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第二章
5人のSSランク
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お昼がイカリングと海鮮パスタだったわけで、夕飯は何にするか悩んだけど、結局僕がちょっと食べたいということでオムライスにした。ケチャップと炒めたチキンライスはガロにも結構好評だったのでよかっただろう。
そのあとはクッキー作りに挑戦。ラップもホイルもないけど色んなサイトの作り方を参考にがんばった。まずクッキー生地はボウルにバター、粉砂糖、卵黄を混ぜて、そこに薄力粉を入れればできるので問題ない。
問題はこの後、作ったことあるのはアイスボックスクッキーというやつらしく、ここでラップして冷蔵庫で冷やした。だけどラップはないので、もう冷やさずにこのまま焼き上げてみることに。材料にチョコがあれば入れたかったけど、入れられそうなのはナッツくらいしかない。ナッツ入りは個人的にそれほど好きじゃなかったので今回は無し。
前は棒状にしたのを切り分けたけど、それも難しそうなので手で丸めたて形作って鉄板に並べてオーブンへ投入。焼き上がりを見てみるとところどころ崩れてるのもあるけど、それなりに出来上がっていた。悪くはないだろう。
「んー、なるほど、これが菓子か。甘いがうまいな。」
「クッキーっていうんだよ。まぁまぁの出来だったかな。」
笑って返したけど、ちょっといまいちだった。ガロはこういうのを食べたことがなかったみたいだったからいいけど、僕は元の世界で食べ慣れている。調理実習の時ですら生地には薄力粉をくわえる前にアーモンドパウダーにバニラエッセンスも入れたし、焼き上げる前にチョコチップも混ぜてるからもっとおいしかったのだ。
こればっかりは材料不足といわざるを得ない。アーモンドパウダーくらいならアーモンドはあるからうまくやれば作れるかもだけど。
「なんかいまいちそうだな?」
「うーん、いやね、僕が昔作った時はチョコとか入れたからもっとおいしかったんだよ。」
「チョコ?まさかチョコレートか?あれは聖都シャフィーでしか扱っていないものだぞ?ってキオは知らないか。」
「聖都?王都とは違うの?」
また知らない町の名前が出てきたけど、聖都とはまた大げさな名前だ。王都があるのに不敬だとかならないんだろうか?
「聖都は王都が決められるよりも前からあったそうだからな。俺も詳しくは知らないが、三神を詳しく知りたければそこに行けば知れる。だが、あまり近寄りたい場所ではないな。」
「もしかして神への勧誘みたいのがあったりするの?」
「よくわかったな?」
「そういう話はよく見てたからね・・・」
つまり王都よりも前からある神に仕える者たちの都ってところだろうか。チョコレートは欲しいけど、それだけでそんな物騒なところには近寄りたくはない。正直自分が人間なのでなんか不安である。
「なるほど、よく言ってる物語の世界か。あながち似たようなものだろうが、あそこにもギルドがある。王都くらいに大きい場所がな。影響力もあるから滅多には冒険者への無理やりの勧誘はされない。だがランクが上がるとすり寄って勧誘はされるがな。」
「勧誘自体はされるんだね。」
乾いた笑いをしながら返すとガロも肩をすくめた。すり寄られるのは結構迷惑な感じがしそうだ。僕はランクは低いけど、ガロのパートナーってことで色々見られそうだし。
「だがくっきー、だったか?これがもっとおいしくなるなら行く価値はあるだろう。」
「すり寄られて嫌だったんじゃないの?無理に行かずとも遠征依頼で行ったときとかでいいんじゃない?」
「いや、聖都への遠征依頼はめったに出ることはない。あそこのギルドマスターは5人しかいないSSランクの一人だ。」
「SSランクって、確かグランドマスターの時も言ってたよね?」
「あぁ、Sランクよりも上であるということだな。」
それって、相当すごい人ってことだよね?ギルドを統括するグランドマスターレベルってことだもん。そりゃ遠征依頼も出ることはないか。その下には王都みたいにSランクの人もいるだろうし。
「ねぇガロ、SSランクは5人って言ったけど、どんな人がいるの?」
「二人はキオもあったことがある。グランドマスターのディバンさん。サブマスターのセリスさんだ。」
