい、下で見せてくれ。」
「よし、行こうかキオ君!」
なんでエレプスさんまで興奮気味?もともとお手玉を見せたら食いつくって言ってたから見せるつもりではいたからいいんだけど。
立ち上がったスクラプさんは身長的には僕より少し高いくらいなもんだ。立ち上がると余計に全体的にすらっとしてるのがわかる。おそらく白熊なんだろうけど、全然白熊らしさっていうのを感じさせない。ふとこちらにまたスクラプさんが視線をやったのでれほどせず目をそらしたけど、多分じろじろ見てたの気づかれてるだろうな。
訓練所と同じ仕組みの地下で一応障壁も張って準備ができると早速見せることにする。火、水、土、爆、雷、樹と礫を宙に作って回していく。色のグラデーション的に氷と風が入ればもっときれいになるだろう。ゆっくり3週させたところで消滅させる。4週までならできるけけど、ちょっとぎりぎりで消えるのがきれいにならないんだよね。
「えっと、どうでしょうか?」
「おおお!なかなかのものだな。エレプスが仕込んだのだろ?」
「そうだ!ここに氷と風が入れば完璧だと思うだろ?ぜひ教えてあげてほしい。」
「ふむ、それは構わないが、その前に。せっかくなのでわたしも特技を披露しよう。」
「そういって、今浮かんだ創作意欲を発散させたいだけだろう?」
ふんと軽くエレプスさんの言葉をあしらうと、ふっとあたりの空気が冷たくなった気がした。スクラプさんが軽く手をあげると急に僕たちの前の大きな氷の柱のような塊が出来上がる。
その柱を中心にさらに風が巻き起こる。何事かと驚いてるうちに風がやむと、そこにはさっきのお手玉をしている僕の氷の像が出来上がっていた。お手玉してるから6つの氷の礫が僕の像の手元の上で浮いてるけど、魔法なんだから不思議ではないんだよね。
「さすが氷の彫刻家スクラプだ。素晴らしい出来だな。消えるものでなければ持ち帰りたいくらいだ。」
「ガロさんにそう言っていただけて光栄です。えっとキオ君だっけ?君も気に入ったかな?」
「はい!ほんとにすごいですね。氷の像なのに、僕だとすぐにわかる。」
「気に入ったならよかった。残念ながら保存には向いていないのだけれどね。中に質のいい魔石でも組み込めば永続させれなくもないが、わたしはそのはかなさも含めて芸術だと思っているからな。」
へぇ、こういう魔法で作ったようなものを保存する方法もあるのか。質のいい魔石が必要ってことは簡単ではないんだろうけど。
「スクラプ、満足したならキオ君に氷と風を教えてあげるといい。」
「あ、ちょっと待っていただけますか?今のを見たのですごく小さい粒なら作れるかもしれません。」
「ほぉ、今のを見ただけでできるというのか?なら試してみるといい。できなくても教えるので安心してくれて構わないよ。」
「ありがとうございます。ではまず風から。行きます。ウィンドバレット!」
さっき見た風の力をイメージしつつ魔素を集める。ぐっと両手を向かい合わせつつ突き出し魔法の真苗をしっかり口に出せば、やっぱり米粒よりも小さい粒になるけど風の粒が確かに手と手の間に出来上がる。
「・・・ほんとにできちまった。」
「おぉ!すごいなキオ君!氷のほうも出来るかい?」
「はい、やってみます。アイスバレット!」
エレプスさんにせかされていったん風の粒を消して、今度は氷を同じように試せば、風と同じ大きさの粒が両手の中に出来上がる。おぉ、あっけなかったけどこれでほんとに8属性を覚えれたことになる。
「粒は小さいが確かにできているな。先ほどの手玉を作るにはここから訓練が必要だろう?ここでやっていってぜひわたしに完成した8属性の手玉を見せてほしい。」
「ぜひそうするといい!手玉を教えたときのように指導してあげよう!」
「そういってエレプスさんも見たいだけじゃないですか。まぁいい、キオ、俺もできうる限り手伝う。頑張れよ。」
「う、うん。」
なんか期待が重いけど、爆属性の礫を大きくするのはエレプスさんの指導で速かったし、氷と風も何かコツがあるのかもしれない。お言葉に甘えてこの地下を使わせてもらおう。
今日はギルドじゃなくエレプスさんの爆発属性研究所に氷と風の続映を教えてもらいにきているわけだけど、そのための準備は一応できている。
エレプスさんに習った4属性のお手玉を6属性まで問題なくできるようになった。正直お手玉にすることは簡単だったけど、6属性同時に、同じほどの大きさを出すってのがちょっときつい。8属性は大丈夫だろうか?不安だ。
「おぉ!よく来たねキオ君!スクラプが中で待っている。さぁどうぞ。」
「あ、えっと、はい。」
インターフォン替わりの水晶でガロが来たぞと言ったらすぐに切れて、こんな調子で出迎えてくれたわけだ。スクラプさんって人もこんな調子なんだろうか?