「え!?二人ともSSランク!?な、なるほど。」
ディバンさんだけかと思ってたけど違うらしい。セリスさんも同格レベルの才能があるってことなんだろう。王都にはそれだけ主軸を置いてるってことだよね。
「続けるぞ、聖都シャフィーのギルドマスターのレヴィーアさん、そしてそして最も大きい港町であるポートリアのギルドマスターであるジャッグさん。当然ドーパーよりも大きい港町だ。そういえばこの間あったフィンルの兄だと聞いたことがある。同じ海類種なんだろう。」
「海類種?てっきりイルカ種なんだと思ってた。」
「いわゆる水性の魔物と似ている種族を海類種と総称するんだ。かなり珍しい種族だな。」
イルカといっても反応しなかったってことは多分イルカの魔物がいるんだろう。兄弟って言ってたけどジャッグさんって人もイルカなんだ居るか?それとも同じ海類種って言い方だったしイルカではないんだろうか?気になるところだけど、話しをされしすぎるのはよくないかな。
「それで、もう一人はどこのギルドマスターなの?」
「いや、もう一人はギルドマスターではない。さすらいのSSランクのベラルさん。種族は確か狼種だったか。毛並みは真っ白らしいがな。」
「だったとからしいとか、見たことはないの?」
「そもそも俺があったことがあるのはディバンさんとセリスさんだけだぞ。王都からの遠征依頼をこなしていただけだからな。」
ということは聖都だけじゃなく、ポートリアっていう見たと町にも遠征依頼ではめったに行かないんだろう。というか遠征依頼で他の町に行ったからってギルドマスターと顔合わせるかは別の話か。
「あ、そうだ、ちょっと気になったことがあるんだけど、ギルドマスターのフィンルさんにはドラドさんですら普通に砕けて喋ってたよね?あれはよかったの?」
「あぁ、あれか。仕方ないだろ。おそらく最低でも一度はペアを組んだことがあるはずだ。俺も組んだことがある。兄との年齢差があるらしく目指すところが兄だと話してくれてたな。それでがむしゃらにペアでの遠征依頼やギルド職員仕事をこなし、規模は違えど見事兄と同じ港町のギルドマスターまで上り詰めた。」
「なるほど、同期の出世株みたいなものなんだね。」
「ん、同期というわけでもないし出世株というのもよくわからないが、近しい存在の出世という感覚はあるな。」
おっと、つい元の世界の言い回しが出ちゃったけど、僕の考えていたような間柄のようだ。そりゃ少し砕けた間柄にもなるだろう。ギルドマスターにも色々いるんだな。
そのあとはクッキー作りに挑戦。ラップもホイルもないけど色んなサイトの作り方を参考にがんばった。まずクッキー生地はボウルにバター、粉砂糖、卵黄を混ぜて、そこに薄力粉を入れればできるので問題ない。
問題はこの後、作ったことあるのはアイスボックスクッキーというやつらしく、ここでラップして冷蔵庫で冷やした。だけどラップはないので、もう冷やさずにこのまま焼き上げてみることに。材料にチョコがあれば入れたかったけど、入れられそうなのはナッツくらいしかない。ナッツ入りは個人的にそれほど好きじゃなかったので今回は無し。
前は棒状にしたのを切り分けたけど、それも難しそうなので手で丸めたて形作って鉄板に並べてオーブンへ投入。焼き上がりを見てみるとところどころ崩れてるのもあるけど、それなりに出来上がっていた。悪くはないだろう。
「んー、なるほど、これが菓子か。甘いがうまいな。」
「クッキーっていうんだよ。まぁまぁの出来だったかな。」
笑って返したけど、ちょっといまいちだった。ガロはこういうのを食べたことがなかったみたいだったからいいけど、僕は元の世界で食べ慣れている。調理実習の時ですら生地には薄力粉をくわえる前にアーモンドパウダーにバニラエッセンスも入れたし、焼き上げる前にチョコチップも混ぜてるからもっとおいしかったのだ。
こればっかりは材料不足といわざるを得ない。アーモンドパウダーくらいならアーモンドはあるからうまくやれば作れるかもだけど。
「なんかいまいちそうだな?」
「うーん、いやね、僕が昔作った時はチョコとか入れたからもっとおいしかったんだよ。」
「チョコ?まさかチョコレートか?あれは聖都シャフィーでしか扱っていないものだぞ?ってキオは知らないか。」
「聖都?王都とは違うの?」
また知らない町の名前が出てきたけど、聖都とはまた大げさな名前だ。王都があるのに不敬だとかならないんだろうか?