この間と同じ客間らしき場所に案内されると、優雅にティーカップを口に運ぶ細身の白い熊種の人が先に座っていた。男性なのか女性なのか、一見では正直わからない。
「おや、来ましたね。一応初対面でしたね、ガロさん。」
発した声まで中性的、性別聞いたりするのは失礼だよなと思ってそっとなりいきを見守る。そのうちわかるだろう。
「お待たせしてしまいましたか?初めまして。スクラプさん。俺のことをご存じでしたか。」
「お茶を飲む程度ですからあまり待っていませんよ。あなたのことはエレプスとカレントから聞いています。冒険者としてはすでにガロさんのほうがSで上ですから、かしこまる必要はないですよ。」
「・・・それもそうだったか。ですが、今回はキオを見てもらうので。」
ガロが僕のことを紹介すると、カップを机においてじっとこちらを見てくる。なんか、分析されてるような感じだ。思わず唾をのむけど、軽くガロが僕をかばおうように手を前に出す。
「おや、見すぎでしたかね。今回は君が面白いものを見せてくれるとエレプスから聞いて来ているんだ。」
「え?えっと・・・」
「6属性の手玉のことだ。完成したのかい?」
「あ、はい。6属性はできるようになりました。」
「ほぉ、ほんとに8属性すべての加護を受けているのか。よろしい、下で見せてくれ。」
「よし、行こうかキオ君!」
なんでエレプスさんまで興奮気味?もともとお手玉を見せたら食いつくって言ってたから見せるつもりではいたからいいんだけど。
立ち上がったスクラプさんは身長的には僕より少し高いくらいなもんだ。立ち上がると余計に全体的にすらっとしてるのがわかる。おそらく白熊なんだろうけど、全然白熊らしさっていうのを感じさせない。ふとこちらにまたスクラプさんが視線をやったのでれほどせず目をそらしたけど、多分じろじろ見てたの気づかれてるだろうな。
訓練所と同じ仕組みの地下で一応障壁も張って準備ができると早速見せることにする。火、水、土、爆、雷、樹と礫を宙に作って回していく。色のグラデーション的に氷と風が入ればもっときれいになるだろう。ゆっくり3週させたところで消滅させる。4週までならできるけけど、ちょっとぎりぎりで消えるのがきれいにならないんだよね。
「えっと、どうでしょうか?」
「おおお!なかなかのものだな。エレプスが仕込んだのだろ?」
「そうだ!ここに氷と風が入れば完璧だと思うだろ?ぜひ教えてあげてほしい。」
「ふむ、それは構わないが、その前に。せっかくなのでわたしも特技を披露しよう。」
「そういって、今浮かんだ創作意欲を発散させたいだけだろう?」
ふんと軽くエレプスさんの言葉をあしらうと、ふっとあたりの空気が冷たくなった気がした。スクラプさんが軽く手をあげると急に僕たちの前の大きな氷の柱のような塊が出来上がる。
その柱を中心にさらに風が巻き起こる。何事かと驚いてるうちに風がやむと、そこにはさっきのお手玉をしている僕の氷の像が出来上がっていた。お手玉してるから6つの氷の礫が僕の像の手元の上で浮いてるけど、魔法なんだから不思議ではないんだよね。
「さすが氷の彫刻家スクラプだ。素晴らしい出来だな。消えるものでなければ持ち帰りたいくらいだ。」
「ガロさんにそう言っていただけて光栄です。えっとキオ君だっけ?君も気に入ったかな?」
「はい!ほんとにすごいですね。氷の像なのに、僕だとすぐにわかる。」
「気に入ったならよかった。残念ながら保存には向いていないのだけれどね。中に質のいい魔石でも組み込めば永続させれなくもないが、わたしはそのはかなさも含めて芸術だと思っているからな。」
へぇ、こういう魔法で作ったようなものを保存する方法もあるのか。質のいい魔石が必要ってことは簡単ではないんだろうけど。
「スクラプ、満足したならキオ君に氷と風を教えてあげるといい。」
「あ、ちょっと待っていただけますか?今のを見たのですごく小さい粒なら作れるかもしれません。」
「ほぉ、今のを見ただけでできるというのか?なら試してみるといい。できなくても教えるので安心してくれて構わないよ。」
「ありがとうございます。ではまず風から。行きます。ウィンドバレット!」
さっき見た風の力をイメージしつつ魔素を集める。ぐっと両手を向かい合わせつつ突き出し魔法の真苗をしっかり口に出せば、やっぱり米粒よりも小さい粒になるけど風の粒が確かに手と手の間に出来上がる。
「・・・ほんとにできちまった。」
「おぉ!すごいなキオ君!氷のほうも出来るかい?」
「はい、やってみます。アイスバレット!」
エレプスさんにせかされていったん風の粒を消して、今度は氷を同じように試せば、風と同じ大きさの粒が両手の中に出来上がる。おぉ、あっけなかったけどこれでほんとに8属性を覚えれたことになる。
「粒は小さいが確かにできているな。先ほどの手玉を作るにはここから訓練が必要だろう?ここでやっていってぜひわたしに完成した8属性の手玉を見せてほしい。」
「ぜひそうするといい!手玉を教えたときのように指導してあげよう!」
「そういってエレプスさんも見たいだけじゃないですか。まぁいい、キオ、俺もできうる限り手伝う。頑張れよ。」
「う、うん。」
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