「聖都は王都が決められるよりも前からあったそうだからな。俺も詳しくは知らないが、三神を詳しく知りたければそこに行けば知れる。だが、あまり近寄りたい場所ではないな。」
「もしかして神への勧誘みたいのがあったりするの?」
「よくわかったな?」
「そういう話はよく見てたからね・・・」
つまり王都よりも前からある神に仕える者たちの都ってところだろうか。チョコレートは欲しいけど、それだけでそんな物騒なところには近寄りたくはない。正直自分が人間なのでなんか不安である。
「なるほど、よく言ってる物語の世界か。あながち似たようなものだろうが、あそこにもギルドがある。王都くらいに大きい場所がな。影響力もあるから滅多には冒険者への無理やりの勧誘はされない。だがランクが上がるとすり寄って勧誘はされるがな。」
「勧誘自体はされるんだね。」
乾いた笑いをしながら返すとガロも肩をすくめた。すり寄られるのは結構迷惑な感じがしそうだ。僕はランクは低いけど、ガロのパートナーってことで色々見られそうだし。
「だがくっきー、だったか?これがもっとおいしくなるなら行く価値はあるだろう。」
「すり寄られて嫌だったんじゃないの?無理に行かずとも遠征依頼で行ったときとかでいいんじゃない?」
「いや、聖都への遠征依頼はめったに出ることはない。あそこのギルドマスターは5人しかいないSSランクの一人だ。」
「SSランクって、確かグランドマスターの時も言ってたよね?」
「あぁ、Sランクよりも上であるということだな。」
それって、相当すごい人ってことだよね?ギルドを統括するグランドマスターレベルってことだもん。そりゃ遠征依頼も出ることはないか。その下には王都みたいにSランクの人もいるだろうし。
「ねぇガロ、SSランクは5人って言ったけど、どんな人がいるの?」
「二人はキオもあったことがある。グランドマスターのディバンさん。サブマスターのセリスさんだ。」
「え!?二人ともSSランク!?な、なるほど。」
ディバンさんだけかと思ってたけど違うらしい。セリスさんも同格レベルの才能があるってことなんだろう。王都にはそれだけ主軸を置いてるってことだよね。
「続けるぞ、聖都シャフィーのギルドマスターのレヴィーアさん、そしてそして最も大きい港町であるポートリアのギルドマスターであるジャッグさん。当然ドーパーよりも大きい港町だ。そういえばこの間あったフィンルの兄だと聞いたことがある。同じ海類種なんだろう。」
「海類種?てっきりイルカ種なんだと思ってた。」
「いわゆる水性の魔物と似ている種族を海類種と総称するんだ。かなり珍しい種族だな。」
イルカといっても反応しなかったってことは多分イルカの魔物がいるんだろう。兄弟って言ってたけどジャッグさんって人もイルカなんだ居るか?それとも同じ海類種って言い方だったしイルカではないんだろうか?気になるところだけど、話しをされしすぎるのはよくないかな。
「それで、もう一人はどこのギルドマスターなの?」
「いや、もう一人はギルドマスターではない。さすらいのSSランクのベラルさん。種族は確か狼種だったか。毛並みは真っ白らしいがな。」
「だったとからしいとか、見たことはないの?」
「そもそも俺があったことがあるのはディバンさんとセリスさんだけだぞ。王都からの遠征依頼をこなしていただけだからな。」
ということは聖都だけじゃなく、ポートリアっていう見たと町にも遠征依頼ではめったに行かないんだろう。というか遠征依頼で他の町に行ったからってギルドマスターと顔合わせるかは別の話か。
「あ、そうだ、ちょっと気になったことがあるんだけど、ギルドマスターのフィンルさんにはドラドさんですら普通に砕けて喋ってたよね?あれはよかったの?」
「あぁ、あれか。仕方ないだろ。おそらく最低でも一度はペアを組んだことがあるはずだ。俺も組んだことがある。兄との年齢差があるらしく目指すところが兄だと話してくれてたな。それでがむしゃらにペアでの遠征依頼やギルド職員仕事をこなし、規模は違えど見事兄と同じ港町のギルドマスターまで上り詰めた。」
「なるほど、同期の出世株みたいなものなんだね。」
「ん、同期というわけでもないし出世株というのもよくわからないが、近しい存在の出世という感覚はあるな。」
おっと、つい元の世界の言い回しが出ちゃったけど、僕の考えていたような間柄のようだ。そりゃ少し砕けた間柄にもなるだろう。ギルドマスターにも色々いるんだな。
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